2011年05月20日 おすすめCDは下記の店舗で試聴できます。 コンのおすすめCD 秋吉敏子ジャズ・オーケストラ・フィーチャリング・ルー・タバキン 「秋吉敏子ジャズ・オーケストラ・イン上海」京都店 カプのおすすめCD ジェラルド・クレイトン「ボンド:ザ・パリス・セッションズ」大須本店 |
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コンのおすすめCD 秋吉敏子ジャズ・オーケストラ・フィーチャリング・ルー・タバキン「秋吉敏子ジャズ・オーケストラ・イン上海」 秋吉敏子(p/cond)/ルー・タバキン(ts,fl)/マイク・ポネーラ、ジョー・マグナレリー、ジョン・エッカート、アレックス・シビアギン、(tp)/ダン・レビン、アラン・ファーバ、アンディ・ハンター(tb)/ティム・ニューマン(btb)/デイブ・ピエトロ(as,fl)/デビッド・ビクスラー(as)/トム・クリステンセン(ts)/ポール・ギル(b)/アンディ・ワトソン (ds)/チェンボコーニエル(cga)/王穎(二胡)/範冉(古筝)/呉暁光(大太鼓)(vo) 2010年10月録音 ポニーキャニオン PCCY-30181 2011/1/19 発売 曲名 1) ロング・イエロー・ロード 2) アイ・ノウ・フー・ラヴズ・ユー 3) マイ・ティチャー・ミスター・ヤン 4) 康定情歌(チャイニーズ・バラッド) 5) ドラム・カン・ファレンス 6) ホープ(エピローグ・オブ・ヒロシマ) |
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「日本は私の国、米国は私の仕事場、中国は私のふるさと」という世界に知られた日本人ジャズ・ピアニスト秋吉敏子は旧満州の生まれだ。秋吉敏子の夫であるルー・タバキンとのコンビでオーケストラを再編成、最強のメンバーで挑んだ。ルー・タバキンは自己のトリオやユニット編成に加わり、彼独自の素晴らしいテナー・サックスを披露する。また、娘のマンディ満ちるも参加して素晴らしいボーカルを聴かせる。2010年10月中国・上海東方芸術センターでライブ録音された。中国に古くから伝わる民謡4)も披露する。 1)「ロング・イエロー・ロード」、秋吉敏子の鮮明なピアノが美しく響きわたる。このピアノの音には感動させられる。大編成オーケストラでのタバキンの分厚いテナー・サックスは切れがあり、抜群の躍動感を伴って押し出される。2)「アイ・ノウ・フー・ラヴズ・ユー」3)「マイ・ティチャー・ミスター・ヤン」では、コンガとバンドの絶妙なソロで、盛り上がりをみせる。中国・四川省に伝わる民謡4)「康定情歌(チャイニーズ・バラッド)」、中国の楽器ニ胡がフューチャーされて、マンディ満ちるの歌声が彩りを添える。ジャズと東洋の融合表現に、秋吉敏子のうちに長年しまっていた中国の心が花開くようである。5)「ドラム・カン・ファレンス」では、16分を超す文句なしの演奏が続く。秋吉敏子の新たな1ページが加えられた瞬間である。6)「ホープ(エピローグ・オブ・ヒロシマ)」では、平和への希望を託して、呉暁光の大太鼓が迫力を増し、哀愁を帯びた旋律をタバキンが見事に表現してみせる。秋吉敏子&タバキンの長い音楽活動生活で培った、親身なジャズの世界が歴然と繰り広げられる。ベースのポール・ギルはオーケストラを見事に好フォローしている。タイトなリズムの低音が量感を伴い、スケールの大きな立体感を醸し出しているのもいい。アンディ・ワトソンのドラムスは豊かな響きと繊細な粒たちで、上品にして鮮明な表現が聴くものに生々しく迫ってくる。圧巻であった。 秋吉敏子は2003年に解散したビッグ・バンドを、7年ぶりに再編成して上海公演を行った。素晴らしいアンサンブルを我がジャズファンに届けてくれたことに感謝したい。 |
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カプのおすすめCD ジェラルド・クレイトン 「ボンド:ザ・パリス・セッションズ」(輸入盤) Gerald Clayton (p)、Justin Brown (ds)、Joe Sanders(b) 1) イフ・アイ・ワー・ベル 2) ボンド・ザ・キャスト 3) ブートレグ・ブルーズ 4) メジャー・ホープ 5) ボンド:フレッシュ・スクイーズ 6) スネークバイト 7) サン・グリンプス 8) ウィッチ・パーソン? 9) 3D 10) ノーバディ・エルス・バット・ミー 11) オール・ザ・シングス・ユー・アー 12) ボンド:ザ・リリース 13) シャウト・アンド・クライ 14) ラウンド・カム・ラウンド 15) ハンク 16) ボンド:バーン |
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皆さん、こんにちは。風薫る季節を感じるようになりましたが、如何お過ごしでしたでしょうか?さて、今回のおすすめCDは先週に引き続き大当り!新緑を愛でる気分にさせてくれる弱冠26歳の若手実力派ピアニスト:ジェラルド・クレイトン率いるトリオ・アルバムです。殆どが彼の作品であり、プロデュースも手がけております。では、アルバムのご紹介とまいりましょう。 1) 「イフ・アイ・ワー・ベル」トリオとは思えないほどのダイナミックなパフォームです。2)「ボンド・ザ・キャスト」、3)「ブートレグ・ブルーズ」、4)「メジャー・ホープ」は三者が緊張感の中で編み出す、メリハリとしなやかさを併せ持った作品です。6) 「スネークバイト」はドラマーのジャスティンの作品です。イントロにドラムスが入り、三者がエキサイトする気迫に満ちた仕上がりです。10) 「ノーバディ・エルス・バット・ミー」、11) 「オール・ザ・シングス・ユー・アー」はジェローム・カーンのお馴染みの作品です。センス光るアレンジと一味違うパフォームに魅了されます。12) 「ボンド:ザ・リリース」はゆったりとしたアルコ・ベースの音色が牧歌的です。暗い印象から徐々に力強いサウンドへと変化するスロー・ナンバーです。13)「シャウト・アンド・クライ」は眩い英気と透明感が放たれます。14) 「ラウンド・カム・ラウンド」は本アルバムを代表する一連の物語性を表現した作品だと思いました。嵐が去った後の穏やかな情景がエレガントリーなピアノタッチと音色で豊かに描かれています。鳥たちが空に舞い上がる光景、光り輝く木々の緑など・・・。あなたはどんな情景が浮かぶでしょうか?続くはベーシストのジョーの作品15) 「ハンク」ではジェラルドのブルージーな歌心をご堪能下さい。ボーナス曲の16) 「ボンド:バーン」はストレート・アヘッドで耳馴染みが良い作品です。聴くほどに魅了される作品です。ご試聴ご希望の方は店頭スタッフにご遠慮なくお申し付け下さい。お待ちしております。(^^) おまけ: ベーシストで作編曲家でもあるジョン・クレイトンを父に持ち、ピアノをケニー・バロンに師事したという実力の持ち主であるジェラルドは2006年のセロニアス・モンク・コンペティションのピアノ部門で準優勝しました。ロイ・ハーグローヴ、ダイアナ・クラール、ロバータ・ガンバリーニ等のアルバムに起用されるなどして注目を集めていたピアニストです。 |