「プレイズ・スタンダード」 ピアノトリオ 今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「プレイズ・スタンダーズ」か「Trio Live」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は6/21(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD スティーブ・キューン・トリオ 「プレイズ・スタンダーズ」 スティーブ・キューン(p)、バスター・ウイリアムス(b)、アル・フォスター(ds) 2006年8月NYで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35395 2007/4/20 発売 曲名 1) アローン・トゥ・ゲザー 2) ゴールデン・イヤリングス 3) アイ・ウイッシュ・アイ・ニュー 4) レフト・アローン 5) ブルー・ボッサ 6) ネイチャー・ボーイ 7) 朝日のようにさわやかに 8) ユー・リーブ・ミー・プレスレス 9) オーシャンズ・イン・ザ・スカイ 10)アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー 11)ラブ・レターズ 12)ビューティフル・ラブ |
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いつも繊細な感覚と新鮮で個性的なピアノを聴かせてくれる、現代最高のピアノの巨匠スティーブ・キューン。日本のジャズファンを魅了するスティーブ・キューンの近年の活躍ぶりには目を見張るものがある。3月にも東芝EMIからバードランドでの実況録音のライブ盤「ステラ・バイ・スターライト」TOCJ-66372が発売され、美しい演奏と高い技法で、その魅力を聴かせてくれたのが耳に新しい。発売元は違うが2ケ月連続で期待の最新アルバムが登場した。エネルギッシュで圧倒的なスイング・パワーと、美しく奏でられるアドリブ・フレーズが一体となったピアノ・トリオの傑作だ。 1)「アローン・トゥ・ゲザー」では独特のサウンドの光彩と色艶豊かなロマンティズムがちりばめられ、個性的な充実ぶりと意欲的なアプローチを味わえる。甘い調べのピアノに乗って、ベースのバスター・ウイリアムス、ドラムのアル・フォスターがこれまたいい演奏を聴かせてくれている。キューンは年齢的には、すでに60半ばという大ベテランではあるが、何時までもみずみずしい感性を持ち続けている。8) 「ユー・リーブ・ミー・プレスレス」にしても、バラード曲の10)「アイ・シー・ユア・フェイス・ビフォア・ミー」でも、お得意のキラキラ輝くような、表現の仕方にうっとりとするばかりである。活気あふれるピアノ・タッチは、まさに”いまが旬”のピアニストといっていいのではないだろうか。キューンの歌心ある美しい調べは全曲にわたる。絶品の出来映えである。アル・フォスターのドラムスも繊細で透明感あふれる品格ある響きが天井高くそびえ立つように弾け飛んでいく。またバスター・ウイリアムスのベースもエッジが気持ちよく切れ込み、ゴツ〜ンとした凄い低域と深く強烈な響きを聴かせてくれる。キューンを上手くフォローする両者はトリオに欠かせない存在といえるだろう。スティーブ・キューン・トリオはメロディを叙情的に歌うテクニックとゴージャスなアドリブに満たされ、熟成した深い味わいがある。 サウンドはピアノの美しさ、大きさがリスニングルーム一杯に広がっていくような素晴らしい録音だ。それに絡むベースも引き締まり、深く重心の低い解像度豊かで引き締まった低域感がとてもいい。ドラムスもシンバルとブラッシングの繊細感を醸し出しており、ダイナミックセパレーションの幅も広く抜群の切れ味を見せる。思わずその独特な魅力に引きずり込まれてしまった。抜群のサウンドのよさで彷彿され、「上には上があるものだ!」と、このキューンの演奏での音質とバランスには、改めてその存在感を拡大するものだった。オーディオリファレンスとして永く残して置きたい、抜群の内容だ。オーディオ&JAZZファンであれば、Getする価値十二分である。 |
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カプのおすすめ ルネ・ユルトルジェ・トリオ 「Trio Live」 ルネ・ユルトルジェ(p)、イヴ・トルチンスキー(b)、エリック・デルヴュー(ds) 2005フランス録音 澤野工房 曲目 1)Love for sale 2)Saint-eustanche 3)Just one of those things 4)Pannonica 5)Confirmation 6)Autumn leaves 7)If I were a bell 8)La fornarina 9)Signal |
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フランスの代表的バップ・ピアニストであるルネ・ユルトルジェ氏は73歳。私はおじいちゃまを想像していたのですが、CDジャケットを拝見するとスーツでびしっと決めた紳士でした。長くがっちりとした指で紡ぎ出す音からは全然、お歳を感じさせません。包容力があり、茶目っ気があり、時には研ぎ澄まされたタッチに驚きました。ピアノトリオファンは文句なしに愉しめるライヴアルバムでしょう。 アルバムに収録されている楽曲の殆どがスタンダード曲です。ミュージシャンの個性を活かすお料理法が楽しみですね。スターティングは日本人好みのブライトなラテン色を施した"Love for sale"上品で味わい深い大人のジャズ。楽しそうに会話しているルネの顔が浮かびます。続いてはルネの作品で、趣を変えてブルージーでスイング感満載の楽曲"Saint-eustache"もとても良い。軽快でアップテンポの"Just one of those things"は情熱的で素敵。力強くコロコロと流麗に奏でるバッパー、ルネのピアノにベースとドラムのリズムセクションが的確に脇を固め三位一体となる。優美でゴージャスな"pannonica"はノスタルジアと共に遥か遠い既知へと誘う。"Autumn leaves"ドラムの秀逸なブラッシュ・ワークをバックに甘味なベース・ソロ。情感溢れるルネのパフォーマンスを堪能してください。"If I were a bell"はスインギーでとても可愛くて思わず笑みを浮かべてしまうでしょう。"La fornarina"ヨーロッパの香り漂う不思議なルネの作品で、太く弾力のあるベースもよく響いております。とても力強いタッチのピアノから入る"Signal"はCDジャケットを見ながら聴くといいかも。全体的に落ち着きがあり、ぎゅっと旨味を凝縮した安心して聴けるピアノ・トリオ。製作・発売元の澤野工房澤野社長のコメントを紹介します。 「私自身、ルネから渡された録音テープを初めて聴いた時これは絶対に残しておかなければいけないライブの記録だと思いました。演奏に正直惚れました。爆発的に売れるとは思いませんが、聴いた人からの『よかったよ』が徐々に拡がってゆっくりと評価が高まっていく作品だと考えています。」 本作を聴かないと損しまっせ。CDプレゼントにご応募お待ちしています。(^^) |