ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 大丸東京店の北村です。 関東は今週に入り少しずつ梅雨の気配を感じるような気候になってきました。気温が不安定で、外出時は半袖にするかそれとも長袖かちょっと悩みます。肌寒いかと思い長袖に決めても、湿気のせいでジメジメしており、ちょっと動いただけで汗がでてきました。 しばらく過ごしづらい日々が続きますが、体調を崩さないように気をつけないといけませんね。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 |
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ちょっと気が早いですが、梅雨が去れば夏。夕立など夏らしい気候に注意が必要な時期がやってきます。近年では「ゲリラ豪雨」と呼ばれるような非常に激しい荒れ模様になる事が多く、油断できません。 自身と家族の安全を確保した次に気になるのは、オーディオの存在。雷の多い夏場は落雷による停電が心配です。電気が落ちるくらいならまだいいですが、落雷により大電圧・大電流が屋内配線に侵入してくる可能性があります。これを通称「雷サージ」と呼ぶそうです。 この雷サージがオーディオの電源ラインに流れ、大切な機器が破壊されでもしたら大変です。最悪の場合発火・火災につながるケースもあります。 ハイレゾ音源を楽しまれている方は、オーディオシステムにパソコンを接続しているかもしれません。このパソコンも危険にさらされているようで、落雷の影響でパソコンのデータが消し飛んだなんていう事例もあるとか。 電子部品に過剰な電気が流れておかしくなるらしい…。私も子供の頃、雷のせいでTVゲームのセーブデータが消えて大泣きした経験がありますよ。 雷による家電製品への被害は日本だけでも年間数万件もあるそうで、これだけの件数発生しているとなると無視する事はできないですね。 誘導電流やら電位やら難しい原理を理解するのは難儀ですが、オーディオを守るための対策だけはしっかりしておきたいところ。 今回のメルマガでは、誰でも簡単にできる雷対策をご紹介しようと思います。 |
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無対策コンセントは危険にさらされている… |
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まずご紹介するのは雷サージ対応の電源タップを使う方法。 電源タップの中には、雷サージに対応した製品があります。瞬間的な大電流に対しての保護回路を搭載しており、10000A程度の電圧に耐えられるそうです。 さすがに雷直撃クラスの大電流に対しての防御は期待できませんが、保険として使用するには十分な機能を備えているかと思います。 |
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隣の写真は雷サージ対応の電源タップ。 このボディの中にサージアブソーバーという保護回路が入っています。 |
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こういった保護回路には寿命があり、実際に大電流によるプロテクトが働いた場合、実働数回で効果が切れる事もあるようなので注意が必要です。 落雷による破損が無ければ、保護回路の寿命が来ても通常の電源タップとしては使用できます。効果が切れたのかどうか不安になりますが、中には寿命が分かるようにサインが出るモデルもあるので、製品選びの時に見ておくと安心です。 雷サージ対応電源タップはホームセンター等でも売っているので、一般的に使われているタップの中にもこのような機能が付いているモデルがあります。お家の電源タップを確認してください。もしかしたら、知らずに雷サージ対応モデルを使っているかもしれませんよ。 |
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写真はYazawa 雷バスター60000Vタイプ「STB60WH」 電源タップの空きコンセントに挿すだけという手軽さと、最大サージ電圧60000Vの高性能が人気のモデル。 手持ちのタップが使用できるというのが良いですね。 |
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次にご紹介するのはブレーカーを落とす方法。 ブレーカーを落とす事により、家電製品に電気が流れるのを遮断します。ブレーカーの内部にあるスイッチが離れるので、電気が通らなくなるという理屈ですね。 しかしこのブレーカースイッチの接点程度では雷の大電流を遮断する事は出来ません。特に至近距離の落雷ではブレーカーを落としていても効果が無いですが、落としている、落としていないではやはり落としていた方が安全でしょう。これにより守られる家電製品があるかもしれないですからね。 とは言っても、ブレーカーを落としてしまうと冷蔵庫や照明等もOFFになってしまうので、あまり現実的な対処方法ではないと言えます。 |
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雷怖いと云っても、そう簡単に遮断する訳には行きません。 |
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子供の頃は雷が来るとよく停電した記憶がありますが、停電になる前にあらかじめブレーカーを落としていた時もあったのを覚えています。 その頃に比べると、最近は落雷による停電に遭遇した記憶が無いですね。電力会社設備の方でも昔と違って何かパワーアップされているのかもしれません。 |
