2009年11月27日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD マンハッタン・ジャズ・クインテット 「25〜アート・ブレイキー・トリビュート」 大須本店 カプのおすすめCD Yosuke Inoue 「Life」 日本橋店 |
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コンのおすすめCD マンハッタン・ジャズ・クインテット 「25〜アート・ブレイキー・トリビュート」 デビッド・マシューズ(p,arr)、ルー・ソロフ(tp)、アンディ・スニッツァー(ts)、チャーネット・モフェット(b)、ビクター・ルイス(ds) 2009年2月NYで録音 バーズレコード XQDJ-1012 2009/7/22発売 曲名 1)危険な関係のブルース 2)モーニン 3)モザイク 4)ブルース・フォー・プヘイナ 5)クイック・シルバー 6)スプリット・キック 7)カム・レイン・オア・カム・シャイン 8)ブルース・マーチ |
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マンハッタン・ジャズ・クインテット(以下MJQ)が結成25周年を迎えた今回のアルバムは、あのジャズ・メッセンジャーズのリーダーであったアート・ブレイキー(生誕90周年)に捧げるという、MJQ流の素晴しい作品に仕上がった。さすがアート・ブレイキーに捧げるというだけあって、オリジナル性を継承し鬼才マシューズの綿密に構成された新しい手法によって、見事現代に復活したのだ。 最初の1)「危険な関係のブルース」、2)「モーニン」において、スピード感のある演奏とアレンジのよさに思わず聴き入ってしまう。弾け飛ぶようなビクター・ルイスのドラミングも新鮮で、何時もながらの音場空間を揺らす圧倒的なMJQパワーが炸裂する。3)「モザイク」、4)「ブルース・フォー・プヘイナ」はアート・ブレイキーとは一味違ったMJQの豪華な演奏も断然魅力である。ビクター・ルイスの奏でる繊細で透明感豊かなシンバルの響きは、いつも興味を抱かせるものだ。またアンディ・スニッツァーのテナー・サックスの切れもよく、清涼感溢れる鮮明な響きが魅力だ。5)「クイック・シルバー」、6)「スプリット・キック」においては、アンディ・スニッツァーのテナー・サックスは静かにソロを奏で実に心にしみわたっていく。ベースのチャーネット・モフェットの豪快で厚みのある低音と、トランペットのルー・ソロフの澄み渡った空のように爽快なフレーズで奏でられ、まさに最強メンバーが最高のアンサンブルを聴かせてくれる。7)「カム・レイン・オア・カム・シャイン」、8)「ブルース・マーチ」でも、マシューズの演出はふくよかな音色にスピードを織り交ぜて、どんなソロでもこなしていく。「現在の演奏が最高潮に達している!」と、感じる瞬間だった。前述したようにマシューズはアート・ブレイキーのオリジナルな演奏を尊重し、彼独自の優れた手法によりどの曲も斬新な感覚で甦った。まさにJAZZファンを魅了するものだ。 言うまでもなくMJQのパワーが全開し、強烈に炸裂するサウンドは最高で、ジャズファンの心を豊かにしてくれる。幸い今回から試聴するSACDプレーヤーも最近入れ替えたばかりの、DENONのNewフラッグシップ機DCD-SXである。音の膨らみがなくジャズサウンドの躍動感と低域の解像度が抜群で、MJQのパワフルな超低音のビートも素早い立ち上がりで聴かせてくれる。心地よい音は前へ前へと迫るように押し出されてくるので、極めてクリアに再現され超一級のリアル性と解像度の高さは群を抜いている。最近、久しぶりのリファレンス盤だ。一段とJAZZ&Audioの魅惑に引き込まれていく。 |
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カプのおすすめCD Yosuke Inoue 「Life」 井上陽介(b)、小曽根 真(on.1,2,3 p)、渡辺香津美(on.4 g)、川嶋哲郎(on.5,6,7, sax)、 大坂昌彦(on.1-3,5-7 ds) 2009.5.27&6.2 東京 録音 曲名 1)Night And Day 2)Soft Cookie Waltz 3)Luiza 4)Border Town Blues 5)Reza 6)It’s All Right With Me 7)I Got It Bad 8)Hey Jude |
