cappuccinoのちょっとおすすめ第15弾 井上陽介氏へのインタビュー 2006.5.12(金) 今回ご紹介のジャズ・ベーシスト&コンポーザー井上陽介氏は2年前ニューヨークから帰国され、現在は日本でご活躍です。今年、スイング・ジャーナル誌人気投票ベース部門で第2位獲得。 |
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ひっぱりだこの井上陽介氏がライヴ前の貴重なお時間を割いて、快くインタビューに応じて頂きました。想像通りの温かなお人柄。ジャズビギナーの私にも判り易くジャズについてご回答くださいました。難しく考えるあまりに楽しめないジャズなら、余計な事を考えない方が良いとおっしゃる。更に目から鱗が落ちるある「解釈」にcappuccino納得。こんな優しい講師のジャズセミナーなら大勢の人が参加するでしょう。 ♪辛島文雄トリオで全国ツアー真っ最中。 http://www.pit-inn.com/karashima/frame_j.html ♪6/18浜松ジャズウィークでスペシャルバンドの一員としてフィル・ウッズとの共演予定。こちらの方も是非足を運んでくださいね。 http://www.yamaha.co.jp/event/hjw/ 井上氏のサイン入りCDプレゼントもあります。応募してね。では、インタビューレポートをお楽しみください。 |
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1) 家族の予想を裏切り大阪音楽大学作曲科に合格されたそうですね。どのような学生生活を送られましたか。 ★☆学生生活は、一言で表すとジャズ三昧でした。 「家族の予想を裏切る」というのは、僕は幼少の頃から特別な音楽教育を受けた訳でもなく、初見をしたりピアノ演奏を聴いて楽譜を書いたりという所謂ソルフェージュやピアノ演奏等、基本的な力が備わっていなかった。高校1年終わり頃にプロミュージシャンを目指そうと思ったのですが、両親が僕に大学進学を希望したので2年生の時に音大受験を決意。★☆ ★☆クラッシックピアノは小学生時代に習いました。僕としては継続したかったのですが、先生の都合で止めなくてはならない状況になったことや当時は男の子がピアノを習うという事はからかわれたりして難しい状況も一因して止めました。このピアノ演奏も作曲科というのはピアノ科に次いで難しい事を要求されます。ダメ元で受験しましたがなんと不安材料を吹き飛ばして音大に合格してしまいました。★☆ ★☆当時の音大ではジャズ科というのはなくジャズバンドがありました。ロックバンドでアドリブには親しんでいたので出来るだろうと安易に考えていたのですが、ジャズの自由な枠は他のジャンルの音楽より大きくてバランスを取るのが難しく、当然の事ながら出来なかった。本当はいけないのですがベース科の部屋に勝手に入りベースの勉強をしていました。★☆ ★☆作曲科では、古典的な作曲家の分析をしたり、昔のスタイルで曲を書いたりと言う事を学びました。作曲の勉強は役立つと思い一生懸命しましたが、一般教養は真面目にしていません。ここだけの話卒業が危ぶまれたのですがなんとか無事卒業しました。★☆ ★☆今日もティム・アマコストたちとライヴ演奏をすることになっている大阪の老舗Jazz Clubロイヤル・ホースで、大学3年生の頃に演奏をしていました。4年生の頃にはハウス・ベーシストとして活動。この頃は音楽的に達成できていなくても学生だしアマチュアとして活動していたのですべてが新鮮で夢もあり希望に燃えていた楽しい時期でもあった。現在はプロミュージシャンの責務もあり、欠けていることがあるとこれではいけないと思う。精神面では大変です。★☆ |
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2) ベースはリズム・セクションの中でも重要な役割をもちますが、縁の下の力持ち・内助の功という印象を受ける楽器ですよね。(失礼)ジャズ初心者にも判りやすい聴き所/聴き方などを教えてください。 ★☆簡単に説明すると、野球の「キャッチャー」の役割と同じで、地味ですがベース奏者の采配の良し悪しによりその演奏やグループが崩壊する場合もあるぐらい重要な役割を担っている。影が薄いポジションではあるが実は重責。例えばピアノ・トリオの場合、ピアノとドラムを上手く結びつける為の方向付けをする。ピアノ奏者がこう来るようだよとドラム奏者へ音の流れを通じて伝達する役目。