ジャズ史上最高峰の称賛に価するジャズ・ピアニストの一人、アート・テイタム。彼は僅か46歳という若さでこの世を去りました。生まれつき片目が見えず、もう片方も視力が弱いという大変なハンディ・キャップを持っておりました。アルバムのライナー・ノーツには、音楽家の場合目が悪いことは決してハンディにならないと掲載されておりますが、そんなことはないだろうと思うCappuccinoですが・・・。彼は幼少の頃からピアノとヴァイオリンの演奏に優れた才能を発揮し、10代でプロ活動をされていたようです。さて、私事ですがこのアルバムを初めて聴いた時は、「音数の多さ」に唖然としました。正直言って耳がついていかなかったのです。「ジャズの専門店 ミムラ」の三村さんに「耳ざわり」だというと「アート・テイタムは神様ですぞ〜」と言われまして、以降、毎日聴いておりました。Jazz Club Over Seasの寺井氏の「セロニアス・モンク・楽譜講座」に参加した時に「歌心」をお勉強したのですが、アート・テイタムのメロディーを聴いてるとタイトルが聞える瞬間がありました。えっ?これって講座でお勉強したことかな・・・。もし、そうならすごい発見で嬉しいのですが。
1940年代から頭角を現したテイタム奏法はセロニアス・モンクと同じく鍵盤の高音からコロコロと下降するのが特徴。滑らかに鍵盤を自由自在に移動する早弾きは彼の上を出る者がいなかった。指の動きだけでなく歌心、華麗さや品位があり、流麗で想像的な強い印象を受けます。ピアノ・ソロの間も左手のリズミカルな転調。精力的で絶え間なく流れるメロディーに圧巻。アップ・テンポの"Just One Of Those Things"ソロの間にはアドリブ満載。レッドのベースも力強く、気迫を感じるドラムスのブラッシュ・ワーク・ソロの終わりとアート・テイタムのピアノがオーバー・ラップ。優美な"Some Other Spring"、とてもドラマチックな"If"、スインギーでメロディアスな"Love For Sale" "Isn't It Romantic" 、心地よく歌ってる"I Guess I'll Have To Change My Plan"、アート・テイタム作"Trio Blues"これはとても気にいっています。ピアノ名手、アート・テイタムのCDプレゼントに応募してくださいね。(^^)