cappuccinoのちょっとおすすめ第16弾 Kiyoshi Kitagawa Bass Trio at 通天閣 2007.6.11(月) 大阪は新世界で生まれ育った澤野工房の澤野由明社長の秘めた思いとは、新世界を拠点として低迷ぎみのジャズ界にそよ風を吹き込み復活に貢献出来ればということだそうです。今夜開催される通天閣3階イベントホールでのコンサートが起爆剤となることを願っています。 通天閣50周年記念行事も開催され、お色直しもされました。大阪のシンボル通天閣は地域住民の生活に密着しています。時報を知らせるチャイムは楽しい時、悲しい時、苦しい時、変らず街に響き渡る。遠くからでも見えるネオンの色は明日の天気を知らせてくれるのですよ。懐かしい新世界通りを歩いていると随分様変わりしたように思います。しかし、幼少期当時のままのお店や同級生が経営するお店も健在で嬉しい限り。澤野社長をはじめ新世界を支えている人たちの活躍ぶりが窺えます。 ☆写真は夜の通天閣 |
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私がある方と待ち合わせた場所は通天閣前でした。すでに長蛇の列。入手していたチケットを引換券と交換すると84番・85番でした。今夜のコンサートは最初50名ほどしか観客が集まらないと思っていたそうですが遥かに上回る人気。200名程のチケットが完売したそうです。出演される北川 潔(b)、江藤良人(ds)、三木俊彦(as)の演奏を楽しみに集まったのは言うまでもないですが、通天閣の空間でジャズ・ライヴを聴くことに興味を抱いたのは私だけではないでしょう。お伽噺で終わらせないのが澤野社長。本当に優しい表情をされていますがとんでもない事をやり遂げる。どうやら社長の構想が命中したようですね。さぁ、餃子の王将の店を横目にエレベーターで3階イベントホールヘ向います。 ☆写真はエレベーター待ちの長蛇。 |
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パイプ椅子がステージを囲むように配置されています。すでに良い席は埋まっていましたので、とりあえず座席を確保して一息。3階イベントホールから望む街並みが新鮮に感じます。会場内には数台のカメラが配備され、新聞社や腕章をつけた数名のテレビ局の人たちが取材準備。メディアの関心度を伺い知ることができます。開演時間になり澤野社長のご挨拶が始まりました。 ☆写真はテレ気味にボソボソとご挨拶をされる澤野社長。 |
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不意打ちのようにアップテンポの北川氏の存在感あるべースでスタート。澤野工房制作の北川氏のCDやDVDでは拝聴していますが、生で聴くのは初めて。というよりメンバー全員のLiveは初めてなので楽しみにしていました。特に期待を寄せていた江藤氏のドラムスは迫力がありました。激しさとテクニックを併せ持つロング・ソロ。続いて目を閉じ聴き入っていた北川氏の気迫に満ちたベースのロング・ソロ。タイミング悪くパトカーのサイレンが入ってきたのですがまるでニューヨークでLiveを聴いているかのような錯覚を覚え、功を奏しました。クールな印象のサックス奏者三木氏はかなり緊張されているご様子。入るタイミングを窺いながらコルトレーン独特のウエーブの長いフレーズを奏でます。私には難解なジャズですが3人の名手はそんな私をもTRIOの世界に巻き込みます。北川氏作"Innocent mistake"を終える頃には外は薄暗くなっていました。続くはスロー・テンポでウエイン・ショーターの"Deluge"。ベース・ソロで"Tell me why"。1部最後を飾るのはお馴染みコルトレーンの"Giant steps"。北川 潔氏のオリジナルを含め、何ジャズと表現すればいいのか判りませんが新旧を織り成すジャズ。ソウルフルな北川氏のベースに魅了され、兎に角高度なジャズに圧倒されました。 休憩時間に澤野社長が「難しかったですか」と尋ねられたので、正直に「はい」と返事をすると、「2部ではよく聴くとどこかで聞いた事ある楽曲があるから1部よりは優しいと思うよ」とおっしゃったので少し安堵。 |
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ハンドメイド・ジャズの澤野工房のスタッフは澤野社長をはじめ、ヨーロッパ在住の弟さん、彼は優秀なジャズミュージシャンや音源の発掘を手がけておられるようです。そして新世界在住のご家族とスタッフさんたち。家内操業なので、社長であろうと何でもやります。客席用のパイプ椅子も運んだそうです。これまで紆余曲折あり苦労を積み重ねて今日の成果があるのですが、澤野氏のお人柄なのかいつまでたっても腰が低く庶民的。本当に頭が下がります。 ☆写真は日暮れ時になりキャンドルに火を灯してまわる社長。 |
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2部のスターティングはラテン・サウンド。ジャングル・サウンドというかドラム好きの私は江藤氏の鮮やかなスティック捌きに圧巻。以前、大阪昌彦氏から彼のドラムは良いよとお聞きしていた通りで目が離せませんでした。北川氏と江藤氏のお二人はスキンヘッドで強面ですが、三木氏はとても清潔感に溢れています。ビジュアル的には何か異質な印象を受けましたが演奏は十二分に堪能しました。セカンド・セットも素晴らしくあっと言う間の2時間でした。ジョン・コルトレーの"Equinox"、ルイズ ボンファの"Manha de carnaval-Black orpheus-、セロニアス・モンクの"Evidence"、ドン・レイの"You don't know what love is"、最後を飾るのは北川氏作"Guess what。ご満悦の観客による割れんばかりの拍手。アンコール曲を終えた頃には夜の10時前。お疲れ様でした。澤野社長の締めのご挨拶では、12月7日(金)、なんばHatchにて北川 潔氏の日本LIVEを予定しているとのことです。是非、足を運んでくださいね。 |
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CD購入者にはサインをしてくださるというので1番乗りで待機。お目当ての江藤氏にサインをして頂き、快くツーショットの写真撮影もして頂きました。外見の印象とは違い、さっぱりしていて温かでキュートなお人柄でした。眼光鋭いのが印象的。用件以外にお話することなくお別れしたのが心残りです。私が手にしているCDは江藤氏が敬愛する故エルヴィン・レイ・ジョーンズに捧げたリーダー・アルバム”レイ”です。コンガを取り入れたアフロテイストだけどホーンやベースが重厚なサウンドを醸しだすなかなか良いアルバムですよ。 ☆写真はドラマーの江藤良人氏 |
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☆〜「なにわの日」制定記念として2007.7.28(土)に通天閣Jazz Liveも決定され、越智順子さん(vo)、セルジュ・デラート(p)・Trioが出演されるようです。詳細は澤野工房まで☆〜 http://www.jazz-sawano.com/ 浪速で生まれ育ったcappuccinoにとっても興味津津。成功を願うばかりです。 さて、「ライヴ・レポート」や「ちょっとおすすめレポート」は個人の都合により今回をもちましてお休みさせて頂きます。メルマガ会員の皆様、ご愛読有難うございました。快く取材に応じて頂いた皆様のご協力にも感謝申し上げます。沢山の出会いは私の宝物。尚、「コン&カプのおすすめCD」は引き続き掲載させて頂きますのでどうぞご贔屓に(^^)/~ ☆写真は将棋棋士、坂田三吉の王将碑。坂田氏の生涯は「王将」の映画や劇となった。幼少期に伯父に歌わされた村田英雄の「王将」。因みに碑の下書きは伯父が書きました。 |