2010年03月19日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD ポール・フライシャー 「ザット・ブリッジ」 オーディオビギナーズ カプのおすすめCD MIYAKO 「Why did I choose you?」 日本橋店 |
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コンのおすすめCD ポール・フライシャー 「ザット・ブリッジ」 ポール・フライシャー(ts)、ケニー・バロン(p)、ボブ・クランショウ(b)、アル・フォスター(ds) 2008年12月NYで録音 バウンディ DDCJ-7103 2009/8/19発売 曲名 1)スター・アイズ 2)ジャズト・ア・ジゴロ 3)ワーク・ソング 4)イン・メモリー・オブ 5)サリー・ウイズ・ザ・フリンジ・オン・トップ 6)レイン・オン・ザ・ハドソン 7)アーリー・オータム 8)オン・グリーン・ドルフィン・ストリート 9)ミッドナイト・ダンス |
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ジャズ、ロック、ラテンといった幅広い分野で、日本でも活躍するテナー奏者ポール・フライシャーがニューヨークで録音した、気合が入ったアルバムである。フォローするメンバーもトップ・アーティストだ。現在ニューヨークで活躍するピアノのケニー・バロン、ベースはボブ・クランショウ、ドラムスがアル・フォスターである。彼は今年65歳ということだが、テナーサックス奏者としてポール・フライシャーの名前を知ったのは、来日した90年代だったと思う。図太く究極の響きを放つ豪快なテナーは深く心に染み入り、リスナーを虜にする。 まず1)「スター・アイズ」では、ケニー・バロンのゆったりしたイントロで始まり、それに続くポール・フライシャーのテナーに魅せられる。この一曲を聴いただけでグルーブ感のまとまりのよさが垣間見えるようだ。2)「ジャズト・ア・ジゴロ」を聴いても、テナーは力感ある響きで、全く衰えを見せない。いや、それどころかここに至って今が盛りといった印象さえ抱く。3)「ワーク・ソング」においては、厚く美しく新鮮な響きのテナーはいっそう輝きを放っていく。4)「イン・メモリー・オブ」、5)「サリー・ウイズ・ザ・フリンジ・オン・トップ」は、映画「オクラホマ」のテーマ曲だが、ソウルフルなアレンジが実に上手くジャズにぴたりと合っている。6)「イン・オン・ザ・ハドソン」、7)「アーリー・オータム」では、ベテラン・ピアニスト、ケニー・バロンが奏でる音色と合わすかのように、テナーが優しく問いかけてくる。情感溢れ、心癒される演奏を披露してくれているシーンに心が和む。8)「オン・グリーン・ドルフィン・ストリート」、9)「ミッドナイト・ダンス」でも、ポール・フライシャーはエモーションを抑制しながら聴かせる妙技と、情感豊かに醸し出す音色と、またボブ・クランショウのベースとアル・フォスターのドラムスが快調な音質の彩を添えているのが心強いものだった。 サウンドはDCD-SXで聴くと、全帯域にわたり高級スポーツカーを思わせる音の瞬発的な吹上げが素晴しく、テナーの豪快で力強く押し出されてくる迫力は申し分ない。そこにピアノの硬質な粒立ちと繊細感を伴って、ストレートで爽やかな感じを与えてくれる。ベースのエネルギーもグゥーンと深く感じられ、それぞれの楽器の残響が加わり透明感を伴ってより伸びやかさを感じるのだった。 |
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カプのおすすめCD MIYAKO 「Why did I choose you?」 MIYAKO(Vo)、John Di Martino(P,Rhodes & B3) 2008.12.10-11 Studio DEDE 東京 録音 曲名 1)Day By Day 2)A Nightingale Sang In Berkeley Square 3)Almaz 4)Through The Fire 5)What Is This Thing Called Love? 6)Why Did I Choose You? 7)I’ve Never Been In Love Before 8)Samba Do Soho 9)Almost Like Being In Love 10)How Do You Keep The Music Playing? 11)Morning |
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卒業式を終えたと思ったら、終業式、入学試験とまだまだ落ち着かないご家庭が多いようですが、皆様如何お過ごしでしょうか。街を吹き抜ける風は春を運んでいますよ。早く春が来ます様に。というわけで、今回のおすすめCDでは瑞々しい若葉のような歌声のMIYAKOさんのアルバムをご紹介します。余談ですが、cappuccinoがいつもお世話になっています大阪は北区にあります「ジャズ専門店 ミムラ」の三村氏が初ライナーノーツに挑戦されましたので、こちらも興味有りです。 では、アルバムのご紹介とまいりましょう。MIYAKOさんとジョン・ディ・マルティーノ氏のデュオで制作されました。ジョン・ディ・マルティーノ氏といえば、ロマンティック・ジャズ・トリオのメンバーで日本でも人気がある方です。イタリア系アメリカ人で、ニューヨークを拠点としてストレート・アヘッド・ジャズとラテン・ジャズで活躍中のピアニストということです。MIYAKOさんとマルティーノ氏の出会いやアルバムに関するコメントなどはライナー・ノーツをご欄ください。1)“ Day By Day “ はマルティーノ氏の即興とMIYAKOさんの掛け合いがほのぼのとした雰囲気で癒しの空間を与えてくれます。2)”A Nightingale Sang In Berkeley Square と7)“I’ve Never Been In Love Beforeはジャズ・ピアニスト、MSJQのメンバーでもある元岡 衛氏にアレンジをお願いしたそうです。とても愛らしいアレンジでMIYAKOさんの歌唱とマッチしています。2)のタイトルの響きがとても好きです。3)、4)とCappuccinoが大好きな歌手の作品が続きます。3)” Almaz “ はランディー・クロフォードの楽曲です。物悲しい旋律を丁寧に歌い上げています。4)“ Through The Fire “ はメリハリを利かせたパンチのあるチャカ・カーンがソウルフルに歌い上げるのがとても印象に残っている楽曲です。ここでは、MIYAKOさんがラブ・バラード調に仕上げています。マルティーノ氏のハモンドB3がとても効果的です。タイトル曲になっています6)” Why Did I Choose You? “ は少しダークなトーンで静かな語り口調で唄います。マルティーノ氏の芳醇なピアノ・タッチと供にラウンジで聴いているような錯覚を覚えます。8)” Samba Do Soho “、11)” Morning “はお二人にとってはお得意のジャンルです。前者はヴォサノバ、後者はラテンです。明るい気分にさせてくれますよ。 マルティーノ氏の心憎いパフォーミングがMIYAKOさんのヴォーカルを心強くバック・アップして、彼女のピュアーな世界を一層引き立ててくれます。ご試聴ご希望の方は店頭スタッフにご遠慮なくお申し付け下さい。お待ちしております。(^^) |