サインを出したり、リードしたりソロ・パートも有る。(この「キャッチャー」という解釈が目から鱗が落ちたcappuccino。好みは別として球団ヤクルトのオールマイティー古田選手のようなものなのだろうかと思った次第。)★☆ ★☆練習を積み重ねたものを発揮するだけで精一杯だった頃に比べ、今では演奏中に<こんな事もできますが如何でしょうか>と共演者に伺う余裕が出来てきたし、幅も広がってきた様に思います。接点が合うミュージシャンばかりではないのですが、そこはプロミュージシャンですのでしっかりお仕事に勤めます。★☆ ★☆音楽に対して魅惑される時期があり、好きで一生懸命聴いていると徐々に霧が晴れて理解できてくる。「楽しんでもらう」ということが大切であり、その人それぞれの受け取り方が違っていても良いと思う。専門的な評論家の批評の中でも、僕たち発信者の意図とは違う受け取り方をされる場合もある。しかし、発信する側と受け取る側の差が生じる事は仕方がないと思います。又ミュージシャンが受け手に自分が信じる音楽を強く伝えたいと願う余り、同じ感性を求める方もおられるが、ジャズは様々な作用により変化する音楽なのでそれは無理が生じるのではないかと思います。★☆ ★☆映画とジャズ・ライヴを比較すると理解し易い。鑑賞する側は役者の役作りやスタッフが様々な技術を駆使したことなどを考えませんよね。例えば2時間の作品を見終えた後、色んなシーンの中の旨味、エッセンスがトータル的な感想として「ああ、愉しかった。良かった」というのが残れば十分。基本的にはジャズは「楽しんで」頂きたい。難しく考えてしんどい思いをするぐらいならば考えない方がいいと思います。人間のやり取りを行っていると思う方が理解し易いのでは。★☆ 3) NYでもご活動時期がありましたが、面白いエピソードやこれからミュージシャン活動をするために行こうと思っている人へのアドバイスをお話しください。 ★☆僕はニューヨークへ行くまでは話をするのが苦手でしたが、NYへ渡りそれでは話にならないという状況に置かれた。例えば、ミュージシャンが集まりリハーサル前の1時間ぐらいは談話。コミュニケーションでいかに自分の個性を表現できるかが大切。それによって相手をインスパイアーしてあげる役割などアメリカでは要求される場面が多いと思います。僕ってこういう人間だよというメッセージを発信することは次回声が掛かるかどうかのポイントになる。出来るだけ早い段階からそういう力を培う事は大事だと思います。英会話が流暢でなくても一生懸命伝えようという姿勢があれば相手にも伝わるし、周りにも何とかしてあげようという人が現れる。★☆ ★☆僕の場合、帰国後も通訳や世話役として英会話を使う環境に置かれているので、英会話を忘れずにいますが使わないと忘れちゃうでしょうね。★☆ |
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4) NY/WTCテロ事件の時はNYで生活をされていたようですが、以降ご自身に変化がありましたか。“Peace”というアルバムをリリースされましたが、どのような思いが籠められているのでしょうか。 ★☆WTCテロ事件というのは僕の音楽人生の中で一大転機だった。WTCテロ事件以来、明日の事や生きる事を自分自身に問いかけるようになったし、すぐ次の瞬間を考えるようになった。帰国する事より何をすべきかを考えた。当時はNYスタイルジャズに縛られていたが、明日にでも自分が表現したい事を実現したいと思うようになった。アルバム制作の予定はあったが、内容は当初構成していたものとは大幅に変更。何かに打ち込める愉しみ、自分の血や肉と成ったものを表現した。「Peace」というのは「平和」ですが、ジャズ・ミュージシャンの間では挨拶代わりに使用します。別れ際バイバイと同様に「peace」と言う。挨拶というものは皆さんと仲良くしましょうね。というメッセージも籠められている大切な言葉なのでタイトルにした。NYには色んな人種が集まっている。しかし、市民レベルは皆平和に仲良く暮らす事を希望している普通の人たちばかり。★☆ |
