「プリンと水羊羹」 女性ボーカル 今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「恋のチャンス」か「イントロデューシング」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は9/13(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD シモーネ 「恋のチャンス」 シモーネ(vo)、ジョン・ディ・マルティーノ(p)、ジョージ・ムラツ(b)、ティム・ホーナー(ds)、ヒュートン・パッソン(ts)、ディック・オーツ(as,flu) 2006年11月NYで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35397 2007/5/23 発売 曲名 1) ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト 2) 我が恋はここに 3) 君を想いて 4) フォトグラフィア 5) リトル・ボーイ 6) 遥かなる影 7) 恋のチャンス 8) アイ・ウィシュ・ユー・ラブ 9) 想いあふれて 10)プレイム・イット・オン・マイ・ユース |
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ジャズ・ボーカルにハマっているが、久しく待ち望んでいたシモーネのニューアルバムだ。何と「ロマンス」から2年半ぶりの第3弾である。初盤の「ムーンライト・セレナーデ」でデビューした時はまだ21歳だった。大人に成りきらない愛くるしい歌声は癒しにも似た雰囲気があり、一挙にシモーネの歌声に魅了された。初盤から今回もリーダーであるピアノのジョン・ディ・マルティーノ、第2弾「ロマンス」からのベースがジョージ・ムラツ、ドラムスにティム・ホーナーという布陣だ。豪華なサウンドをバックにポピュラー、ボサノバ、スタンダードなどをラブリーでチャーミングなボーカルで聴かせてくれている。さらっとした唄い方が非常に耳に心地よく響き、愛らしくもあるアルバムだ。 今回もシモーネの楽曲に対するセンスや個性の表れた選曲になっている。女性らしい可愛さが歌われたナンバーが多い。正統派のジャズ・ボーカルをベースにしながらも培ってきた自分の音楽の好みやセンスに合ったボーカル表現を心がけているようでもある。1)「ドント・レット・ミー・ビー・ロンリー・トゥナイト」から聴いてみた。シモーネは実に心落ち着かせ、ゆったりとした歌声とマルティーノの美しいピアノのフォローと上手く重なり合い気持ちよく歌っている。3)「君を想いて」も彼女にピッタリと思えるような歌い方である。現在ボーカリストは多いが、シモーネのように歌えるジャズ歌手はそうざらにいないであろう。続く4)「フォトグラフィア」はボサノバだが、フルートのディック・オーツが奏でるメロディによくのり、実によくマッチしている。6)「遥かなる影」では分厚いベースとピアノの流れがゆったりとしたリズムで、そこへテナーが加わり何とも言えないジャズ・ボーカルの深い味わいを聴かせてくれる。また懐かしい70年代のポピュラーな曲も織り交ぜている。シモーネの相も変らぬ美しい歌声がレトロにも感じさせる。バラードが心の底に染み渡ってくるのが分かるようである。可憐でありながら、時にはセクシーな雰囲気が醸し出されるシモーネのオーソドックスなボーカルに酔いしれるのだ。 何といってもオーディオの音像定位にボーカルは欠かせない。初盤の「ムーンライト・セレナーデ」は音質が抜群だったので、未だにオーディオチェック用のリファレンスCDとして愛聴し続けている。このアルバムでもしっとりしたシモーネの歌声に寄り添うように、ピアノ、ベース、ドラムスのコンビネーションがいい雰囲気で伝わってくる。しかし個人的な見解だが、2作目の「ロマンス」でもそうだったが、なぜかジョージ・ムラツのベースが大人しく意外と軽い表現で、あまり深く沈み込まないのだ。今作も音に伸びと冴えがなく、最後まで聴いていくと少々ストレスが溜まるようだ。それに付随するようにティム・ホーナーのシンバルの輝きと、張り出し感がもう少し欲しいところだ。シモーネのボーカルが良いだけに惜しまれる。 |
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カプのおすすめ ミリー・ヴァーノン 「イントロデューシング」 ミリー・バーノン(vo)、ルビー・ブラフ(tp)、ジミー・レイニー(g)、デイヴ・マッケンナ(p)、ワイアット・ルーサー(b)、ジョー・ジョーンズ(ds) 1956.2 NY録音 曲名 1)ウィープ・フォー・ザ・ボーイ 2)モーメンツ・ライク・ジズ 3)スプリング・イズ・ヒア 4)セント・ジェームス病院 5)マイ・シップ 6)今年のキス 7)ムーン・レイ 8)エヴリシング・バット・ユー 9)エヴリ・タイム 10)ブルー・レイン 11)アイ・ドント・ノウ・ホワット・カインド・オブ・ブルース・アイヴ・ガット 12)アイ・ゲス・アイル・ハヴ・トゥ・ハング・マイ・ティアーズ・アウト・トゥ・ドライ |
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1981年台湾での航空機事故で51歳でお亡くなりになった向田邦子さんがこのミリー・ヴァーノンのアルバムが好きだという事で、一時期すごいブームになったそうです。現在隠れブームの再来ということで、私も乗っかりました。ライナー・ノーツに掲載された向田邦子さんが書かれた感想を拝読して、とても飾り気がなく素直な感想に大変感銘しましたし嬉しくなりました。立派な執筆者が書くから許されるのだろうけどこんな感想をもっとライナー・ノーツに書いて欲しいと思った次第です。「水羊羹を食べる時のミュージックは、ミリー・ヴァーノンの「スプリング・イズ・ヒア」が一番合うように思います。この人は1950年代に、たった1枚のレコードを残して、それ以来、生きているのか死んだのか、まったく消息の分からない美人歌手ですが、冷たいような、甘いような、けだるいような、生ぬくいような歌は、水羊羹にピッタリに思います。」私はこれを拝読して面白いなぁと関心しておりました。 1930年ニューヨーク生まれのミリー・ヴァーノン。5歳の頃からパット・キャメロンという本名で歌っていたそうです。ジャケット写真を拝見するととても物語性のある美人。声質がクリス・コナーに似ていたということと、容姿の美しさに秘められた「影」の部分が見え隠れ。淡々とクールに歌うところがまた魅力です。消息が分からない時期もあったようですが、2004年にミリー・バーノンにお会いになったという高田氏がこのアルバムのライナー・ノーツを2007年1月に書いておられるので多分現在もご健在なんでしょうね。 本アルバムは音作りはとてもシンプルですがミリー・ヴァーノンのヴォーカルを生かす味わい深いソロ演奏と伴奏をされています。そして、情感豊かで表現力があり、ドライではなくクールで弾力性に富んだヴォーカルが聞き手の心にストレートに入ってきます。格好良いシンガーだと思います。一日の終わりに寝転がって聴いたり、3時のおやつの時間に聴いたり、日課の一部みたいに何か何度も聴いてみたくなります。この猛暑続きでお疲れぎみの奥さんや旦那さん、仕事が忙しくて自分の思い通りに行かずジレンマに陥ったり、自分の時間も持てずにイライラしている独身の皆さんにも聴いて癒されて欲しいです。おすすめCDプレゼントにご応募お待ちしております。(^^) |