2010年06月25日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD エリック・アレキサンダー 「チム・チム・チェリー〜トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン」 日本橋店 カプのおすすめCD ジェイミー・カラム「ザ・パースート」 京都店 |
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コンのおすすめCD エリック・アレキサンダー 「チム・チム・チェリー〜トリビュート・トゥ・ジョン・コルトレーン」 エリック・アレキサンダー(ts) ハロルド・メイバーン(p) ジョン・ウエバー (b) ジョー・ファンズワース(ds) 2009年10月NYで録音 ヴィーナスレコード HVCD-1038 2010/1/20 発売 曲名 1)あなたは恋を知らない 2)ディア・ロード 3)ミスティ・ナイト 4) チム・チム・チェリー 5)追求 6)アフロ・ブルー 7)夜は千の眼を持つ 8)ワイズ・ワン |
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ジャズ・テナーサックス界で最も図太い音が魅力のエリック・アレキサンダー。腹の底から響くサックスにゾッコンだ。今回はコルトレーンへの賞賛をこめて、コルトレーンのオリジナル曲を集めたトリビュート・アルバム。そのバラード・フィーリングを、エリックの重厚なテナー・トーンで、たっぷりとヴィブラートをかけて情感豊かに奏でる。どの曲を聴いても、エリックの力強い男の魅力に浸ることができる。 1)「あなたは恋を知らない」2)「ディア・ロード」、情感豊かで歌心にあふれた表現は、エリック独特のもの。明るく軽快で、耳に優しく飛び込んでくる。多くのテナーマンの中でも特出した存在であり、ひときわ輝きを放つと感じさせられる。3)「ミスティ・ナイト」4)「チム・チム・チェリー」、一音を耳にしただけで聴くものを捉えて離さない。コルトレーンとは違った表情で演奏しているのも聴き所。5)「追求」6)「アフロ・ブルー」、出だしのテナースタイルでは、コルトレーンの質感を彷彿とさせる。7)「夜は千の眼を持つ」8)「ワイズ・ワン」、まさにこれはエリックの得意技。長いバラードのイントロから本題に入るまでの引き延ばしが、実に巧みである。 テナーの響きを大切に独自のスピード感を伴って分厚く、繊細さも忘れてはいない。エリックの巧妙で素晴らしい演出の成せる技。ブローはダイナミックだし、豪快さにかけてはコルトレーンに決して負けていない。パワフルな中に流れる豊かなバラード・フィーリングが素晴らしい。コルトレーンの豪快なメロディーに乗せて、ご機嫌な演奏だ。この時代にふさわしくスピードもありエネルギッシュ。スロー・バラードとミディアム・テンポが上手く噛み合い、軽快にスイングしていく。グルーブ感はエリックの独壇場でもある。明るく澄み切ったジャズ・テナーの王道を行くスタイルであり、豪快な歌が心憎い。 ピアノのハロルド・メイバーンとベースのジョン・ウエバーはスイングしながら、お互い豪快な音を奏でていく。ジョー・ファンズワースのドラムスは、繊細なスネア捌きが冴えわたり、耳に優しく聴こえる。彼らの好フォローで、エリックのテナーがよりいっそう際立って聴こえるから不思議である。 軽快で明るく、図太く張りのあるテナーの響きが断然よく、厚くガッツあるピアノ、腹に染みわたるベース、切れ味鋭いドラムス。オーディオ的にも非常に優秀である。艶と弾力厚みのある音空間に、ピアノの美しい響きが加わり、透明感が高く鮮やかさを増していく。 |
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カプのおすすめCD ジェイミー・カラム 「ザ・パースート」 ジェイミー・カラム(vo.)、カウント・ベイシー・オーケストラ、他 曲名 1)ジャズト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス 2)アイム・オール・オーヴァー・イット 3)ホイールズ 4)イフ・アイ・ルールド・ザ・ワールド 5)ユー・アンド・ミー・ア・ゴーン 6)ドント・ストップ・ザ・ミュージック(リアーナのカヴァー) 7)ラヴ・エイント・ゴナ・レット・ユー・ダウン 8)ミックステープ 9)アイ・シンク、アイ・ラヴ 10)ウィ−・ラン・シングス 11)ノット・ホワイル・アイム・アラウンド 12)ミュージック・イズ・スルー 13)エヴリワンズ・ロンリー 14)ソー・デイ・セイ |
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蒸し暑い日が続きます。皆様如何お過ごしでしょうか?さて、今回おすすめCDはとてもチャーミングなお顔立ちとハスキー・ヴォイスが素敵なジェイミー・カラムの4年ぶり、5枚目のアルバムです。自身を「音楽バカ」と表現しているように、彼が培ってきた様々な音楽性を追及して仕上げた聴き応えがある作品に仕上がっています。では、アルバムのご紹介とまいりましょう。 意表をつかれたスターティング。私も大好きなコール・ポーター作1)「ジャスト・ワン・オブ・ゾーズ・シングス」はカウント・ベイシー・オーケストラを迎えて、息が合った掛け合いが楽しいです。カウント・ベイシーと仕事をしていたフランク・フォスターがアレンジを手がけたということです。3)「ホイールズ」は歌詞の内容はシリアスですが、軽快なメロディーが心地良いです。最近、cappuccinoも携帯電話の待ちうけ曲に使用しています。4)「イフ・アイ・ルールド・ザ・ワールド」はスロー・テンポでダークなイメージとは相俟って、透明感、メリハリを利かせた歌心あるピアノのスパイシー効果大です。5)「ユー・アンド・ミー・ア・ゴーン」どこか懐かしい旋律、ミュージカルを思わせるピアノ、オルガン、コンガ、クラップ・ハンドを上手く織り交ぜた作品。淡々とリズムを刻むバッキングにピアノが弾みます。7)「ラヴ・エイント・ゴナ・レット・ユー・ダウン」はジェイミー自らストレートなラヴ・ソングを書いたのは初めてかもしれないという作品をバラード調で優しく歌い上げています。オルガン、ホーン・セクションが効果的です。8)「ミックステープ」はジェイミー曰く、「音楽バカのための歌なんだ」昔、好きな女の子のために曲を選んでテープを作ったような時代を題材にしたロマンティックな曲だそうです。Cappuccinoにも経験がある様に皆さんにもあるのでは?9)「アイ・シンク、アイ・ラヴ」は優柔不断な男のラヴソングを感慨深く歌うジェイミーとレトロなピアノの音色が織り成します。トム・ウェイツの世界を垣間見ました。カール・ゴードンとの共作10)「ウィ−・ラン・シングス」、14)「ソー・デイ・セイ」。前者は90年代UKヒップホップ調、ローズ・ピアノとスキャットが良いです。後者はドクター・ジョンのようで、ピアノ・ロール、パーカーシブなドラムス、ホーン・セクションがファンキーでご機嫌です。「ミュージック・イズ・スルー」はクラブ・ミュージックを彷彿させます。11)「ノット・ホワイル・アイム・アラウンド」、はミュージカル「スウィーニー・ドット」からの選曲。13)「エヴリワンズ・ロンリー」共に美しさと哀愁漂うメロディーが魅了します。 色んな時代・ジャンルの音楽の集結作です。ジャズ、クラブ・サウンド、ミュージカル、ファンキー、ロック・ファンなどを楽しませてくれます。ご試聴ご希望の方はご遠慮なく店頭スタッフにお申し付け下さい。お待ちしております。(^^) P.S.ジェイミー・カラムは7月31日新潟県、富士ロックフェスティバルに出演予定です。 |