1月も半ば過ぎになり、寒さが一段と身にしみるようになりました。 毎年、この時期にセンター試験(昔の共通一次試験)がありますが、なぜか必ず寒波に見舞われている気がします。これからの日本を担う若者達に、寒さに負けない強い人間になって欲しいということで、試練を与えているかのようでもあります。 その試練に立ち向かわなかった為か、軟弱な大人になってしまいました。 福岡店の福永 正和です。 さて、前回の私のメルマガ(2016/12/16配信) http://www.hifido.co.jp/merumaga/fukuoka/161216/index.html で、デジタル音源を少し勉強し直した結果、SACDの良さを再発見しました。 その際、ハイレゾ配信に関して一旦諦めたのですが、今回はそこから一念発起して、ハイレゾに再度チャレンジしましたので、その一部を紹介したいと思います。 |
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まず、ハイレゾ音源の入手方法から。 音源は配信元がいくつかあり、その中から自分の好きな音源を検索し、購入、ダウンロードします。 配信元としては、 SONY WALKMAN公式ダウンロードストア”mora" http://mora.jp/index_hires VICTOR STUDIO HD-Music http://hd-music.info/ e-onkyo music http://www.e-onkyo.com/ OTOTOY http://ototoy.jp/ HQM STORE http://www01.hqm-store.com/ このあたりが主な配信元です。 他にも『music.jp』、『オリコン・ミュージック・ストア』などがありますが、私は一番使い勝手の良さそうな『mora』を配信元に選びました。 |
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ハイレゾ配信サイトの選択は、かなり重要です。 サイトによって配信されていたり、されてなかったりする音源は結構多いです。 それぞれ得意な分野があるようで、『mora』『HD-Music』『e-onkyo』あたりはオールマイティですが、『OTOTOY』はインディーズ系・邦楽、『HQM』はジャズ・クラシックが得意なようです。 さらに、多少の知識がなければ配信されている音源が果たして”ハイレゾ”なのかどうかもわかりません。 『mora』などは、ハイレゾだけでなく安価な圧縮音源も配信しています。サイト内での表示をよく見て選択しなければなりません。 間違って購入しても、ダウンロード音源は返品交換はできませんのでご注意下さい....。 |
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ではここで確実にハイレゾファイルを選択する為に、”ハイレゾの定義”なるものを書きます。 JEITA(電子情報技術産業協会)による定義では、CDまたはDAT音源の『サンプリング周波数44.1〜48kHz/量子化ビット数16bit』以上でどちらか一方でもそれを超えている音源のことを言います。 日本オーディオ協会による定義では、『FLAC or WAVファイル 96kHz/24bit以上』の音源を言います。 『FLAC 44.1kHz/24bit』もハイレゾ扱いです(bit数が16bitより多い)。日本オーディオ協会の定義では違いますが、JEITAの定義では合致しますから....。 そして、SACDのDSDもハイレゾの一種(1bitだけど...)なのだろう。 ...わかりにくいです。 前回はここでリタイアしてしまいました。 ただし、ここで再度くじけない為に前述の『mora』内を散策しまくった結果、私なりに理解できました。 とりあえず、『FLAC』『WAV』と表記されているものがハイレゾ、『AAC-LC』と表記されているものがハイレゾでないもの、だろう。 ということであらかた間違ってはいないようです。 |
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いよいよハイレゾ音源の購入、ダウンロードですが、これはネットショッピングなどをされた方にとって難しくはないと思います。 購入ボタンを「ポチッ」と押して、進んでいけばOKです。 アルバム単位で購入するものも、1曲のみで購入できるものもあります。 注意点は、配信サイトによってダウンロードファイルを展開するのに、専用のソフトを先にダウンロードしなければなりません。 これがなければ、ファイルを開けませんので。 そして、ダウンロードが始まりますが、何しろ大容量ファイルです。FLAC 192kHz/24bitの約40分ほどのアルバムで2.5GBくらいあります。 私のアパートのネット環境では、週末の夜だと2時間くらいかかってしまいました....。 そして、保存もPCのHDDではあっという間に容量不足になってしまいそうなので、外付けHDDかNASの導入をお勧めします。 |
