レコマ君のジャズレコード独り言
2011年07月15日 レコマ君 「リクエスト編」-3
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今回は「PRESTIGE」を中心に、再発盤や、「ファンタジー」からのリイッシュ盤、また'70年代の「国内盤」等々に関して述べます。
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前回、「ブルー・ノート」の再発盤 等々について述べましたが、「PRESTIGE=プレスティッジ」も同様にいろいろな歴史を持っている。
「PRESTIGE=プレスティッジ」は1949年に設立された「インディペンデント・レーベル」だが、「ジャズ・レーベル」として最も活躍したのは、矢張り'50年、'60年代で、'70年代にはいろいろなモノが加わった「音楽」に変貌していき、ついに1971年「ファンタジー」に買収されることになる。
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カタログでは「レギュラー・シリーズ」で「12インチ盤」が「7000盤」からスタートをし、1971年のレコーディングが「7854番」でリリースされる。これが最後のものと考えられる。 この後「ファンタジー」からのリリースされたものもあるが、「ファンタジー」が'83年に興した「オリジナル・ジャズ・クラシック=OJC」のレーベルが「ファンタジー」の所有音源を「リイッシュ」していくのだ。
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「OJC」 初期はこのような「帯」の付いたジャケットでリリースされている・
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「ファンタジー」はその間にも、「RIVERSIDE=リバーサイド」、「CONTEMPORARY=コンテンポラリー」、「DEBUT=デビュー」他の版権も取得して、後の「OJC」でリイッシュする。
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「OJC」でリイッシュされた「CONTEMPORARY」のアルバム。
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国内盤の最も多くリリースする時代はこの'70年半ばで、「ビクター」の「SMJ・シリーズ」の1976年前後になる。 先に述べたことから推測すると、「ファンタジー」から版権を取得しているのではと思われる。 ただ国内にやってくる「テープ」は鮮度に欠けたものだったことが考えられる。国内にやって来た「テープ」から、又国内の「マスター・テープ」を起こすのだから、より鮮度に欠けたものになる。したがって、イコライザーの使用でミキシングをしたものが、「レコード」になって出てくる。
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「ビクター」から発売された「SMJ」ナンバーのアルバム。 1976年、1977年に発売されている。
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当時「ジャズ・喫茶」での「低音」の効いたサウンドは、「これがジャズの音」と納得していたものだ。 「店」によって国内盤のまだ出ていないものを、「輸入盤」で流しており、それを参考にレコードを購入する。そんな時代でもあったのだ。
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「BLUE NOTE=ブルー・ノート」をキングが契約して「契約記念シリーズ」を出すのが'80年代で、この頃から国内盤の活動がより活発になっていくのだ。
又、'83、4年頃ごろからオリジナルの輸入量が増え、1988年(昭和63年)の為替が120円代になったころからますます、オリジナルの国内での流通量が増え、「オリジナル」に関する情報も膨大になっていく。 世界中の「オリジナル」が日本に入ってきたのではと思える時代がやって来たのだ。「ジャズ・レコード」の「オリジナル他の情報」が確立されたのもこの時期だ。
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こんな折には、「OJC」は見向きもされないことがあった。すべての「アルバム」が「オリジナル仕様」に忠実に復刻されるようになる。ただ、「音」についてはなかなか難しいものがあり、「装丁」でカバーをするのが「セールス」になった時代だ。 '90年代になってもますます隆盛を誇ることになる。「キング」から版権を得た「EMI」グループ」の「東芝EMI」は「ブルー・ノート」を何回もいろいろなシリーズにして「復刻を行う。 そのすべてが完売する、大セールス時代だった。 「東芝EMI」はその後の「CD」のセールスでも、いろいろな「アイデア」の基に沢山な「シリーズ」でセールスを行う。
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「EMI」系でない「ファンタジー」からも「プレスティッジ」、「リバーサイド」、「コンポラリー」レーベルのものを、「レギュラー・シリーズ」のほかに「リミテッド・エディション・シリーズ」や「カスタム・シリーズ」で1000アイテム近くのものをリイッシュしていく。
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「リミテッド・エディション」の「ゴールドのステンシル」の付いたもの。
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「ビクター」および、同系列のレーベルを含めても、この「ファンタジー」のカタログを網羅しきれないものがあった。 「ビクター系」から「VIJ」シリーズや「VIJJ」のシリーズを発売するが、どうしても「ファンタジー」からのものの「音」を超えられていないものが多いと感じてる。 これは「マスター」の鮮度の違いによることと考える。
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ただ「ファンタジー」からの「OJC」シリーズの「CD」は別で、理由はわからないが、「アナログ」のような「音」は聴けない。
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このように「ファンタジー」からのものは「再発盤」とは言えないと考える。定義的には「復刻盤」の分類と考えるが、2000年代に発売される「輸入盤」、「重量盤」と称される「復刻盤」とは一線を画すモノだ。後者の中には「レプリカ盤」と称されるものや、45回転盤の2枚にして、高音質と称する「企画モノ」などがある。
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この「ファンタジー」からの「OJC」等々は「復刻盤」ながら、音源gは「DNA」の繋がった「再発盤」と評価される。それは近年、「団塊の世代」のリスナーの「耳」が評価して、認識しているようだ。 これは、「オリジナル」やこれらに準ずる「再発盤」を聴く「システム」が大きく関与していると考える。 自論で申し訳ないが、「その時代のものは、その時代のシステムで聴きたい」、がこれらのことを認識させてくれるのでは、と考えている。
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次回は「ファンタジー」が「OJC」盤を発売するまでに、同社が「ディストリビュート」する「草色・ラベル」等ものを紹介します。
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