暑すぎた夏が嘘のように、日々、冬が深まりつつ有りますが、如何がお過ごしでしょうか、京都店商品工房の朴 高史です。 今回は、熱すぎた時代の話題をお届けします。 まずは、12月15日に発売となったこちらのDVDから。 |
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だからここに来た!-全日本フォーク・ジャンボリーの記録- [DVD] 監督:中本達男・野村光由 制作:秦政明 ポニーキャニオン ASIN: B0047AJ06E 内容(「キネマ旬報社」データベースより) 69年から71年に掛けて岐阜県恵那郡坂下町(現在の中津川市)で行われた伝説のライブイベント「全日本フォークジャンボリー」の中から70年の第2回の模様を収めたドキュメンタリー。フォークの神様・岡林信康ほか、貴重なライブ映像の数々を収録。 |
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私、こちらの映画が、十数年前一度だけ衛星放送で放映された時にVHSに録画したのですが、無くしてしまいまして、DVD化を十年以上待ち望んでおりました。 映画の出来としては正直イマイチなのですが、映像にあるリアリティはまず他では見れない貴重なものです。(観客の殆どが体育座りしてたりします。) 日本で初の大型野外イベントである全日本フォークジャンボリーですが、アメリカのウッドストックフェスティバルに触発されてのものかと思ってたのですが、第一回の開催はウッドストックの約一週間前の1968年8月9日と意外でした。 出演しておりますミュージシャンは、高石事務所(後の音楽舎)所属の所謂関西フォーク(関西出身だけではないのですが)と呼ばれてたメッセージフォークのミュージシャンが殆どで、また、アマチュアの飛び入り等もあったようです。 その高石事務所(後の音楽舎)が、所属のフォークルの帰って来たヨッパライと高石ともやの受験生ブルースの資金をもとに作られたと言われる日本初のインディーレーベルURC(アングラレコードクラブの略のようです)があります。 当時、フォークルのイムジン河や、岡林の手紙、チューリップのアップリケ等の発売禁止や放送禁止等規制が強く、メッセージ色の強い曲の発表の機会として発足されたようです。 発足当時は会員制で、月いちLP一枚、シングル二枚が会員に配られる形でしたが、後にレコード店への直販に変わったようです。 URCレーベルで、まずURCでしか出せなかってであろう、私の気になるアルバムをいくつかご紹介します。 まずはこちら。 |
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休みの国 休みの国 EMIミュージック・ジャパン ASIN: B00005GLOC ジャックスの運転手をしていた、高橋照幸氏が後期ジャックスのメンバーをバックに作ったこのアルバム、高橋氏の隠喩に満ちた独特の歌詞にフォークともロックともつかない独特のサウンドで唯一無二の楽曲と成っております。 追放の歌、第五氷河期などは一度聞くと忘れられなく成ります。 URCでのジャックス(早川義夫)とはっぴいえんどが存在がギターフォークだけに留まらない幅の広いサウンドの魅力です。 続きましてはこちら。 |
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ひらく夢などあるじゃなし 三上寛 ポニーキャニオン ASIN: B001O2HMOK 高校生の時に書いた詩集「白い彫刻」を寺山修司に認められた天才少年です。ファンクラブ限定で100枚製作されたアルバム「十九歳二ヶ月十六日夜。」で聴けるほぼ最古の音源ですでにこの世界観は完成されてます。 この人と「生きているって言ってみろ」の友川かずき氏(URCではないですが)で私の東北のイメージが変なものに成ってしまってます。 ちなみに71年のジャンボリーで三上氏は正式に、友川氏はアマチュアで飛び入り参加してるようです。 |
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初期傑作集 友川かずき 徳間ジャパンコミュニケーションズ ASIN: B00005GHPL |
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映画で一番光ってたのはこの人。 niyago 遠藤賢司 ポニーキャニオン ASIN: B001O2HMOU 時代の空気を最も敏感に感じてたかとも思えます、このセンスが。 翌年メジャーより出される二作目の「満足できるかな」に収められた「カレーライス」が今後のフォークソングに与えた影響は大きいと私は思っております。良かれ悪しかれ。 アルバム内のファルセット唱法はタイニーティムのモノマネらしいです。 |
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最後は女性でこの方。 時にまかせて-金延幸子レア・トラックス 金延幸子 エイベックス・イオ 音楽舎の版権や音源を管理してますアート音楽出版にはあらゆる音源が保存されてるようで、2003年に発表された、まさかの名盤「み空」以外のURCの音源です。 女性シンガーソングライターのパイオニア、70年、71年のジャンボリーの音源も聞くことができます。 MCの雰囲気が時代を感じます。 |
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話を映画に戻します、この映画での主役的存在はやはり岡林信康氏です。 この時期の岡林氏は、前年9月に下痢を治してくると7ヶ月間の蒸発後に早川義夫氏等の説得によりボブ・ディランよろしくロックで復活したころです。バックにはザ・バンドよろしくデビューしたてのはっぴいえんどを引き連れてです。 映画ではっぴいえんどはほとんど遠くに映る程度です。 2008年よりデビュー40周年として岡林氏の貴重な音源がCD化され発売が続いております。そんな中より70年ジャンボリー前後の音源をご紹介します。 |
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岡林信康壮行会 (株)ディスクユニオン ASIN: B001IK9444 |
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岡林信康ろっくコンサート (株)ディスクユニオン ASIN: B001IK943U |
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岡林信康コンサート ディウレコード ASIN: B001ER4G30 |
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三枚を比べて聞きますと、ほぼライブ経験の無かったはっぴいえんどと復活間もない岡林氏とのぎこちない感じ演奏からジャンボリー後の完成されたかと思われるバンドサウンドへの変化が良く判ります。 丁度このころの心情を歌ったと思われる、岡林信康コンサートでの「自由への長い旅」「私たちの望むものは」でザ・バンドばりのスケール感のある、はっぴいえんどのロックサウンドが最高にかっこいいです。 2万5千人を集めた71年の第3回ジャンボリーの方は吉田拓郎氏が伝説となり、岡林氏には元気がなく、観客が商業主義だと抗議を行い、中断されてしまったしまったようです。 翌年より又岡林氏は活動を停止し、ジャンボリーも開かれず、吉田拓郎はスターと成ってゆくのでした。時代はあまりにも早く変わっていった様です。 あまりにも盛り上がってしまった事を、後から冷静に振り返ってみると、大変に恥ずかしく思えたりします。 この頃のフォークの印象は一般的にはこんな感じなのでしょうかやはり。 バナナマン 赤えんぴつ http://www.youtube.com/watch?v=gWEET7sGhW8&feature=related http://www.youtube.com/watch?v=N27h6wzE75w&feature=related 貴重な音源も聴けるCDはやはりCDプレヤーでお聴きください。 ハイファイ堂京都店では現在、入門機から高級機まで様々CDプレーヤーを店頭展示中です。 ぜひお立ち寄りください。 |