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長くなりましたが、ここからやっと音源を聴くことができます。 しかし!音源はPCの中。 自宅のオーディオセットで鳴らすには、うまく繋がなければハイレゾの音の良さは実感できません。 そこで登場するのがDAコンバーター(DAC)です。 最近は、PCのUSB端子から接続して、アナログのRCA端子に出力するDACが数多く販売されています。 ハイファイ堂でも時々販売していますが、まだまだ中古での流通量が少なく、すぐに売れてしまいますので、お探しの方はこまめにチェックされて下さい。 試聴には贅沢にもJBL DD66000を使います。 再生周波数帯域45Hz〜50kHzですので、ハイレゾ対応です!! |
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音源の直接比較は難しいのですが、よく聴くNIRVANAの『NEVERMIND』をCDと私のポータブルプレイヤーで比較試聴。このポータブルプレイヤーはLINE出力が可能なので、アンプのAUX入力に直結します。 全体的な音の太さや奥行き感はハイレゾのほうが幾分勝っている感じです。ただし、ハイレゾ特有の高音域の伸びはそれほど感じられない気がします。 それよりもこのROCK系の音だと、ざらざらした質感が感じられ、生々しさが増す気がします。 CDと直接比較はできませんでしたが、試しにTHE WHOの『LIVE AT LEEDS』のハイレゾ音源を聴いてみましたが、私の記憶の中のCDの音よりも太く臨場感が増しているようです。 「ベースの音が聞こえない」とさんざん文句を言っていた、今は亡きジョン・エントウィッスルもこれなら納得ですかね....。 |
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ハイレゾ音源に関しては、現状まだまだ一般化しているとは言えません。 私的に考えられる課題がいくつかありますので、それを書き連ねてみたいと思います。 まず、今回、ハイレゾ音源を購入するためにいくつか欲しい物を検索してみましたが、まだまだ配信されているものが少ないです。 例えば、ビートルズ、キング・クリムゾン、メタリカ、初期のラッシュ、ピンク・フロイド、ボストンなど、聴いてみたいなと思うものが軒並みありません。邦楽では、中島みゆき、サザンオールスターズ、ユーミンなどもありません(かなり偏っていますがお許し下さい....)。 特にビートルズは、CD、AppleのiTunesが一気に普及した時もその起爆剤となりました。 今後、ハイレゾを一気に進めるならばビートルズの配信がキーになると思います。 |
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次に、販売サイト。 前述しました主な配信サイトは、レコード会社あるいはオーディオメーカー主導です。 現在、CDのネット通販が普及していますが、主な販売元はamazon、楽天市場などのネット通販大手かHMV ONLINE、tower.jpなど、CDショップです。 各レコード会社のサイトでも販売はされていますが、それほど芳しくはないようです。 それは、販売を専門とするネット通販の大手やCDショップのほうが、明らかに商品を探しやすく、見やすく、工夫されているからです。 まずは誰でも簡単にミュージシャン名やタイトルで検索でき、サイト内をウロウロするのを楽しめるようになればと思います。 |
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それから、ハイファイ堂としても一番問題なのが、『ハイレゾ対応』を謳ってないとハイレゾ音源を聴けないと思われていることです。 今回、JBL DD66000だけでなく、試しにLUXMANの真空管アンプとTANNOY ARDEN2でも鳴らしてみました。音源がROCKしかなかったのですが、太く柔らかい音質で、『ハイレゾ対応』を謳う高解像度よりも程よくソフトで聴きやすく感じました。 レコードとはまた少し違った、アナログ的ななめらかさを感じさせる部分もあります。 |
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ちなみに日本オーディオ協会によるハイレゾ対応のアナログ再生機器の定義は、 ・アンプ高域再生性能:40kHz以上が可能であること。 ・スピーカー・ヘッドホン高域再生性能:40kHz以上が可能であること。 と記載されています。 このデータに照らし合わせると、多くのオーディオ機器は合致しません。 しかし、再生は問題なくできますし、カタログデータ上20kHzまでしか再生範囲がなくてもそこでブツ切れになるわけではありません。 ハイレゾ=超高域再生というイメージでとらえるのではなく、実際には通常の再生領域の音が良くなるというのがハイレゾの良さととらえるべきだと思います。 |
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そう考えると、なにも最新のハイレゾ対応機種に買い換えることなく、今お使いのシステムを生かすことも出来ますし、当社で扱うようなヴィンテージ機種でアナログライクな音を楽しむことができます。 ハイレゾ配信は、音楽の楽しみが更に一つプラスされた、と個人的には思います。 ...また帰って音源探しをして、『ポチっ』としてみようかなと思います。 |