「スイッチ」 クラリネット奏者とピアニスト 今週のおすすめCDは2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「メモリーズ・オブ・ユー」か「Giovanni Mirabassi&Andrzej Jagodzinski Trio」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は9/28(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD ケン・ペポロフスキー 「メモリーズ・オブ・ユー」 ケン・ペポロフスキー(ts,cl*)、テッド・ローゼンタール(p)、ゲイリー・マッツァロッピ(b)、ジェフ・ブリリンガー(ds) 2005年11月NYで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35372 2006/6/21発売 曲目 (1) メモリーズ・オブ・ユー (2) アイル・ビー・シーインザ・ユー* (3) ブライト・モーメント (4) イン・ア・センチメンタル・ムード* (5) ドリーム・ダンシング (6) ラスト・ナイト・ホエン・ウイ・ワー・ヤング (7) 春の如く (8) ロータス・ブロッサム* (9) バット・ノット・フォー・ミー (10) プア・バタフライ (11) メモリーズ・オブ・ユー2* |
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何とオーソドックスなジャズであろうか。最近ジャズのクラリネット奏者は数少ない中、ケン・ペポロフスキーはジャズ界にとって貴重な存在と言えるであろう。本作はケン・ペポロフスキーがヴィーナスレコードに移籍して第一弾のリーダーアルバムである。クラリネットだけでなく、テナー・サックスにおいても分厚く素晴らしい演奏を披露してくれており、11曲中7曲がテナー・サックスである。 前述したようにスイング・ジャズ・クラリネットプレーヤーはなぜか時代とともに少なくなり、ジャズ・アルバムも減少している。我らの時代クラリネットといえば直ぐにベニー・グッドマン、ピーナッツ・ハッコー等を思い起こす。日本では鈴木章治、北村英治等がそうである。ベニー・グッドマンの名盤「カーネギー・ホール・コンサート」は今も記憶に残り鮮明に脳裏に焼きついている。聞くところによるとそのケン・ペポロフスキーは、中学生の頃ベニー・グッドマンを聴いて衝撃を受けジャズに没頭し、いきなりクラリネットを購入してしまったということだ。それから懸命に勉強し努力したのであろう。 まず(1)「メモリーズ・オブ・ユー」は云わずと知れたベニー・グッドマンお馴染みの曲だが、意表をつかれた。クラリネットではなく、いきなり分厚く切れのあるテナー・サックスでの演奏である。それも図太いテナーで思わずしびれるようであった。最後の(11)「メモリーズ・オブ・ユー 2」ではキチッと太く美しいクラリネットで修正してきているのも聴き応えがある。この作戦に少々驚かされたが、分厚く力強いテナーの音色が好きなので、「これは嬉しいではないか!」と思わず言葉が出た。現在最も好きなテナー奏者スコット・ハミルトンの分厚く艶のあるトーンに通ずるところもあるように感じるが、まだまだ低く響きわたり図太いのである。往年の分厚いテナーの名奏者コールマン・ホーキンス、ベン・ウェブスターにも似ているようだ。これからのケン・ペポロフスキーにかける期待が一段と膨らんでくる。これほどまでに好感を持ったアーティストが存在することをまず喜びたい。一方(2)「アイル・ビー・シーイング・ユー」ではフレーズの美しい旋律を生かしている。クラリネットの使い方や歌わせ方の緻密で巧みな技は、甘く切ないメロディに透明感を与えつつ、テナー同様トーンの芯が太いのである。ヴィーナス移籍第一弾としてお手並みを拝聴し、素晴らしく魅力があると感じた。次回作がいまから楽しみである。 今回サウンドに関し、少々不可解な音があった。これは(6)「ラスト・ナイト・ホエン・ウイ・ワー・ヤング」のみの現象であるが、演奏が始まって一分ぐらいすると、スピーカーから発せられるメロディとは別に、リスニングルームの音場空間から残響のような、膨らんだ低い微音が混じって聞こえていることが音質として少々気になった。ドラムスの残響のような少し遅れて低くつきまとっているような音。これが古い録音CDであれば理解できるが、最新録音CDとしては珍しいケースだ。これは果たして制作レコード会社の意図なのか、ミキシングでのものか、それとも元々マスタリングテープのものか判明しない。 |
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カプのおすすめCD Giovanni Mirabassi&Andrzej Jagodzinski Trio Giovanni Mirabassi(p)、Andrzej Jagodzinski(aco)、Czestaw "Maty" Bartkowski(ds)、Adam Cegielski(b) 2002.9.29録音 澤野工房 DR-003 曲目 1.Panta rei 2.Des jours meilleurs 3.El pueblo unido james sera vencido 4.La petite valse brillante 5.Place de la Mairie 6.Frankfult Serenade 7.You donユt know what love is 8.Behind the white door 9.Bobo's theme 10.Requiem 11.La valse a Nini |
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秋の気配がそこここに。芸術の秋・スポーツの秋・食欲の秋。あなたはどんな秋を期待してるのかな。私はコンサートを愉しみにしています。 11/3になんばHatchで行われる澤野工房コンサートチケットが届きました。コンサートチケットにはせいぜいチラシぐらいしか付いてこないのですが、社長の手書きサイン入りのお手紙が添えられていて(どのお客様にも送られているようです)、Hand Made Jazz澤野の温もりがほんわかと心に沁みました。 コンサートではジョバンニ・ミラバッシがアンドレ・ヤコジンスキー・トリオと共演します。ジャズビギナーcappuccinoは「予習」することにしました。本来ヤコジンスキー氏はピアノ奏者ですが、アコーディオンで参加。その分ミラ・バッシが伸び伸びと演奏しています。主にヤゴジンスキーがメロディーを奏で、ミラバッシが伴奏を担当。しかしソロ・パートでは波々と沸きあがる珠玉のメロディーに絶句。“Frankfurt Serenade"小悪魔的なスターティングから徐々に悠々と流れるミラバッシのピアノがゴージャス。"You don't know what love is"は9分以上の作品。オペラを想像させるアコーディオンとピアノの会話がなんとも味わい深く粋。まだ足を踏み入れたことがない欧州に思いを馳せました。秋の夜長に哀愁漂うアコーディオンと叙情豊かなピアノの音色に酔いしれてみては。プレゼントへのご応募お待ちしています。(^^) アトリエ澤野コンサート2006 http://www.jazz-sawano.com/magazine/concert/index.html |