御世話になっております、京都商品部の八木です。 とうとう季節は春ですね! 桜も咲き始め京都はまたまた観光シーズンに突入です。 桜の名所がたくさんありますので、是非この機会に遊びにいらしてください。
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さて、今回のメルマガではJBLのヴィンテージの代表格のひとつである「OLYMPUS」について触れてみたいと思います。
OLYMPUSといえば、S8RとS8の違いとは?C50とは?結線は?8Ω?16Ω?と、いろんな質問がよくあるので今回よく調べてみようと思いました。
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まずOLYMPUSのスタート地点ですが、1960年にサイドボードのような家具調のスピーカーとして発売されました。 この発売当初は、OLYMPUSの定番の「七宝組格子」グリルのモデルと布製グリルの2パターンあったそうです。 格子モデルのほうのエンクロージャ名を「C50-1」、布グリルのほうを「C50-2」として販売していたそうです。 このエンクロージャ名も1965年には格子モデルのみとして「C50」となり、布グリルのモデルは廃盤になってしまったようです。 布グリルのOLYMPUSはかなり希少モデルです。
また「C58 Delphi」というアンプやプレーヤーを収める事のできる専用のキャビネットも発売されていました。 部屋の正面に並べると圧巻でしょうね!
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で、発売当初のユニット構成ですが、当初はS6,S7,S8とあったそうです。 S6は「LE15,LX5,LE75+HL91」 S7は「LE15,LX5,LE85+HL91」 S8は「LE15,LX5,375+HL93」 だったそうです。 この頃のS8はまだ2WAYだったようです。
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これが62年になると新たに廉価版といっていいのかわかりませんが、「LE14C+LX2-1」という同軸2WAYウーファーのモデルが発売されたようです。 でも15インチのウーファーを収めるエンクロージャに14インチのユニットがそのまんま収まるわけがないので、ここはどうやら「A25」というアダプター(バッフル?)が一緒に装着されていたようです。 またウーファーユニットの「LE15」がこの頃「LE15A」にマイナーチェンジしました。
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そして64年になると、それまであったS6は廃止され、新たにS12,S14という構成が追加されました。 S12は「LE14A,LX8,LE20」 S14は「LE14A,LX7,LE75」 という構成だったようです。
この頃までのOLYMPUSは未だにお目にかかった事はございません。 そもそもLE75,LE14C,LE15というユニット自体も希少です。
で、S8にもこの時期から「075」,「N7000」が加えられ3WAY化されたようです。 この頃までのユニットは、あまり見られる事のない珍しい濃いブルーのフレームでした。
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そして65年になり、サンスイがJBLの輸入代理店となり、ようやく国内でもJBL製品が見られる様になったこの頃、皆さんご存知の「これぞOLYMPUS!」な構成のS8R,S7Rが発売されました。 その構成は S8Rが「LE15A,PR15,LX5,375,N7000,075」 S7Rが「LE15A,PR15,LX5,LE85」 になり、 以前までのただの密閉型から、LE15Aの動作を受け「PR15」という電磁界路を持たないユニットを作動させるという低域再生方式、ドロンコーン方式になりました。
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またその後67年には「LE15A」「LE85」「075」が8Ω仕様になりました。 「375」は16Ωのままです。 だいたいお目にかかるOLYMPUSはこの頃以降のものが多いようです。
続いて再度73年には 「LE15A」の耐入力が60Wから120Wに変更され、 「LE85」の仕様が500hz以上25Wから1khz以上30Wに、 「375」の仕様が300hz以上60Wから500hz以上60Wになったそうです。
おそらくですがこの頃にエンクロージャ自体もマイナーチェンジしているように思われます。 背面バッフルにエナジャイザーといった専用アンプを収められるスペースが設けてあるかないか、 格子をエンクロージャーに装着させる仕様が鉄製の金具か樹脂製のダボか、 ウーファー・ドロンユニットを装着させる手段が爪式かネジ8点留めか、 またデュフューザーが木製から樹脂製に変更されていたり、 といろんな仕様変更があったようです。
こういったところから使用しているユニットやエンクロージャの形状でそのOLYMPUSの年代を特定できるヒントになりそうですね。 ただ中には改造や修理といった経緯でユニットが変わっていたりするものもあるので、あくまで参考にしかなりませんが。
そうして76年に惜しまれつつも生産を終了してしまうようです。
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また簡単な紹介になりますが、このOLYMPUSの親戚?みたいなもので「C51 APOLLO」という小型のものや、「C60 Sovereign」というユニット構成はそのままに外装を更に凝った仕上げのモデルもあります。
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それから結線のお話ですが、背面のネットワークの1,2,3,4のどこに+,-を繋ぐのか?という質問をよく受けます。 基本的には「1」はプラス、「2」「3」はマイナスで「4」はプラス、が多いのですが、LXシリーズには違うものが多く、この「LX5」もその一つです。 「1」「3」がプラス、「2」「4」がマイナスです。 と、OLYMPUSの取説にもありましたので掲載しておきます。
このセッティング通りにすると音に広がりが出て、「これぞOLYMPUS!」なサウンドになります。
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いかがだったでしょうか? 本来なら初代モデルなども紹介したかったのですが、資料すらまともに見つからず、こういったものがありましたといったところまでしかお届けできませんでした。 またこれからも更なる調査をして参りたいと思いますので、また新たにわかった事があれば報告させていただきます。 それではまた!
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