こんにちは、こんばんは、レコード店片山です。 ここ数年毎年夏になると、やれ熱射病やら、やれゲリラ豪雨やらなにかと異常気象を掲げてますが、今年の冬も本来寒い時期に暖かかったりある意味異常気象なのでしょうか。 さて1月2月は1年で最も寒くなりやすい時期いわゆる「大寒」の到来です。 「今年は暖かいなぁ〜」と誰しも口にしたであろうぐらいに暖かかった冬が。急変。 いきなり来ました。雪の冬。 大寒どころではありません。ニュースでは「最強寒波」と言っておりました。ニュースで最強という言葉をひさびさに聞きましたが・・どうやら最強らしいです。 油断していた我々は「おいおい。待て待て。心の準備が…」とばかりに体調を崩し交通機関もパニック。こちらの愛知も降り積もりました。 そして恥ずかしながらわたくしも流行りの胃腸風邪をいきなりくらいました。とほほ。 皆様もお身体にお気をつけ下さい。自分は大丈夫だと思っていても、なるときはなります(俺) 。帰ったら、うがい手洗いは必須ですね。 しかし雪。積もり過ぎで事故が多発したりと自然災害といった印象になり大変なこともわかります。ただポジティヴに捉え方を変えてみると「雪の美しさ」というものも感じることができます。 そして雪景色の美しさは何物にも変えがたいものがあります。 毎日我々が見ている街、緑、自然。そこには色々な色彩が混ざりあっています。 そんな毎日から一気に目の前が雪によって真っ白になった雪景色を見ると、浄化されるような純潔な気持ちになりませんか。 |
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そんな美しい雪景色。その雪景色を使った「雪ジャケ」の作品を今回は紹介しようと思います。 内容の音楽の素晴らしさをよりプラスに魅せるかマイナスに魅せるかは、ジャケットの素晴らしさが影響しているのも事実。 もちろんジャケットの先入観から音楽の印象が変わることもレコードの楽しさでもあります。ジャケットのセンスは大事ですよね。 あと、こういった雪ジャケの作品を部屋に飾ることで、室内でも雪景色の美しさを感じつつ風情を感じることができますよね。 |
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Bruce Cockburn / High Winds White Sky 邦題:雪の世界 雪ジャケといえばまず本作が一番に最初に思いつきます。これぞ雪ジャケ。 ジャケの素晴らしいことなんの。これはCDではなくレコードで欲しい美しい雪ジャケです。 肝心の内容も素晴らしいナチュラル・フォークの極み。カナダ出身ということもあり独特の冷たさを感じるのはジャケの先入観だけではないはず。 全曲アコースティックの弾き語りでバンド・サウンドは一切なし。つまびくギターのピッキングがクリアに聴こえて吸い込まれるように聴きいってしまう透明度。歌声は優しいので温かいと感じるかと思いきや、やはりどこか冷たく緊張感もある不思議な感触。 シンプルだから美しい、シンプルこそが美しい、そう思わせる透き通る繊細な作品です。 |
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Eddie Mottau / No Turning Around お次はスワンプ・ロックから雪ジャケのスワンプ名盤を。 雪の美しさだけではなくアンド手を繋いだ親子の写真がのっかるホッコリ具合も最高。スワンプなシンガーソングライター作品ですが、1曲目からいきなりファンキーなスワンプ・グルーヴが飛び出してくるギャップも最高。いや〜堪らん。 とはいえ全体の感触はスワンプすぎずピアノやハーモニーも前面に出ていて、ポップな歌ものサウンドなので意外やウェストコースト・ロック好きもいけるんじゃないでしょうか。アーシーさの中にも温かいメロディと切ない雰囲気もバランスよく同居してます。ジョン・レノンの作品にもアコギで参加してましたかね。 ともあれこの雪ジャケでこの好内容、見かけたら即買いですよ。 |
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さて、次はビッグネームといきましょうか。 ニッチな作品ではなくても意外や意識していないだけで雪ジャケが存在します。 |
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Steely Dan / Pretzel Logic 実は良く見るとこの作品も雪ジャケなのです。よ〜く見てください。よ〜くですよ。わかりましたか?そうです、焼きたてプレッツェルを売っているおじさんの足元が雪です。 のちの名盤「AJA」に見られるクールで職人的なサウンドはまだ潜んでいるレベルで、もっとアコースティックよりでメロディアスな作品。つまり歌もの作品ですね。まだバンドというよりソングライターのような佇まい。この温もりのあるサウンドが自分の好みとマッチしてますね。 次作の「Royal Scam」も人気ですが、そちらは少しAORに接近した感があるのでどうしても個人的にはこちらに軍配が上がるんですよね。 |
