「和みの青」2008年2月22日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD カレル・ボエリー・トリオ「ミッドナイト・ブルー」大須本店 カプのおすすめCD ボビー・ハッチャーソン「エッセンシャル・ブルー」京都店 |
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コンのおすすめCD カレル・ボエリー・トリオ 「ミッドナイト・ブルー」 カレル・ボエリー(p)、ヘイン・バン・ダ・ヘイン (b)、ハンス・バン・オーシュタハウトゥ(ds) 2007年8月録音 M&Iカンパニー MYCJ-30443 2007/12/19発売 曲名 1) マスカレード・イズ・オーバー 2) ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ 3) ミッドナイト・ムード 4) 月の光 5) ゴールデン・イヤリング 6) ラウンド・ミッドナイト 7) スター・アイズ 8) ガーデン 9) ブルー・イン・グリーン 10)ルック・ビハインド・ザ・マウンテン |
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年に一回の割で発売されるカレル・ボエリー・トリオのCD、発売は実に楽しみである。前作「ラスト・タンゴ・イン・パリ」の発売から約一年、カレル・ボエリー・トリオ第6弾目のアルバムだ。またしてもヨーロッパの優雅な響きを聴かせてくれるカレル・ボエリー、彼のリリカルなピアノはジャズの楽しさとピタリとマッチする。現在ヨーロピアン・ジャズ・トリオのリーダーはピアノのマーク・ヴァン・ロンであるが、ヨーロピアン・ジャズ・トリオ初代ピアニストはカレル・ボエリーだった。2003年に彼自身のピアノ・トリオ、カレル・ボエリー・トリオを結成し活躍を続けている。 今回もスインギーなプレイは衰えることなく、より格調高く、優雅な仕上がりである。1)「マスカレード・イズ・オーバー」ではいきなりボエリーのピアノが美しく繰り出される。4ビートの効いた心地よいリズムにベースとドラムスとがかけあい、最初から華やいだ雰囲気である。これがたまらなくいい。2)「ホエン・アイ・フォール・イン・ラブ」はよく聴く曲で、あの懐かしいナットキン・コールが独特のしゃがれ声で歌っていたのを思い出す。ボエリーはメロディの美しさを損なうことなく、落ち着いてゆったりとした演奏に徹しているのも見事だ。また有名なドビュッシーの4)「月の光」はボエリーが得意とするクラシック曲だ。ピアノはより繊細に透明感が増していく。思わず聴き惚れて何度かプレイバックさせ聴いていた。5) 「ゴールデン・イヤリング」6) 「ラウンド・ミッドナイト」7) 「スター・アイズ」と素晴らしく優しい曲ばかり続く。作曲家の意図と演奏者の意志とが反映され、美しく奏でられていく。自然と楽曲に溶け込んでいくようであった。もちろん、その優雅さはカレル・ボエリーのピアノの素晴らしさにもあるのだが、ゴツイ音で知られる典型的なヨーロッパ・スタイルのベース奏者、ヘイン・バン・ダ・ヘインとよく響く繊細なドラミングを披露してくれるハンス・バン・オーシュタハウトゥにによるところも大きい。心地よいピアノ・トリオに酔うばかりであった。 残響性のよさと見事なアレンジ、構成、そして選曲と申し分ない。ピアノ、ドラムスが左右に広がりベースはセンターに定位し、安定感あるサウンドステージが展開されていく。音は滑らかで実に聴きやすく、特にベースの鋭い立ち上がりと、ドラムスの切れ込みは絶品であった。聴くほどに心が和んでくるようだ。 |
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カプのおすすめCD ボビー・ハッチャーソン 「エッセンシャル・ブルー」 クラッシック・オヴ・ボビー・ハッチャーソン・コンピレーション ボビー・ハッチャーソン(vib)、他多数 曲名 1) モンタラ 2) リトル・ビーズ・ポエム 3) 処女航海 4) エフィ 5) ハロー・トゥー・ザ・ウィンド 6) ゴーイング・ダウン・サウス 7) レイン・エヴリー・サーズデー 8) ラフ・ラフ・アゲイン 9) 8/4ビート 10) ロング・オアー・ライト 11) ントゥ 12) ローゼズ・ポーゼズ 13) インナー・グロー |
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ヴィヴラホーン奏者ボビー・ハッチャーソンのコンピレーション・アルバムです。コンピレーションというのはオムニバスと同じですが、様々なミュージシャンやヒット曲など既発の音源を集めたものなので、1枚でいろいろな共演ミュージシャンや演奏が楽しめ、入門用として最適だということです。 1941.1.27ロサンジェルス生まれのボビー・ハッチャーソンは、幼少時代は叔母からピアノを習っていました。デイヴ・バイクにヴァイブを本格的に学び、ロサンジェルスやサンフランシスコを中心に音楽活動を行いました、60年にアル・グレイ(tb)、ビリー・ミッチェル(ts)の双頭クインテットに加わり、61年に東海岸演奏旅行後、NYに移り新スタートを切る。グラント・グリーン(g)、ハンク・モブレー(ts)、ハービー・ハンコック(p)、ジャッキー・マクリーン(as)、エリック・ドルフィー(as)、アーチー・シェップ(ts)、グレイシャン・モンカー3世(tb)などと共演していました。ハッチャーソンはハード・バップ、モード・ジャズ、フリー・ジャズの流れを汲み吸収した演奏者ということです。 花粉症で頭が働かない今日この頃。ハードな音楽はしんどいですが、ついまどろんでしまいそうな”Montara”。ジェームス・スポーディングのフルート、ハービー・ハンコックのピアノと軽快なハッチャーソンのマレットが心地良い”Little B’s Poem”。そして、ハンコックの作品でお馴染み”Maiden Voyage・「処女航海」はハービー・ハンコック(p)、ボブ・クランショウ(b)、ジョー・チェンバース(ds)と共演。元祖とは一味違う作品をお楽しみください。”Effi”マックス・ローチの精巧なドラムスを軸に小気味よく演奏されます。ロバータ・フラックに楽曲を提供しているユージン・マクダニエルズがヴォーカルで参加したヴァラエティーに富んだ音楽性を堪能。ファンクぽい”Goin’ Down South” “NTU”ではハッチャーソンはマリンバ演奏です。前者はジョー・サンプルがエレピで参加。後者はアーシーな香り漂う作品に仕上がっています。Cappuccinoお気に入りの”8/4”ではマッコイ・タイナーのピアノとジョー・ヘンダーソンのテナーサックスが小粋なジャズを醸し出します。”Wrong Or Right”ではウディ・クランショウのトランペットが参加。力みのない達観したクールサウンドが感じ取れる”Roses Poses”や “Inner Glow”も素敵です。このアルバムではコンガを起用したラテンサウンドなど色んなジャズを愉しんで頂けますし、ハッチャーソンの清楚なマレットさばきのヒーリング効果もお試しください。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) |