レコマ君のジャズレコード独り言 第31回目「プレステイッジレーベルのこと 9回目」 2006年9月8日 レコマ君 レコマ君へのお問い合わせはこちらから http://recoma.hp.infoseek.co.jp/ |
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今回は「PRESTIGE」の再発盤に関して。 国内盤については次回以降に述べますが、「FANTASY」及び同社までの再発盤に関して今回述べます。 |
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1971年に「プレステイッジ」は「ファンタジー」に吸収される。 「ファンタジー」はその後も「ブルーノート」以外の数々のマイナーレーベルを吸収していくのだが、その後の復刻活動は誠に貴重なアルバムを入手することが可能になり、ジャズフアンにとっては嬉しい限りであった。吸収したレーベルは「リバーサイド」、「コンテンポラリー」、「デビュー」等のジャズの名門レーベルから、後発の「ギャラクシー」、「マイルストーン」、「パブロ」、他存在する。 |
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「FANTAGY」のカタログ 週刊誌程度の厚みがある。 |
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「PRESTIGE」に関連した事項としてレーベルの推移を見てみよう。黄色のNYC盤、黄色のNJ盤、ブルーラベル、マルロゴのブルーラベル、草色ラベル、と推移し、草色ラベルから「ファンタジー」がディストリビュートすることになる。したがって、草色ラベルも2種類あることになる。同ラベルでも「VANGERDER」の刻印入りのものがある。これは「PRESTIGE」時代のプレスのものと考えられる。 |
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「フアンタジー」の再発で最も知られているものが「OJC」シリーズである。「OJC」とは「オリジナル・ジャズ・クラシック」のを略したもの。ジャケットの写真入りカタログは週刊誌一冊程度の厚みになっている。 定番ものが一通りリリースされると、新シリーズも色々でてくることになる。限定品として「リミテッド・エデイション」の金色ステッカーのシリーズがでる。また、「OJC」の表示が無い「カスタムシリーズ」も発売されることになる。「カスタムシリーズ」の中に重量盤でリリースされるものもある。 |
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同じ「草色ラベル」でも上記のようにPRESTEGE時代に発売されたものは結構ある。通常はSTEREO盤だが、プロモ用と思われるMONO盤もあり、VANGERDERの刻印入りもある。 |
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FANTASYのOJC(オリジナル・ジャズ ・クラシック)最初期の帯び付き仕様ジャケット。最初期はジャケットの紙質も厚手のもの。音質的にも重みを感じる。 |
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OJC の帯がシールに変わっていく。 |
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FANTASY のOJCの「リミテッドエデイション」のシリーズ。 |
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カスタムシリーズがリリースされ、OJCの表記がなくなり、ジャケット、ラベルともオリジナルNO.で表記される。 |
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上左が、レギュラーのOJCのラベル。 上右が、リミテッドエデイションのもの。 NO.が4桁になっている。 右が、カスタムシリーズのラベル。 再発の番号がない。 |
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1988年頃、西武系の「WAVE」がファンタジーと提携し発売するのが「ウエイブ・ジャズ・クラシック」と名付けたシリーズ。プレスはファンタジーで、ライナーとジャケットは国内仕様である。同シリーズの初期はジャケットも厚紙のものであったが、後期になるとファンタジー仕様品にライナーだけを添付したものになっていく。多分採算面からのスペックダウンだったと考えられる。 しかし、「WAVE」が遺してくれた「もの」は大変貴重で意義深いプロデュースであったと評価されてよい。メジャーではリリースされないものが結構あるのだ。同シリーズの貴重な復刻は「今週の推奨盤」で数枚ご紹介します。 |
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WAVEの「ウエイブ・ジャズ・クラシック」シリーズで復刻されたもの。リバーサイドを含め、ピアノトリオものが沢山リイッシュされている。 |
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ファンタジーの一連の復刻活動は「音」的な面でも高い評価を得られるものと考える。発売当時はオリジナルや国内盤に比較して盤も薄くて、視感的な先入観で「音もペラペラ」との判断をしていたが、じっくり聴いてみると、国内盤よりも「抜けのよい」オリジナルに近い音質のものが多い。オーディオファンの方もこの「音の違いと、良さ」を評価される方が多い。 |
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♪今週の推奨盤♪ 今週は「WAVE」がリイシュしたレアアルバムをご紹介します。 特に「PRESTEGE」関連のアルバム。 |
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「CRACKIN' / ROY HAYNES」 NEWJAZZ NJ8286 コレクターの間で隠れ人気盤といわれるアルバム。ブッカー・アービンの参加が素晴らしい。 今回紹介したWAVEの盤は通常のフアンタジーのOJCシリーズ等と比較して少し厚めに出来ている。 |
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「MAKIN' OUT / JOHN WRIGHT」 PRESTIGE 7212 エディー・ウイリアムスの管入りだが、国内盤も出ていないレアアルバム。 これもピアノフアンには嬉しい復刻だった。 |
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「THE LAST AMEN / JOHN WRIGHT」 NJ8322 この再発がでるまで、資料ではジャケットの存在すら知られていなかったアルバム。 当然国内盤はこれまで出ていない。 ジョン・ライトのプレステイッジでのラストアルバム。 ピアノフアンには大変なサプライズだったに違いない。 |
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このようなファンタジーの復刻やWAVEの作業は貴重な業績としてもっと高い評価が与えられてよいものと考える。アナログが少なくなっていく昨今、オリジナル盤の入手は困難である。これらの音源を入手できるのは、誠に有り難いと思う。 メールはこちら。 mailto:mifumi@tb3.so-net.ne.jp レコマ君へのお問い合わせはこちらから http://recoma.hp.infoseek.co.jp/ |