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最後に雷対策として最強の方法をご紹介します。 たとえ近所に雷が落ちてもこれなら心配無用。 その方法とは・・・ |
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答えは「コンセントを抜く」 |
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シンプル・イズ・ベスト。 単純ですが、これに勝る対策は無いです。 雷の影響は電線からコンセントを通じて流れてくる。それならば、コンセントを抜いて物理的に接点を断ってしまえば良いだけの事。 手間はかかりますが確実に機器を守りたいならやるべきです。テレビを例に取ると、コンセントと共にアンテナ線も抜くとより確実です。他では電話線も同様。 しかし、さすがに雷が来る度に家中のコンセントを抜いてまわる訳にもいかないですし、差し当たっては「命の次に大事な機器」だけでも実践してみてはいかがでしょうか。 |
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因みに私の雷対策はと言いますと…、夏場の外出時、我がシステムではひとつを残してオーディオ・ビジュアル機器全てのコンセントを外して出かけます。 全ての機器となると面倒くさそうに聞こえるかもしれませんが、電源タップを複数使用しているので、実際のところタップへの給電に使っている5本のコンセントを抜けば完了。壁コンセントの周りはいつもすぐ手が届く様にしてあるし、そんなに大変でも無いのです。 出かける前にパパっと抜いちゃいます。なんたってこれが一番安全。稲妻直撃で家が吹っ飛ばされでもしない限り、外出中でも安心できます。 |
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待機電力が無くなるので省エネにもなり一石二鳥!? |
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余談になりますが、電源を通し続けているひとつの機器とはハードディスクレコーダーです。 一期一会の貴重な放送を録画し続け、ほぼ一日中稼働している我がAVシステムいちばんの働き者。雨が降ろうが槍が降ろうが、雷の日だって放送は待ってくれません。雷注意報が出たからといって、未ソフト化の貴重な映画の放送録画予約を消せるだろうか…? 否。コンテンツを命とする私としては、どんな時でもエアチェックは怠れません。もちろん雷対策のとられた電源タップから給電。 しかしハードディスクという物は相当にデリケートなので、ちょっとした電気ショックで再起不能に陥る可能性が大。雷の中稼働させるのは自己責任である事をお断りしておきます。これに関してはUPS(無停電電源装置)を導入するのがベストかもしれません。 |
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敵視ばかりしていると雷が不憫なのでフォローすると、個人的にはピカピカ光る雷を眺めるのは結構好きです。鳴り響く轟音はもっと好き。 大地を揺るがす凄まじい音圧、オーディオでは到底再現出来ないあの鋭い立ち上がりの超低音ときたら…、爆音が大好物の私としてはご馳走ですね。雷鳴の爆音はスピーカーのそれとは違い風情があって良い。電源を抜かれたオーディオ達がお休みしている間の、数少ない楽しみのひとつです。 雷を電力として利用するのは技術的に難しく実現に至っていないそうですが、あのパワーを使ってオーディオを鳴らしたら凄いだろうなぁ、なんて妄想をしながら雷が通り過ぎるのをのんびり待っています。 |
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引っこ抜かれたプラグはどこか寂しげに見える… |
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以上、簡単にですが落雷への対策をご紹介しました。いかがでしたでしょうか。 雷直撃となると、どんな対策でも完璧な防御は無理ですが、そんな被害を被る確率はかなり低いでしょうし、現実的な話こういった身近な規模での対策で十分かと思います。 オーディオに限らず、家電製品は等しく危険にさらされています。雷サージ対応製品は1,000円〜5,000円程度と、オーディオ用品に比べればそんなに高価なものでもないので、保険だと思って早いうちに用意しておくのが良策ですよ。 何はともあれ、今のうちから早めに対策をとって安全に夏を乗り切りましょう! ※重要※ 既に雷が確認出来るような状況では、絶対にコンセントやアンテナ線、ブレーカー等には触れないで下さい。感電の恐れがあります。また、家電機器の操作による感電や、ヒューズが弾け飛ぶ等の危険もありますので、機器から距離をとって下さい。上記の対策は、必ず雷が来る前に行って下さい。 それでは、今回はこの辺で失礼致します。みなさまのご来店を心よりお待ちしております。 ハイファイ堂大丸東京店 北村 ハイファイ堂大丸東京店 〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階 TEL 03-6256-0516(直通) 03-3212-8011(代表) |