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Cappuccinoのちょっとおすすめ第8弾 「セロニアス・モンク楽譜講座」2005年7月31日(日)12:00〜15:00 今回はJazz Club Over Seasにて「セロニアス・モンク楽譜講座」が開催されましたので参加してきました。トミー・フラナガンの唯一の弟子である寺井氏はデトロイト・ハード・バップ・(ロマン派)ジャズ・ピアニストです。因みに師匠のトミー・フラナガン氏はデトロイト・ハード・バップ・クール派だそうです。Jazz奏法にも変化がありますがハード・バップ・ピアノを弾きたいのであればビ・バップのバド・パウエルは避けて通れません。と言う訳でバド・パウエルの師匠であるセロニアス・モンクの世界に触れますが「譜面」が判らなくても後で判るようになるだろうからメモは取るようにと寺井氏は生徒さんたちにおっしゃいました。 |
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先ずスライドに写されたのは、セロニアス・モンクの写真・バド・パウエルとの写真・ニカ男爵夫人との写真、そして「鉄腕アトム」。何故アトムがここで登場するのだろうか。これが目からうろこが落ちる体験をするのであります。オープニングはSuper Sax & LA Voices のDon't blame me のスライドに写された楽譜と歌詞を見ながら音源を拝聴。(因みにジャズ専門店ミムラの店長いわく、このアルバムのCD化は無いということです)このサックス・グループは完全にチャーリー・パーカーをコピーしてメロディーをつけているということです。大変な練習を重ね尚且つ工夫を重ねて演奏をしているという事です。何故、寺井氏はあえて「歌詞」をスライドしたのか。それは、音源を聴く中たくさんのフレーズがありますが歌詞が浮かぶようなSaxの演奏を強調したかったのですね。(寺井氏註:SuperSaxの人たちがどれほど努力をしたのか!生徒の皆さんに考えてもらいたかったのです。)サックスというと私のようなど素人でも名前をしっているジョン・コルトレーン。彼のアルバムで一番人気は「バラード」らしいですが、私は"Giant Steps"が好きです。私の解釈として演奏に関しても「歌心」というものがあると思います。「歌詞」の意味を熟知しているか、演奏が「歌詞」を歌っているかということなのかな?と思った次第です。 |
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講座が進むにつれ、セロニアス・モンクの世界に入っていきました。ここで登場したのが「鉄腕アトム」です。寺井氏が「アトム」の曲を知ってる人はいますかと尋ねると若い世代は知らないようなので、寺井氏自ら演奏をされました。子どもの頃「鉄腕アトム」のイントロを聴くととても不思議な世界を醸し出していると感じておりましたが、このイントロ部分がセロニアス・モンクの「ホール・トーン・スケール」と言うわけです。全音階で構成されています。アルバムをお持ちのお方はどうぞ、針を落として聴いてみてください。 (写真はメルマガバックナンバーより引用、実写版の鉄腕アトムの主題歌が収録されています) |
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さて、クラッシック・ピアノを習った人ならお判りかと思いますが、手の中に卵を包み込むように両手を少し内に湾曲した形で弾きなさいと教わったと思います。しかし、セロニアス・モンクは指を逆反りして指を伸ばして弾きます。本来は正しい形ではないようです。テクニック研究よりコード・チェンジを複雑化したモンク氏はテクニシャンとはいえませんが理論を熟知した作曲家だということです。(当時のJazz Clubのピアノは調律もできていないし、ひどい状態のものが多かったということです。) |
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"Ruby My Dear"を拝聴しました。「楽譜講座」ですから勿論楽譜の解説があります。私にはチンプンカンプンですが気にしないようにしました。ジェット・コースターが下降するようなセロニアス・モンクのイントロ。下降しか使用しないそうです。上昇するホール・トーン・スケールを使うのは、トミー・フラナガン氏・寺井氏ぐらいだそうです。「キツツキ」のような奏法もモンクらしさ。私はあまり好きではないです。頭にキーンときます。比較するためジョン・コルトレーンが演奏する"Ruby My Dear"も拝聴後、モンクのアドリブ部分はとても良いとおっしゃったのですが。コルトレーンの演奏に関しては毒舌寺井氏いわく、「お盆も近づき線香臭い棒吹きの演奏、下からしゃくりあげるフレーズはいただけない」とのことです。「ルビー・マイ・ディアー」が「ルビー・誰やねん」と聴こえるそうです。次に寺井氏の師匠であるトミー・フラナガン氏の"Ruby My Dear"も拝聴。とても優美な演奏でした。寺井氏はこのような演奏をしたいとおっしゃいました。 (写真は過去情報データベースより引用) |
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"Off Minor"の楽譜もお勉強。モンクの趣味は卓球だったそうで、この演奏はまさしく「ピンポン」のフレーズのようです。面白いですねぇ〜。比較の為、トミー・フラナガン氏のアルバム「セロニカ」からの演奏を聴き休憩にはいる。後半"In Walked Bud"はサー・ローランド・ハナ氏の活きの良い演奏を聴き、"Thelonious"はフラナガン氏のアルバム、「セロニカ」からの演奏も聴きお勉強しました。以前、セロニアス・モンクのDVDを観た事があるのですが、とても興味をひく人物でありました。常にユニークなファッション、色んな帽子、奇妙な行動など。心の病気だったのかとも思いましたが、メディア向けの姿だったとも言われています。 (写真は寺井氏が講座で使用したトミー・フラナガン「セロニカ」) |
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「楽譜講座」というので最初私はご辞退したのですが、寺井氏が「文章を書く者、ビギナーこそ参加するべきです。」とおっしゃるので参加しました。私なりに得るものはありました。Over Seas でないと聴けない音源、心に残るエピソードなど特典満載です。セロニアス・モンクに関する年表等は「楽譜講座」の為に作成された資料を拝借し掲載させて頂きます。次回はバド・パウエル講座を予定しているということですので、ビジターの方も参加してみませんか?詳しくはOver Sears のHPをご覧ください。 http://www.jazzclub-overseas.com お薦め参考書:原書名Thelonious Monk / His Life And Music (Fitterling, Thomas) セロニアス・モンク−生涯と作品:T・フィッタリング[著]勁草書房 販売価格3,990円(税込)後藤誠[訳] |
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編集部よりお知らせ セロニアス・モンクが登場するDVDを「コン&カプのおすすめCD」でプレゼントします。 こちらをご覧下さい。 http://www.hifido.co.jp/merumaga/koncappu/050812/index.html |
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