こんにちは、片岡です。気温も落ち着き過ごしやすい季節になってきました。今年の夏は暑すぎて「何も言えなくて、、、夏」状態だった私も、この秋こそは何かを残したいと思いながら、今日もレコードをただひたすら聴く日々を過ごしてしまっています。 |
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毎日お客様とレコードの話しをしていると必ずと言っていい程話題に上がるのがレコードの掃除の仕方についてです。掃除と言っても何種類もの方法があり、話しがつきません。今回はこのレコードの掃除方法について、メリット、デメリットを踏まえ紹介したいと思います。 |
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まずは一番スタンダードな掃除方法のクリーニング・スプレー&布製クリーナーのコンビです。 メーカーは長岡、オーディオ・テクニカが有名です。スプレーはどちらも使用したことがありますが、効果は同レベルだと思います。布製クリーナーは長岡よりもオーディオ・テクニカの方が充実しています。因みにどちらも当店でも取り扱っています。 |
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このクリーニングのメリットはずばりシンプル、簡単なことです。レコード面にスプレーを拭き付け、クリーナーを溝にそって反時計回りに拭き上げていくだけです。盤面の埃は除去でき、ツヤも出てキレイになります。デメリットはスプレーでは溝の奥の細かい汚れまでを完璧に取り除くことができないこと、またカビには効果がほぼ無いことです。長い間押入れにしまってあったような汚れの染み付いたレコード群にはちょっと厳しいです。また比較的綺麗なレコードでも拭き上げる際に静電気が発生し埃が一緒にクリーナーと散歩をしてしまう無間地獄に陥ってしまうことがあります。無間地獄については書籍『オーディオ小僧の食い残し』(著:牧野良幸/ 共同通信社 /2009)の一コマをご参照ください。 |
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スプレーでは取り去れない汚れ、主にカビで困った場合に登場するのが液体タイプのクリーナーです。国内でも数種類ありますが、クリーニング専門メーカーのレイカのバランス・ウォッシャーが有名です。A液とB液があり、専用のビスコというガーゼのような布で拭き上げます。A液は汚れを取る掃除用、B液は仕上げ用でコーティングを施して汚れを防ぐワックスのような役割です。あくまで仕上げ用なので時間がない時はA液しか使用しない場合もあります。当店でも取り扱っており、よく店頭でお客様よりB液は使った方がいいのかとご相談を受けますが、いつもA液がシャンプーでB液がリンスのようなものですと言う自分的には上手く例えれている感じがしながらも何か嫌な予感がして、喉の手前まで出てやめると言ったことを繰り返しています。メリットは液体が溝の奥まで浸透しカビなどの汚れもしっかり除去できること、デメリットは一枚一枚、拭き上げるのに意外と時間がかかり、あまり強いと盤面を痛めてしまう可能性があることです。また拭き上げが甘いとその液体が却ってチリプツ音の原因になってしまうことがあることです。 |
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レコードがありすぎて一枚一枚掃除する暇がないと言うネクスト・ステージに上がった方達に待っているのがレコード洗浄機です。現在レコード洗浄機界はバキューム派、超音波派の2派に分かれおり、どちらも多くのメーカーから製品が作られており強い支持があります。 バキューム・クリーナーはその名の通り盤面を吸引して汚れを乗り除きます。まさに掃除機です。メリットは速いです。レコードをセットして専用液を垂らしてスイッチ・オン。レコードが回転し、吸引ノズルが専用液と埃を吸い上げてくれます。それを裏表するだけ。割とキレイなレコードでしたら専用液を使用せず、バキュームをかけるだけでも十分汚れは取れます。デメリットは煩いことです。家庭用掃除機と違い静音性は二の次です。吸引力=爆音。ブイーーーッンという音が部屋中に響き渡ります。それも一枚につき2回。少し間隔をあけて。もしレコードに好意的では無い家族がおられる方は煩いというクレーム受け合いです。よって時間と場所が限定されるところがあります。 |
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メガネの掃除で有名な超音波洗浄機はレコードの汚れにも絶大な効果を発揮します。浴槽に水(メーカーは蒸留水を推奨)を入れ、ラベルが濡れないようにカバーをつけ、レコードをセットしてスイッチ・オン。じぃ〜〜と言う地味な音はバキュームに比べれば許容範囲、3分ほどかけて、浴槽から取り出し専用立てなどに立てかけて乾かします。メリットは現状ではこれ以上無いと思われる洗浄力にあります。手作業で完全に取り去ったと思うレコードの汚れも、超音波にかけた後の音を聴くとそのノイズの減少から更に細かい溝の奥の汚れが取れたことを実感出来ます。またレコード盤を痛める心配が少ないことも上げられます。専用液を使用しないこともありランニングコストが電気代だけというところも良いです。(パーツの消耗による交換はあります。)デメリットは高価なところでしょう。レコード店で使用しているBELLDREAM製の洗浄機は約20万、洗浄後自動で乾燥もしてくれる自動洗浄乾燥機になると40万〜50万ほどが相場になります。もう一つ、充分に乾燥が出来ていないと水垢がチリプツ音となって音に出てしまうことです。液体系の掃除方法の宿敵とも言えますが意外とこれが厄介です。しっかり拭き上げたりして乾燥し過ぎると今度は静電気が発生しやすくなり、これもノイズや埃を増やす原因になります。 |
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一枚一枚手作業で掃除するのもレコードの愉しみの一つと言えます。ただやはり枚数が多くなると少し億劫になってしまうのも事実。何十枚も掃除するなんて大変、面倒、無理、でも高価な洗浄機を買うまでもないしという方にお勧めな方法があります。そうその方法は人に頼るです。当店の超音波洗浄機サービスです。↓↓↓ http://www.hifido.co.jp/docs/cleaning.html 超音波洗浄機で洗浄後、そのままバキューム洗浄機で仕上げとともに水気も一気に吸い取ってしまう、洗浄機界のあの両者が手を組んだまさに夢の洗浄方法です。 通常洗浄は一枚300円で承ります。お近くに店舗がある方は一度に10枚以上ご依頼頂ければ、一枚200円とお得になります。遠方の方でも20枚以上ご依頼頂ければ、往復の送料を当店が負担します。 専任のスタッフが一枚一枚しっかり丁寧にクリーニングさせて頂きます。興味がある方は是非一度ご依頼ください。 |
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レコードの掃除は見た目が良くなる以外にも、ノイズの減少、音質の向上、針の負担軽減など多くの効果があります。レコードを聴くなら是非日々のルーティンワークにしましょう。 |