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Stephen Stills / Stephen Stills CSN&Yのスティルスのファースト・ソロも雪ジャケですよね。 そして目を引くのはピンクのキリン。雪なのにピンクのキリン。しかも水玉。ピンクに水玉。ぬいぐるみなのか生き物なのかわからない。どうでしょう。このセンス。よくわかりませんが可愛いです。 ソロ作ということでCSN&Yのフォーク・サウンドよりも黒人音楽のゴスペルやソウルなどを開花させていますよね。フォークだけではなくエレキを使ったりしてブルーアイドソウルな側面も見せてます。グルーヴィな曲もいっぱい入ってて僕は好きですね。 中でも『Love The One You're With』はかきむしるアコースティック・グルーヴとゴスペル隊を使った壮大なコーラスワークに幸福感が起きる名曲。間奏のオルガンからどんどん盛り上がる展開に鳥肌が立ちます。フリーソウルでも再評価されましたね。 |
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Ornette Coleman / At The Golden Circle さてさていよいよ本家の登場です。 ジャズの強い当店ではジャズは外せません。はい、雪ジャケ&ジャズといえばこれでしょう。そうですよねコールマンさん。 雪の中に立つ粋なおじさま3人組。かっこいいです。クールです。粋です、お洒落です。 フリージャズという概念からなかなか手を出しにくく、実際僕も最近まで向き合ってなかったのですが、ここで紹介するにあたって再度聴いてみました。が、あれ?意外や意外、そこまでフリージャズという印象は受けませんでした。たしかに何だか異様な違和感をどことなく感じるのですが、個人的にはそこまでフリーしすぎてないし前衛的しすぎてないと感じました。 フリー、すなわち極端に言えばコード進行は何でもよしなわけで、その中でもしっかりとメロディこそも聴かせるコールマンは凄いわけで。違和感を感じつつ気持ちよさも感じる不思議な感触で、さらに聴き込めばもっと入り込めそうな中毒性の高い作品かも。 フリージャズに苦手意識を持っていたら敬遠せずに本作を手に取ってみてはいかかでしょうか。 |
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Duke Jordan / Flight To Denmark ジャズで雪ジャケといえば本作も紹介しなくては。 ハードバップリバイバルで復活したデュークさん。本作はやっぱりジャケの白率の多さが美しい。黒く立ちそびえる人間像とのコントラストもセンスの良さを感じます。 肝心のサウンドはゆったりエレガントなピアノ・ジャズですね。1973年ということもあり洗練された音ですが、その分ピアノのフレーズと曲調が流れるように明確で実に聴きやすい。優しく哀愁のあるピアノの音色がジャケとリンクしてより美しさを際立てます。雪ジャケ関係なくともピアノ・ジャズの中では好きな作品です。 |
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いかがだったでしょうか。 内容も良ければジャケも素晴らしい。そして雪の美しさも伴えばより素晴らしい。 是非ともコレクションに加えていただいてレコードで風情を感じてみるのも悪くありませんよ。 |
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さて、告知がございます。 1/30(土)から【洋楽輸入盤特選LP特集第二弾!】と【邦楽特選LP特集!】を行います。 洋楽の方は王道の超名盤の輸入盤を一気に放出します! 国内盤はよく見るけど意外に輸入盤は見ないタイトルがごっそりあります。 音質にこだわるならやっぱり輸入盤といったリスナーにとっては、この機会に一気に買ってしまえるほどのセレクションです。 邦楽はもっとお薦めで、いまだに再評価されているようなフォーク、ニューロック、シティポップなどの高額なタイトルを放出します!なかなか見かけない激レアなタイトルもありますよ。 「ハイファイ堂はジャズとクラシックだけではなく、洋楽も邦楽もあなどれませんよ」といった自信のある特集ですので、是非とも足をお運びください!お待ちしております! |
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