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今回のおすすめCDは、私が大好きなジャズ・ベーシスト奏者の井上陽介氏のニュー・アルバムです。井上氏自らライナー・ノーツを掲載されておられますので、そちらをお読み頂く方がベストかと思います。が・・、ジャズ・ビギナーcappuccinoの感想もお読みくださると嬉しいです。井上氏が憧れていた方々との共演で収穫ある体験が出来た喜びをコメントされています。優しい心が文面から伝わります。 スターティングはコール・ポーターの作品でお馴染み1) “ Night And Day “ です。ベース音から入る心憎いイントロは小曽根 真氏のピアノ・タッチにもワクワクしました。透明感があり、明るい音色で弾けます。両手から放たれるメリハリあるスイング感が素晴らしい。井上氏の骨太なベースと繊細でしなやかなリズムを奏でる大坂氏のドラミングとが融合。三位一体のパフォーマンスにやられました。2) “ Soft Cookie Waltz “ は井上陽介氏オリジナル。愛犬クッキーのための創作です。美しい旋律と時折見せる遊び心が愛らしいです。アントニオ・カルロス・ジョビン作3) “ Luiza “ は井上氏曰く、「当初、僕の用意していた曲に僕自身が納得していなかったので、急遽この曲に変更した。(略)とてもはかなく美しい仕上がりになりました。」小曽根氏にその場で譜面を書いて頂き録音したそうです。ベースの弓引きが哀愁を漂よわせます。趣を変え4) “ Border Town Blues “ は井上氏にとって、ワン・アンド・オンリーな存在の渡辺香津美氏のギターと井上氏のベースデュオをご堪能ください。力み無くスムーズリーなギターとベースの早弾き。手に汗する音と音のぶつかり合いは、アルバム・タイトル「life」の生命力を感じます。5) “ Reza “ 祈り。Cappuccinoが大好きなジャズ・ドラマー大坂氏の多彩なドラミングをフューチャーした楽曲です。アーシーなスティック捌きとベースの絡み。川嶋氏の図太いサックス、奥深く聴き応え満載!アップテンポでの6) “ It’s All Right With Me “ です。井上氏曰く、「地を這うようなリズムを一緒に作ってくれた大坂君、それに乗ってスケールの大きなアドリブを聞かせてくれる川嶋君の両者に改めて感動しました。」まさにその通りで、白熱した演奏に感服です。デューク・エリントン作7) “ I Got It Bat “ はバラード曲にも酔いしれてください。アルバム最後を飾るのはビートルズ作7) “ Hey Jude “ 。「ベースの豊かな倍音は単体で鳴らしても十分に空間を埋めてくれるので、是非、ベースだけで聞いて頂きたい(略)そんなベースの魅力が伝われば幸いです。」 (井上氏のコメントはライナー・ノーツより引用) ライヴで聴きたいcappuccino・・・。今回の収録では、井上氏が無理をお願いしたそうで、音質もとても良いのです。オーディオ・ファンの方はお家で存分にお楽しみくださいませ。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付けください。お待ちしております。(^^) 井上陽介・大坂昌彦Live インフォメーション: 12月11日(金)・12日(土)大阪は難波 道頓堀Jazz Club St. James にて田中武久(p)、井上陽介(b)、大坂昌彦(ds)のトリオ演奏があります。関西圏の方は是非、足をお運びくださいませ。cappuccinoもLiveを心待ちにしております。 井上陽介 HP http://www.geocities.co.jp/MusicHall/3814/ Jazz Club St.James HP http://www7.ocn.ne.jp/~st-james/ |