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♪プロフィール♪ Yosuke Inoue/Jazz Basist:Composer 1964年7月16日、大阪生まれ。大阪音楽大学作曲科卒。在学中よりプロとして活動を開始。上京後、日野元彦、佐藤允彦らのグループを経て91年よりニューヨークを拠点に活動。日野皓正、ハンクジョーンズ、穐好敏子等と共演する。92年にニューヨーク在住の若手ミュージシャン奥平真吾、池田篤、井上智、大野智子らと共に「インサイド・アウト」を結成。CD「ビーフリーアンドストロング」発表と同時にNYのブルーノート、スイートベイジルなどに出演する。95年には椎名豊、ロイ・ハーグローブと共に「ジャズ・ネットワークス」のレコーディングに参加。97年には自身のリーダーアルバム「スピークアップ」を発表。日本全国をツアーしたほかNYのカーネギーホールでも演奏する。98年にはハンク・ジョーンズ、ベン・ライリーとともにグレートジャズトリオのCD「What’s New」のレコーディングに参加。エイブラハム・バートン、マット・ウィルソン、ドンフリードマンなどのグループでNYの「スイートベイジル」などの各ライブハウスでの演奏やヨーロッパツアーなど国際的に活動。ほかに共演したミュージシャンはデューイ・レッドマン、リー・コニッツ、デイブ・リーブマン、ジャック・ウィルキンス、サイラス・チェスナット、エディ・ダニエルズなど多数。2002年2月には自身3枚目のアルバム「Peace」(M&I)を発表。朝日新聞の「今月の10枚」に選定されるなど高い評価を得ている。2004年には活動の拠点を日本に移し、2005年9月には自身4枚目のリーダー作となる「Back To The Groove」(M&I)を発表。現在、自己のトリオの他、辛島文雄トリオの一員として日本のみならず海外でも精力的に活動。塩谷哲、渡辺香津美などとのセッションにも参加する他、マット・ウイルソングループの一員でアメリカやヨーロッパでも活動を続ける。なおウェッブサイトJazzPageの人気投票ではベース部門で99年度、2005年度、1位。 |
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5)現在は帰国されて、ご自身のユニットがお気に入りのようですが、セッションでお気に入りのジャズ・ミュージシャンを教えて下さい。(沢山おられるようなので2人挙げて頂いた) ★☆帰国後、初めてジャズギタリストの渡辺香津美氏と共演した経験がありますが、ギターを通じて自分の魅力を発散でき、人を惹き付ける力があるので興味深く毎回楽しいです。舞台を離れて会話している時は普通の人なのですが、いざ演奏が始まるとすごくオーラを出して変貌される。同じようにもう一人はポップス系のジャズピアニストの塩谷哲氏です。★☆ 6)その場とそこにいる人たちのバイブレーションと演奏者の間に生じるエネルギーの揺らぎ、みたいなものを感じ取ってその中で音を紡ぎだしていくほうのタイプだと思いました。とご自身のHPで書かれていましたがご解説ください。 ★☆簡単に言うと「ノリ」です。例えば観客がまだ温まっていないのに、演奏がドーンと前に出ると観客は引くと思います。ライヴの過程で楽しんでいるな、退屈しているな、理解できていないな等、個々ではなく会場の演奏者と観客との交流を察知。漠然とですが場の空気を感じ取る事ができる様になりました。練習で築き上げた事を演奏するだけで精一杯の頃はそれを感じる余裕は無かったですが4〜5年前ぐらいから判ってきました。理解できていないと察知してもそれは悪いことではないです。しばらく様子を見る駆け引き等も愉しめる様にもなった。★☆ 7)ベース奏者はリズムをキープするというよりも、他の演奏者がやり易いリズムを与えてあげると考える方が良い作用があると書かれていました。例えをご説明ください。 ★☆これはミュージシャンの立場から書いたものです。リズムはずーっとキープしていますがメトロノームのような速度だけでなく、その場に合った感じのリズムの形がありますのでハードにドライヴするリズムやゆったりしたリズム等を使い分けることが出来る。優れたミュージシャンならば相互作用を上手く操ることが出来る。(ベースさんて偉いんだなぁと思った次第)★☆ 8)以前、バイオリニストの葉加瀬太郎氏が「4弦のうち2弦は女性で、あとの2弦は男性。どのように表現するかが愉しい。」とお話されていました。井上陽介さんの場合は、どの様な思考をお持ちで演奏されているのでしょうか。 ★☆葉加瀬氏がどのような意図でおっしゃったのかは推測できませんが。ベースというのは性別を超越して楽器自体が持つ色気と表現する或いは楽器自体が持つ豊かさを表現するならばすごく色気がある楽器だと思います。よく形が女性だと言われますが、そうだとするともっと優しくしてあげなくてはいけませんね。