レコマ君のジャズレコード独り言 2012年03月02日 レコマ君 「BLUE NOTEの後期」(8) レコマ君へのお問い合わせはこちらから mailto:mifumi@tb3.so-net.ne.jp |
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後期「BLUE NOTE」について。(8) 今回は加えて「LIBERTY/UA. INC.」に関して。 |
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表記の通り今回は、「LIBERTY/UA. INC.」についても述べます。 今までにもこの通称「黒/青」(又は、黒・ラベルと称された)ラベル盤に関して述べたことはありますが、もう少し掘り下げて述べます。 人気の面からも、同じ「アルバム」だと「LIBERTY」の「青/白」ラベル」の方が人気も価格も高かったのだが、実際には「LIBERTY/UA. INC.」盤がオリジナルになるものがあると考えられる。 |
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これが「LIBERTY」社が「ディストリビュート」した時の「ラベル」。 通称言われる、「青/白」ラベル。 |
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まず「BLUE NOTE」が「LIBERTY」に1966年買収され、この後「UNITED ARTISTS」に移行する間に「LIBERTY/UA. INC.」が短期間存在したのだ。 これは過渡期になるのではなく、「LIBERTY」レーベルと同時並行的に存立していたものと思われる。 |
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「BST 84300」番代に短期間だが、何枚かが「LIBERTY/UA. INC.」盤で「オリジナル」になると思える。 この見分ける手段に「ジャケット」の裏の「クレジット」に見られる。 「LIBERTY/UA. INC.」盤でオリジナルと思われるのは、「ジャケット」裏のライナーの社名表記のところにある。 |
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これは「BST 84297 SCHIZOPHRENIA / WAYNE SHORTER」で、「BLUE NOTE RECORDS.INC.・ A PRODUCT OF LIBERTY RECORDS NEW YORK.NEW YORK 10019」と、「リバティー」のプロデュースであることが記されている。 |
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これは「BST 84312 CHARISMA / LEE MORGAN」で「LIBERTY」オリジナルのクレジット。 「BLUE NOTE RECORDS. A DIVISION OF LIBERTY RECORDS NEW YORK.NEW YORK 10019」 「リバティー」のディバイスで、ラストの「10019」は いわゆる「郵便番号」が表記されている。 |
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この「BST 84303 GRASS ROOTS / ANDREW HILL」 1968年録音 で、これも「LIBERTY」オリジナルの人気盤で、代表作といえる。 このジャケットの裏のクレジットも「BLUE NOTE RECORDS. A DIVISION OF LIBERTY RECORDS INCORPORATED. N.Y.,N.Y. 10019」となっている。 |
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この付近から「LIBERTY/UA. INC.」盤のオリジナルが出て来る。下記に「LIBERTY/UA. INC.」盤を数枚紹介します。 |
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「LIBERTY/UA. INC.」からりリスされる、「黒/青」ラベル。 「BST 84336 ANOTHER STORY / STANLEY TURRENTINE」 1969年録音 これも、「LIBERTY/UA. INC.」がオリジナルと推測できるが、両方のラベルのものが有るので、UP しています。 |
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「BST 84307 TIME FOR TYNER / MCCOY TYNER」 Bobby Hutcherson (vib -1/4) McCoy Tyner (p) Herbie Lewis (b -1/5) Freddie Waits (d -1/5) 1968 録音 「新主流派」真っ只中の演奏といえるアルバムだが、この時のリリースは、「LIBERTY/UA. INC.」になると考える。 「LIBERTY/UA. INC. LOS ANGELES. CALIFORNIA. 90028.」と「LIBERTY」社と異なるアドレスになっている。一つの「インディペンデント・レーベル」 と考えてよいでしょう。 ジャケット裏のクレジットがこの頃から、上記のようなデザインが増えてくる。 |
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「BST 84311 WHERE IS BROOKLYN? / DON CHERRY」 Don Cherry (cor) Pharoah Sanders (ts, picc) Henry Grimes (b) Ed Blackwell (d) 1966録音 前回紹介できなかった、「ドン・チェリー」の名盤。「フリー・ジャズ」ながら小編成での彼の代表作ともいえる。 「フリー・ジャズ」の中でも常にとりあげられる名演。 このアルバムも「LIBERTY/UA. INC.」がオリジナルと思えるのは、ジャケ裏の「クレジット」。「 |
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「BST 84319 FANCY FREE / DONALD BYRD」 1969年録音 のジャケット裏のアドレスのクレジット。 これも、「LIBERTY/UA. INC.」がオリジナルと思える と、 「BST 84321 THE PRISONER / HERBIE HANCOCK」 1969年の録音 |
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「BST 84342 GREEN Is BEAUTIFUL / GRANT GREEN」 1970年 録音 これらから考えて、'70年の初期まで「LIBERTY/UA」社が存在したものと推察される。 |
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「BST 84345 DEMON's DANCE / JACKIE MCLEAN」 1967年録音 今回のラストは国内盤でも復刻された「デモンズ・ダンス」。 これらのジャケットは、「LIBERTY/UA. INC.」のオリジナルの雰囲気を持ったものだ。 ただこの「アルバム」は内容も素晴らしい。もう一つ、このアルバムに関しての話題に「プロモ」のシールのついたジャケットがよく出て来る。 このことは、「LIBERTY/UA. INC.」が各所に販促用に結構配布したことと考えられる。 したがって、「LIBERTY/UA」の「黒/青」ラベル盤が結構出て来る。 |
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以上のように今まで「LIBERTY/UA. INC.」のオリジナルに関する資料や、情報が少ないので、「青/白」ラベルの「LIBERTY」盤のほうが評価が高いのだが、「コレクター」の間では上記のように、「LIBERTY/UA. INC.」が認知されてきている。 |
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