あけましておめでとうございます。レコード店片山です。 本年もハイファイ堂ともども宜しくお願い致します。 さてさてお正月。 みなさんはどんなお正月をすごしましたか? 家族団欒、親族も集まってワイワイガヤガヤ、初詣でおみくじ、そして運試し、誰かお年玉くれ〜、なんとも日本のイベントとしてやはりお正月がなくては1年始まりません。 僕は毎年実家に帰り姪っ子にお年玉をあげるんですが、毎年大きくなって子供の成長は早いんだな〜と実感する1日となります。 |
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では、本題といきましょう。 ジャケット名盤を紹介する片山のメールマガジン、なにか正月らしい特集はないかと考えましたところ、これはどうでしょうか。 正月→日本→和→着物 和テイストのジャケットは次回に寝かせていただきまして、せっかく正月なので正月らしい雰囲気をということで着物でいきましょう。 洋楽アーティストで和テイストのジャケもチラチラありますが着物ジャケがあるのはご存知ですか? 当時はどれだけ日本の認知があり好かれていたのかはわかりませんが、そんな海外から見た日本、これがジャケットに表れていてこれがまた面白いもんなんですよ。 それでは「海外から見た日本 着物ジャケ編」行きましょう。 |
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Sparks / Kimono My House (1974年作) 着物ジャケといえばこれでしょう!着物Myハウス! ジャケのインパクトたるや。ペインティング(化粧?)もポージングもアーティスティックで最高ですね。 このジャケのインパクトが強くてなかなか肝心の中身であるサウンドやバンドのイメージが弱い気がしますが、実は本作むちゃくちゃその筋にとっては評価の高い作品なのです。 兄弟バンドなんですが、最初聴いたときは女性ボーカルと思っていたのですが、ななななんとボーカルは男性!何年も女性だと思っていた俺。 ファルセットを多用した中性的なボーカルゆえにたぶん俺以外にも女性ボーカルだと思っていた人が多いはず。 そしてサウンド、グラム・ロックやパワーポップを取り入れて早すぎたニューウェーヴともいえる奇天烈なアレンジが光り、これぞ「元祖ひねくれポップ」と断言してもいいでしょう。いや、しちゃいます! いま改めて聴いても全然古さを感じないんだよな〜。とても74年の作品とは思えないアレンジ力。 79年ぐらいのニューウェーヴ・バンドと混ぜても全然違和感ないよな。それぐらいひねくれポップ好きには再評価の高い作品です。 ただジャケの着物はいったいなんだったのだ・・。きっとハイセンスが生んだ遊び心だったと思います。ジャケ含めて一歩先のセンスだったんですね、きっと。 |
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Steely Dan / Aja (77年作) そしてお次は大名盤を。 いわずもがな最強で孤高の録音バンド、スティーリー・ダンの最高傑作と名高い本作。 CDとかでパッと見で見るとあんまり着物ジャケかと気づきづらいですが、レコードで見るとまた見え方が違う気がしますね。ここがレコードのいいところ。 ただの模様ではなく中央に着物をきた女性が立っています。この女性は山口小夜子さん。そうです日本人のモデルさんなのです。 海外のアーティストが日本人を起用するこのセンスもまず素晴らしいのですが、そして俺がもっと素晴らしいなと思ったのは色彩です。 黒、赤、白、この3色。当時のアーティストはカラフルなジャケが多かったイメージですが、本作はシンプル、そして無駄のないバランス。 黒色の色彩のなかで白と赤のポイントが光るのです。クールで神秘的な雰囲気を想像できますね。 サウンドはソウルやジャズを大胆にかつ精密に組み込み、そこに複雑なコード進行とプロフェッショナルなメンバーによる高度演奏。 妥協はありません。ここにあるのは完璧だけ、と言わんばかりに驚愕の完成度を誇ります。 世間的にはAORというカテゴリーで区別されやすいですが、正直AORか?と僕はいつも思いますね。 なんというかスティーリー・ダンは唯一無二のアーティスト、そんな印象をずっと思っています。 もし昔に一度聴いててあんまりピンとこなかったらちょっと寝かせて10年後にでもまた聴いてみてください。 きっと当時と違う印象を感じると思います。 そう、時代を超える作品、聴くたびに何かしら毎回再発見できる凄い作品だと僕は思います。 色々な音楽を聴いてからじゃないと本作の良さはなかなか伝わらないかもしれません。(言い過ぎか?) |
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The Best Of Emerson, Lake & Palmer (80年作) さてさて最後は思わず手に取りたくなるような着物ジャケを。いや浮世絵ジャケか? 実際僕も初めてレコードで見たときに「・・・まじか?」と色んな意味で驚いたのを思い出します。 ここまで大胆に和テイストのジャケットもなかなか見たことがなかったので、正直ここ日本のメーカーがなかば強引にジャケを作ってリリースしたんじゃないかと胡散臭さも感じましたが。 で、調べてみるとどうやら本作はしっかりとした公式ベスト盤ということです。 しかも日本限定のジャケというわけでなくイギリスやその他でもこの着物ジャケでリリースされたということなんですよね〜。わお。 (ただし94年リリースのCDからジャケがロゴ・ジャケへと変更になりました。あああ。) そしてよ〜く見てください。ジャケの3人が手に持っている物、そう!歴代のエマーソンの名盤のジャケ(レコード)を持っているのです。 この時代の絵で、絵手紙のようなものとしてジャケットを持つのはそこまで違和感がないのですが、 その置いてあるレコードプレーヤーが違和感ありあり!いやはや、粋ですね〜。 (左の男性に「レコードを踏むんじゃない!」とか言いたくなるけど) さてザックリと肝心のサウンドを説明すると、クラシックの様式美とプログレの劇的音楽を融合させ、ぶっとんだオルガン&シンセサイザーを強力に炸裂させるスリーピースのバンドです。 本作のベストはプログレにありがちな長編な曲は排除し、あえてコンパクトな曲で構成されたベストですね。でもちゃんとこのバンドの凄さや魅力は感じることができますよ。 |
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いかかだったでしょうか。我々日本人が英語が記載されたシャツや雑貨をオシャレだと思う気持ちのように、 その逆で海外からしたら日本の文化がオシャレに見えているのかなぁ、むしろ見えているといいなと思いますね。 今回紹介した作品もそうですが、少しでも多くの方に素晴らしい作品を知ってもらいたいのでもし気になる作品がありましたら聴いてくれたら幸いです。 |
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今年もご愛顧いただけるようなレコード店を目指し日々邁進し、期待に応えれるような商品展開と特集をしていきますので、引き続き今年も一年何卒宜しくお願い致します。 |