1958年、デューク・エリントンはイギリスでエリザベス女王に謁見、その後書いた6パートで構成された「女王組曲」。楽曲を聴き想像できる愉しみ。イントロのエリントンの研ぎ澄まされたピアノの音色が羽繕いをした鳥の旅たちを表現してるようだ。続くジミー・ハミルトンのクラリネットがこれから美しく優雅な大自然へといざなう。優美でゴージャスなメロディーが素晴らしい。夕日を浴び豪華客船のいかりが上げられる。客船では、晩餐会を終え、映画の世界さながらに「Shall we dance?」とお声を掛けられそうな雰囲気を醸し出すホーン・セクション。「ザ・シングル・ペダル・オブ・ア・ローズ」は「静」なるエリントンのピアノとジミー・ウードのベース。「エイプス・アンド・ピーコックス」はがらっと趣を変えて打楽器と管楽器の「動」の世界。これも魅力ある楽曲です。
私ごときがデューク・エリントンの作品を「おすすめCD」に出すなんぞ恐れ多い事ですし、ご不満のお方もおられると思いますのでJazz Club Over Seasの寺井珠重様のコメントを引用させて頂きます。
「A Single Petal of Rose」は、英国王室の紋章であるバラの花と、女王の美しさ、品格をイメージして作られた作品。デューク・エリントンはとかく、「英雄色を好む」のイメージがついてまわり、おまけにジャズ音楽の巨匠ですので、Sophosticated Ladyという美しい曲は彼の子供時代の女性の恩師に捧げた曲なのに、酒場の粋なお姉さんの歌詞がついてしまいました。 Jazz Club Over Seas 寺井珠重 http://jazzclub-overseas.com/top.html