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雨の名盤
ハイファイ堂メールマガジン第702号 ハイファイ堂レコード
こんにちは、こんばんは、レコード店片山です。
真夏と違ってこのジメジメとくる梅雨独特の蒸し暑さ。
連日猛暑かと思ったらいきなりの豪雨だったり体温調整が大変なこの季節、みなさまどうぞ体調崩さぬようお気をつけください。
今回のテーマは 猛暑には涼しい作品を、そして梅雨時期をかけまして「雨の名盤」テーマにしていくつか作品を紹介したいと思います。
雨の日は家でゆっくりレコードを聴く時間にする、こういったポジティブな考えで音楽と向き合う時間も大切ですよね。
そして雨の日に雨を感じる作品を聴く、もしくは猛暑に室内でクーラーで涼しんでクールな作品を聴く、これもいいですよね。
しかしいざ「雨の名盤」をテーマに探してみたものの意外や意外、雨を歌った名曲は数あれど「雨を感じさせる作品はこれだ!」と決められる作品はなかなか無く...。
やはり雨を感じる作品はひとそれぞれだなぁと思いました。
みなさんは雨の日はどんな作品を聴きたくなりますか?
しんみりとした切ないメロディ、メランコリックな雰囲気、どよ~んとひたすらダウナーで暗い作品、ジメジメとした粘っこい作品、チルアウトな作品、バラードの多いジャズボーカル作品、とか。
やはりひとそれぞれ違いますよね。気分によっても聴きたい音楽は変わるわけだし。
自分のメルマガはひとりでも多くの人に知名度関係なく素晴らしい作品に出会っていただきたい、がテーマなので、自分なりの「雨の名盤」をセレクトしてみました。
もちろん人によっては雨を感じないのかもしれませんが参考程度にしていただければなぁと思います。
それでは「雨の名盤」行きましょう。
Ben Watt / North Marine Drive (1983 年作)
水とたわむれるジャケから水の匂いを感じる個人的「雨の名盤」はこちら。
耳もとで囁かれてる様な繊細でいまにも消えそうだけど内には芯の通った知的な歌声。
エコーをかけサイケデリックなボサノヴァのようにタッピングしてつまびくアコースティックギ ターは儚く冷たい。
1曲目こそアコギをかきむしりキラキラしたネオアコ感があるが2曲目以降は内向的でメランコリックな弾き語りアコースティックナンバーが続きます。
ほぼ全曲バンド編成を要せず、歌声とアコースティックギターのみ。
この美しさにバンドは必要ない。欲しいのはこれだけいい。と思わせるシンプルの極み、そして透明感と清涼感、アコギのつまびく音がポタポタと落ちる雨のよう。
まさに水を感じるのです。
暗く冷たく、そしてそれを越えて儚くも美しい。
リリースされた時代やのちにエヴリシング・バット・ザ・ガールとしてネオアコ・バンドで成功する功績ゆえにネオアコの括りで紹介されますが、
本作はネオアコ好きより至極シンプルで余計な飾りがいらないセンシティヴなアコースティック・ソングライターが好きな人にも聴いてほしいです。
Lambert & Nuttycombe / At Home (1970 年作)
もう1枚は70年代フォークから紹介します。
家の中で涼んでいるジャケット、雨宿りでしょうか。
どこか冷たい色彩と反射しているガラスに映りこんだ風景が曇りっぽいからかそう思ってしまいます。
サウンドはボーカル2人とギター1本のみの弾き語り作品です。
ドラムもベースもなくバンド編成ではありません。
上記で紹介したベン・ワットと同じタイプかと思いきや、こちらはボーカル・ハーモニーも美しく牧歌的で少し温かい雰囲気があるアコースティック・サウンドです。
あと私があえて雨の名盤として本作を紹介したのはジャケットはもちろんなんですが、人間味があるんですがどこか冷たいんです。
スーっと心が浄化されるような水の様な、冷たい雨のような感触を私は感じます。
サイモン&ガーファンクルのフォーク・バラード曲がいっぱい収録されている、と思ってもらえれば想像できるかと思います。
Margo Guryan / Take A Picture (1968 年作)
続いては60年代作品から。
雨ジャケといえば真っ先に本作が思い浮かびます。
60年代ソフト・ロックとして紹介される本作、彼女自身はビーチボーイズの名盤「ペット・サウンズ」に触発されて本作を作ったとされています。
フレンチのような舌足らずな幼いキュートで浮遊感のある歌声、そして予想以上にアシッドでサイケデリックなサウンドが鳴っています。
元々ジャズ・ピアニストだったらしくその感性を活かしたフリージャズのような前衛的な曲もあれば変拍子やアヴァンで陰鬱なアプローチ、
そして魔法の世界のような幻想的なアレンジの数々は実に中毒性が高いです。
個人的にはソフト・ロックというよりもサイケ・ポップといった感じでしょうか。
雨の日にじっくり聴き込むとずっしりと心に入ってくる作品です。
いかかだったでしょうか。もし気になった作品があれば是非コレクションに加えてみてください。
今週の3連休特集告知をさせてください。
まず 7/15(土)に「洋楽ハードロック・ヘヴィメタルLP特集! オール1000円!!」を開催します。
全品1000円均一で約50枚の放出です。もちろん貴重な帯付きなど本来1000円以上する作品もあえて1000円で多々放出しますので早い者勝ちです!
そして次の日 7/16(日)は「洋楽LP シンガーソングライター特集!」を開催します。
こちらはフォークからブルー・アイド・ソウルやAORまで70年代ソングライターの人気作がかなりありまして、CD化されていないようなマニアックな作品も結構ありますよ。しかも輸入盤多めです。
自称シンガーソングライター好きの私が見ても結構好内容だと思います。
好きな人にはたまらない特集だと思いますのでこちらもご期待ください。
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