2009年10月02日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD ビル・チャーラップ〜ケン・ペポロウスキー 「スターダスト」 日本橋店 カプのおすすめCD ウエストコースト・オール・スターズ 「スィンギン・ギグ」 京都店 |
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コンのおすすめCD ビル・チャーラップ〜ケン・ペポロウスキー 「スターダスト」 ビル・チャーラップ(p)、ケン・ペポロウスキー(ts,cl)、ジェイ・レオンハート(b)、ビル・スチュワート(ds) 2008年6月NYで録音 ヴィーナスレコード VHCD-1026 2009/4/15発売 曲名 1)イン・ザ・ミドル・オブ・ア・キス 2)ボディ・アンド・ソウル 3)セレナーデ・トゥ・スウェーデン 4)ノー・リグレッツ 5)マイ・ファニー・バレンタイン 6)ソー・イン・ラブ 7)スターダスト 8)サマータイム 9)スターダスト・リプライズ |
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現在ニューヨークで人気のピアニスト、ビル・チャーラップと何処までも優雅でエレガントなテナー・サックスとクラリネットのケン・ペポロウスキー、豪華な初顔合わせである。二人が繰り広げる贅沢なジャズ・サウンドを堪能できる最新作が登場した。 いきなり1)「イン・ザ・ミドル・オブ・ア・キス」、2)「ボディ・アンド・ソウル」でチャーラップの美しいピアノに支えられ、ユニークで独自の創作性と力強いテナー&クラリネットが織り成す素晴らしく新鮮な演奏に魅せられる。続く3)「セレナーデ・トゥ・スウェーデン」、4)「ノー・リグレッツ」においてもチャーラップのピアノが流れるような旋律を聴かせてくれている。ビル・スチュワートのシンバルも透明感がある素晴らしい響きだ。5)「マイ・ファニー・バレンタイン」、6)「ソー・イン・ラブ」ではケン・ペポロウスキーの心地よいスイングの温かなトーンと、ズゥ〜ズゥ〜とした生々しいましいまでのリアルなテナーの表現は、まさにオリジナル性溢れる独特のもので、エネルギー感もたっぷりでゴージャスに繰り広げていく。そこに太く豊かで骨太なベースのジェイ・レオンハートが繰り出す質感に思わずしびれるのだ。7)「スターダスト」、8)「サマータイム」でも、テナー、クラリネットのエレガントな音色はこれまた格別なものである。チャーラップの響きと旋律のよいピアノが絡み、各フレーズの奏法が見事に曲と溶け合っており、バランスよいリズムで奏でられていくところが聴きどころである。最後の9)「スターダスト・リプライズ」においても、ピアノとクラリネットのデュオが美しく、ペポロウスキーのいちばんクラリネットらしいまろやかで艶っぽい音が心を癒す。心地よくスイングしていくリズム感及びグルーブ感の大切さを存分味わえるもので、絶妙なプレイは非の打ちどころがない。まさに豊潤なジャズを聴かせてもらった。 やはりサウンドは申し分ないもので、各奏者の一体感が見事に溶け合い、ジャズの伝統とフィーリングを生かしつつ、現代のジャズの新鮮な感覚を導きだしているのだ。ジェイ・レオンハートのベースもこれ以上ない骨太な低音で弾んでいて、ビル・スチュワートのシンバルとハイハットのはじけ飛ぶ様には魅了されっぱなしだった。だが、何と言ってもここは気鋭ピアニスト、ビル・チャーラップとテナー・クラリネットのケン・ペポロフスキーの意欲作であるといって決して過言ではない、最高のサウンド空間を味わった。 |
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カプのおすすめCD ウエストコースト・オール・スターズ 「スィンギン・ギグ」 ジョン・アンダーソン(tp)、デイヴ・ウェルス(b-tp,tb)、バディ・コレット(alt-sax,t-sax,cl,fl)、ウィリアム・グリーン(alt-sax,t-sax,cl,b-cl)、チャック・ジェントイー(b-sax,cl,b-cl)、ジェラルド・ウィギンス(p)、カーティス・カウンズ(b)、ジョー・コンフォート(b)、マックス・アルブライト(ds,vib,bell)、ジーン・チプリアーノ(oboe,english holn,b-cl,b-cl) 1956. ハリウッド 録音 曲名 1)クロウズ・ネスト 2)リメンバー 3)サンセット・ドライヴ 4)ユー・アー・ディヴァステイティング 5)ムード・フォーマックス 6)サムフォークス・ライク・ザ・ブルース 7)トップ・ハット、ホワイト・タイ・アンド・テイルス 8)アイ・ヒア・ベルズ 9)バズィン・クール 10)ワン・モーニング・イン・メイ 11)ザッツ・オール 12)ヒート・ウェイヴ |
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さて、今回のおすすめCDはウエスト・コースト・オールスターズの「スウィンギン・ギグ」です。その名の通り、アメリカ西海岸で収録された黒人・白人混合の10人編成です。レーベルは「タンパ」といいまして、1955年初頭にハリウッドでロバート・シャーマンとアーヴィング・ショーテンの2人が設立したということです。1950年代にミュージカル映画が盛んになり、スタジオ・ミュージシャンにジャズ・メンの採用が多くなったということです。詳細は後藤 誠氏と岩波洋三氏のお二方がライナー・ノーツに掲載されておりますのでご参考にしてくださいませ。 では、CDのご紹介とまいりましょう。アルバムはメンバーのジョン・アンダーソンとバディ・コレットのオリジナルと両氏のアレンジ作品です。メリハリの効いたホーン・セクションとドラムスから始まるジョン・アンダーソンの作品1) 「クロウズ・ネスト」から軽快にスタートします。2) 「リメンバー」コロコロと流麗に流れるピアノが旨味を出してほっこり気分にさせてくれます。バディ・コレット作「サンセット・ドライヴ」では味わい深いホーン・セクション、存在感抜群のウォーキング・ベース、其々がソロで魅了します。優雅な4) 「ユー・アー・デヴァスティング」では良く響くベースとフルートやピアノにうっとりします。5) 「ムード・フォー・マックス」バディのフルート、ジーン・チプリアーノのオーボエ・ソロ、カーティス・カウンスのベースがエキゾチックな雰囲気を醸し出し、映画のワン・シーンを想像してしまいます。6) 「サム・フォークス・ライク・ザ・ブルース」ウエスト・コースト的スインギー・ブルースとでもいいましょうか、ミュート・トランペットやフルートも良い味わいを出しています。8) 「アイ・ヒア・ベルズ」ではバディ・コレットがクラリネット、バリトン・トロンボーンでソロを披露します。美しい旋律の11) 「ザッツ・オール」では重厚なベースが際立っています。又、ドラムスのマックス・アルブライトのヴァイヴ演奏もお聞き逃しなく。12) 「ヒート・ウェーブ」では、愉快にパーカッシブなドラムスから始まる。全曲を通して軽快ではあるが、重厚でレトロでまとまりのあるサウンドが時空を提供してくれますよ。ホーン・セクションのアンサンブルとソロの楽しさや終始耳心地の良いウォー・キング・ベースもご堪能ください。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) |