「空を見上げて」 サックスとクラリネット 今週のおすすめはCD2枚です。ご応募いただいた皆様から抽選で各1枚ずつプレゼントします。お名前、送り先、ご希望のCD(「星に願いを」か「Side ways」)を明記の上、下記メールアドレスまでご応募ください。 mailto:merumaga@hifido.co.jp 締め切り日時は12/6(木)21:00です。当選者の発表は賞品の発送をもって替えさせていただきます。 |
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コンのおすすめCD ケン・ペポロフスキー・カルテット 「星に願いを」 ケン・ペポロフスキー(ts,cl)、 テッド・ローゼンタール(p)、ゲイリー・マッツァロッピ(b)、ジェフ・ブリリンガー(ds) 2006年8月ニューヨーク・ザ・スタジオで録音 ヴィーナスレコード TKCV-35606【2枚組】 2007/8/22 発売 曲名 【Disc 1】 1) グッド・モーニング・ハートエイク(ts) 2) グッド・モーニング・ハートエイク(cl) 3) いそしぎ(ts) 4) いそしぎ(cl) 5) イン・ザ・ウィ・スモール・アワーズ(ts) 6) イン・ザ・ウィ・スモール・アワーズ(cl) 7) クライミー・ア・リバー(ts) 8) クライミー・ア・リバー(cl) 9) 愛は海よりも深し(ts) 10)愛は海よりも深し(cl) 【Disc 2】 1) 月に願いを(ts) 2) 月に願いを(cl) 3) アイ・シュッド・ケア(ts) 4) アイ・シュッド・ケア(cl) 5) ラッキー・トゥ・ビー・ミー(ts) 6) ラッキー・トゥ・ビー・ミー(cl) 7) ジンガロ(ts) 8) ジンガロ(cl) 9) 星に願いを(ts) 10)星に願いを(cl) |
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モダン・クラリネットの巨匠、ケン・ペポロフスキーがクラリネット同様、図太くゴリッとした素晴らしいテナー・サックスをフィーチャーし、同じ曲をテナー・サックスとクラリネットで交互に繰り返し演奏してみせる。大変珍しいアルバムの登場である。同じ曲でもテナーとクラリネットで、これだけ違ったメロディに聴こえるのは不思議なくらいである。実にユニークでいいアルバムだ。前作「メモリーズ・オブ・ユー」(TKCV-35372)もよかったが、同じテナー奏者スコット・ハミルトンとの共演「イッツ・マジック」(TKCV-35383)でも見事なクラリネットとテナーを披露してくれていた。ケン・ペポロフスキーのクラリネットはいちばんクラリネットらしく、まろやかで艶っぽい音色が魅力だ。いままでテナー・サックスではスコット・ハミルトンが一番分厚いテナーの音色で抜きん出ていたと思っていたが、どうしてテナー・サックスでもこれ以上ないというくらいの骨太な音質は、あのコールマン・ホーキンス、ズート・シムズをも彷彿させる骨太で厚いテナー、またその味わい深く暖かなトーンの響きに魅了されるのだ。 今回のアルバムは前述したようにテナー・サックスとクラリネットで同じ曲が繰り返し演奏される、各2バージョンの2枚組み全20曲が収録されている豪華盤である。Disc1の「いそしぎ」ではかなり趣向を凝らした細かな配慮が功を奏し、スローバラード的にゆったりとしたテンポで、これまたベースとのデュオがたまらなく落ち着いていて心癒される演奏である。「イン・ザ・ウィ・スモール・アワーズ」、「愛は海よりも深し」、Disc2「月に願いを」、「アイ・シュッド・ケア」、「星に願いを」においても、テナー、クラリネット共にその音色のまろやかでエレガントさをも漂わせる。各フレーズの奏法が見事に曲と溶け合い、バランスよく奏でられていく。普通同じ曲を繰り返し20曲も聴くと飽きるが、このケン・ペポロフスキーのテナー、クラリネットの演奏は聴く者を間髪いれずして虜にし、魅了していくのだ。 以上を聴いて感じるのは各曲ではテナーが先行しているので、テナー・サックスの方が本業かと聞違えるほどテナーの音色と響きが抜群だ。しかし先にも言っているようにケン・ペポロフスキーはクラリネットのベテラン奏者である。やはりクラリネットが場面、場面で異なる音色をちりばめ、素晴らしい質感を演出してくれているのが何といっても頼もしい。余りにも気持ちよく聴けたので全2枚組み20曲のアルバムがすごく短く感じられた。これは最近稀に見るおすすめCDの一枚だ。 サウンドはテナー、クラリネット、ピアノ、ベースとも文句の付けようがないくらい素晴らしい音質だ。しかし音質について個々見解は異なると思うが、私はオーディオ的にも聴いているので、おしいかなドラムスの音質がかなりおとなしすぎる感じがする。特にシンバルの出方が今までのヴィーナスレコードにしては、物足りない質感であった。テナー・サックス、クラリネットの音色を重視した結果であろうと考えられるが、今回のアイディアと内容がいいだけに、録音については今後の反省材料にして欲しいと思う。 |
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カプのおすすめCD Alan Barnes 「Side ways」 Alan Barnes(as,ts,bs,cl)、John Hallam(ts,bs,cl)、David Newton(p)、Simon Thorpe(db)、Bobby Worth(ds) 2006. 12.13 Red Gables Studios 曲名 1) Sideways 2) Topsy 3) You 4) Walk On The Water 5) You Go To My Head 6) Idol Gossip 7) Just A-Setti'n and A-Rockin’ 8) Have You Met Miss Jones? 9) They Say It's Wonderful 10) Hackensack |
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少しずつ紅葉してきた木々を眺めていると、我が家のご近所からたどたどしいサックスの音色が流れてきました。サックスの音色というのは秋に似合うなぁと思いました。もう冬になってしまいましたが、今回は格好良い2ホーンジャズ・バンドのCDをご紹介します。 躍動感溢れるご機嫌なノリノリサウンドの"Saideways"はライヴを聴きたくなります。ニューヨークでミュージカルでも鑑賞しているような錯覚を起こすのは"Topsy" Alan Barnes&John Hallamの2ホーンを軸にした渋い演奏です。David Newtonのピアノが表情豊かな音の広がりを編み出します。存在感あるSimon Thopeのベース、Bobby Worthの粋で控えめなドラミングが上手くブレンドされた芳醇で味わい深い演奏です。“You”は 卓越したリズム隊と明るいクラリネットが融合する素晴らしい演奏です。2管のクラリネットのお喋りとお腹に響くベース、流麗なピアノ、卓越したスティック裁きのドラムスが相俟って楽しい仕上がりです。マリガン作 “Walk On The Water” & “Idol Gossip” はどちらもスインギーで趣があります。ミディアム・テンポの2ホーンをぐいぐい引っ張るドラムスのソロを交えたダンディーな演奏に魅了されます。”You Go To My Head”は夜の帳が下りる頃にピッタリな魅惑的な曲です。”Just A-Settin' and A-Rockin’ “ デューク・エリントン&ビリー・ストレイホーンの作品です。歌うピアノソロ&サックス掛け合いが愉しいです。優美なメロディーに乗ってクラリネットが語りかける”Have You Met Miss Jones?”。 素敵なバラード曲の“They Say It’s Wonderful” 。“ Hackensack” はお馴染みとても個性豊かなセロニアス・モンクの作品です。メンバーは楽曲の面白さにメリハリをつけて愉快な世界へ誘います。おすすめCDプレゼントにご応募お待ちしております。(^^) |