でもあんな低い声の女性はいないでしょう。★☆ ★☆日々の小さな喜びなどが演奏時の音色に変化を出していると思いますが共感を呼ぶかどうかは分かりません。メンバー皆がうきうきして演奏したから良い結果がでるとは限らず浮き足立ってしまう場合もあります。逆にダメだろうと思っていたら観客と一体になる良い結果を生む場合もあります。★☆ 9)今までは敷居の高いジャズと思われていましたが、最近はジャズを流してるCMやお店が増えましたね。このような傾向をどう思われますか。 ★☆すごく沢山流されていますね。ジャズを耳なじみする機会を与えるという意味では良いでしょう。でもただのBGMだけで終わらないで後押しされて興味を持つと良いと思う。気に入った楽曲があればCDを求めるなどの行動に繋がれば尚一層良いと思います。★☆ 10)ジャズ理論を理解していないジャズ・ファンに対してどのように思われますか。 ★☆演奏するならばまだしも、理論は理解しなくていいでしょう。初めは「音」があったもので上手くいくように頭で考えたものが理論であって、皆さんはその上手くいったものを受け取って頂ければいいのです。クラッシックでも見た目の綺麗な楽譜は聞き手には無意味なのと同じレベルの事だと思います。★☆ |
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11)移動をする時、ウッド・ベースはとても嵩高い楽器ですが電車や飛行機の場合はどのように運ぶ或いは手続きが必要なのでしょうか。 ★☆ウッド・ベースの運搬は闘いです。本当にエピソードが沢山あります。今日は東京から移動しました。新幹線(のぞみタイプ)や特急系を利用します。新幹線の場合は、予約時に一番後部座席を予約し、席と仕切りの隙間にベースを置く。ところが、乳母車を置きたい乗客との争奪戦が繰り広げられます。そこが取れない場合は、乳児の授乳時や体調不良になった乗客用に設置された「多目的室」をお借りする場合もあります。無料。飛行機の場合は、国内線は3人以上のグループ予約すると無料でハード・ケースがレンタルできます。タクシーの場合は前の席を倒して入れます。横が見づらく敬遠される運転手さんもおられます。一度、ドンと突っ込んだ事もあります。雨降りは、大変。撥水するソフト・ケースですが限界があります。部屋に到着するとエアコンを除湿にしてケースや楽器の湿気を取ります。色んな技を駆使して運搬します。これが本当に重労働です。★☆ 12)趣味は読書。コーヒーも大好きだそうですが、オフの日の過ごし方を教えてください。 ★☆古典の名作からSFまでなんでもござれ。大のコーヒー党。最近のオフ日は、吉祥寺の「マッサージ屋」へ出向きます。ベーシストの職業病というのか、「肩・腕・腰・足」が疲労。僕の職業を理解してくれて心地よくさせてくれる僕専属のマッサージ師さんを指名させてもらってます。年々、疲労回復に時間がかかる様になりました。以前は映画鑑賞や練習などにも時間を費やしましたが、最近ではオフ日は完全に「オフ」にするように努めます。★☆ |
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13)これからの井上陽介さんの夢をお話ください。 ★☆個人的レベルでは自分のバンドで出来るだけ多くの作品を制作したいです。近い将来は、今の石井彰氏、小山太郎氏とのトリオ作品。遠い将来はこんな音楽をやりたいという構想があるので、是非実現したいです。ジャズは素晴らしい音楽だと思います。自分のジャズをそのまま多くの人に受け取り易く、又、聴いて楽しんで頂いきたいと思います。ジャズ上級者もうなるようなもので尚且つ初心者にも楽しんで頂けるようなアルバムを制作したい。★☆ ★☆昔よく聴いたジャズの名盤、トラディショナルの粋なやり方、名人芸などを改めて判るようになりうなる事があります。継承された人の演奏を聴くのもいいし、変遷した様を楽しむのも良い事ですが元祖の名演奏を聴くに越した事はない。又、新しい時代の音楽傾向もリサーチする事も大切だと思いますので沢山の音楽を聴きます。★☆ |
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14)ジャズ・ベーシストを目指している人へのアドバイスを教えてください。 ★☆体力が不可欠。我慢強さ、精神的な余裕、なんと言っても「キャッチャー」です。采配如何によってはバンド演奏が崩壊する場合もあるので心してください。今のプロミュージシャンが求めてるいる現状は、演奏だけではなく、「視野が広くて深い」人間を求められているのではないかと思う。音楽だけではなくて、あらゆる分野において「貪欲」なまでの探究心が必須。引き出しを沢山持つという事はその人自身や演奏活動にも膨らみをもたらせる重要な役割を持つのではないかと思います。★☆ 15)最後に手が小さいと書かれていますが見せて頂けますか。 ★☆演奏している時は手が大きく見えるようですが、そうではなくて手が小さい分、指を思いっきり広げて演奏するので手が大きいと錯覚するのでしょう。指が長く見えますが手のひらが小さいのです。手が大きいと思われて損をした事はないです。 (MDケースと比較してみました。)★☆ |
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以前、辛島トリオのライヴを鑑賞して以来、井上氏に初めてお話をお伺いした。とても静かで相手を気遣いながら言葉を選んで優しくお話してくれる謙虚な井上氏に感謝。 ご自分の意見をしっかりとお持ちなのですが、相手に強要せず自然体。楽器を持っていないと普通の人ですが、楽器を持つと魅力を十分発揮されるところはやはり只者ではないオーラーを感じる。キャリアを重ねると共に演奏技術だけでなく人間的にも大きな器を備わった方だと思いました。ご自身のHPを拝見すると「お茶目」な部分も持ち合わせる。静と動、陽と陰を併せ持ち、理知的だが時にハチャメチャでピュアーな人間味に魅了。 Jazz ビギナーの私にもなんとか理解させてあげようと噛み砕いた説明を心がけて解説して頂き感謝です。さすが「キャッチャー」辛抱強い。優しく温かなお人柄の井上氏に好感度更にアップ!これからのご活躍に期待します。健康に留意してこれからも頑張ってください。 井上陽介氏HPhttp://www.geocities.co.jp/MusicHall/3814/ (掲載した写真はHPから引用分含む) |
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♪〜☆cappuccinoのおまけ♪〜☆ Yosuke Inoue / Back To The Groove 井上陽介(b)、石井彰(p)、小山太郎(ds) 2005.3.8,9 東京 ニューヨークでもご活躍された井上氏。現在ひっぱりだこのジャズ・ベーシスト。ご自身のユニットで13年ぶりの帰国後初、日本録音リーダー・アルバム第1作目。 ♪ウッド部分を打ちながらの重厚なベースソロで始まる井上氏作“Havana Dreams”軽快で乾いた小山氏のドラムス、しなやかな石井氏のピアノ、いかにもキューバン・サウンドらしく楽しい。 ♪“Interplay”幾何学模様を想像させる不思議さと渋さを併せ持つサウンドで実に格好良い。三者のインタープレーを堪能。 ♪細やかな情愛に富む “My Foolish Heart”とても切ない音色を奏でる井上氏。石井氏の抱擁力ある優美なピアノタッチ。静かに流れる音の空間。トゥー・シューズを履いた華麗なバレリーナが演舞している様子を醸し出す。 ♪ウェザー・リポートの“Birdland”をベースだけで演り遂げます。拍手喝采。ブラボー! ♪私が好きな“Milestones”ハイ・テンポのリズムをキープしながらも卓越した三位一体のパフォーマンスがGreat。 ♪“Waltz For Debby”澄んだピアノ、華麗に舞うベース、軽快なブラッシュ・ワークが会話しながら音の広がりを聴き手に与え愉しませる。 ♪これも井上氏作“Returnes”流麗でノスタルジックな楽曲。さすが作曲科出身美しい旋律 ♪“Sweet & Lovely”パーカッシブなドラムスが面白い。 ♪“Back To The Groove”遊び心があり、愉しい井上氏の作品。ベースソロも堪能してください。 ♪“When Lights Are Low”歌心あるピアノ。スパイスを利かせたドラムス。スインギーなサウンドで寛いでください。 先日のインタビュー時に今後「上級者もうならせる事ができ、尚且つ初心者にも楽しんで頂ける作品」を制作したいとおっしゃっていた井上氏。相当するのではと思う。ビギナーのcappuccinoも十分愉しめるアルバムでした。井上氏のサイン入りCDプレゼントにご応募お待ちしております。(^^) http://www.hifido.co.jp/merumaga/koncappu/060526/index.html |