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DIATONE 2S-305
ハイファイ堂メールマガジン第674号 京都商品部
こんにちは、京都商品部の真継です。
いよいよ今年も残すところあと少しとなりました。
今年出来なかったこと、また、出来る様になったこと、色々思い返すことはありますが、来年は酉年、羽ばたけるように飛躍の年になる様、頑張っていきたいと思います。
除夜の鐘、今年も鐘の音を聴く時期になりました。毎年恒例で今年も白朮参りに行く予定です。
さて、今回のメルマガですが、DIATONE 2S-305についてふれてみようと思います。
2S-305は1958年にNHK技術研究所で開発、三菱電機製作所で製作されたNHKの標準のモニタースピーカーで、ダイヤトーンの名を広く知らしめることになったプロ用モニタースピーカーの名器です。
このスピーカーはNHKの放送用モニターとして納入され、その後30年以上にわたりロングセラーを誇ったモデルでした。
開発者の中にはCDの父とも呼ばれておられます中島平太郎(なかじま へいたろう)氏も入っておられたそうです。中島氏はのちにソニーに入社され、SONY SS-G7の開発にも尽力されています。
この2S-305の特徴としまして、プロ用モニタースピーカーでもあることから、業務用らしくキャノンコネクターがサイドから取り付けられるようになっています。
サランネットは網状の素材でエンブレムは「mitsubishi」と入っています。また、この機種はサランネットが脱着出来ないタイプになっています。
エンクロージャの形も独特で前面のコーナーが曲面になっているデザインで見た目も綺麗な仕上がりです。
塗装面も美しく独特な印象を受けます。
ちなみにこのエンクロージャのメンテナンスがくると、この美しい塗装面に仕上げるのに何層も重ね塗りが必要で難しい仕上げとなりますが、ここは我が商品部の腕の見せ所でもあります。
2S-305に使用されたユニットはPW-125(30cmウーファー)TW-25(5cmコーンツイーター)のツーウェイユニットです。
PW-125はウレタンスポンジがエッジに使われているように見えますが、エッジはフィックスドタイプで、スポンジはその上に取り付けてあるだけです。
コーン紙の裏はしわしわで、ノンプレスタイプです。このユニットは取っ手が装着されていました。
ちなみにウーファーのカバーを外した写真はこんな感じです。
TW-25は一見、何の変哲もないコーン型ツイーターではありますが、磁気にパーメンジュール(鉄とコバルトの合金)を使用し、極めて強力な磁力を得られているものです。
ネットワークはHP-170が搭載されています。このタイプは金属製ケースで覆われていました。
ネットワーク内部はこんな感じです。(右の写真)
2S-305の後に民生用として2S-305Dが発売されています。
少し紹介しますと、305Dは木目をいかしたウォールナット仕上げで、サランネットが脱着できるようになっていました。
サランネットの素材も布製の物になり、エンブレムは305は「mitsubishi」(左の写真)に対し、305Dは「DIATONE」(右の写真)になっていました。素材も305の方は金属製で、305Dの方はスチール製になっていました。
305Dは背面にターミナルがあり、アッテネーターがついていて、高域の調整が出来る様になっていました。
今回丁度この2機種が当商品部にあったので音質チェックを行いました。
2S-305では解像度が高く原音が忠実に再現されている感じがしました。これぞモニタースピーカーって感じです。
2S-305Dでは民生用に仕上げてあるだけあって、2S-305に比べ押し出し感があり色づけも少し濃くなっているのが印象的で、家庭で聞きやすく仕上げてある感じがしました。個人的にはこちらの方が耳馴染みが良く好みです。
305と305Dはエンクロージャやネットワークの違いで同じユニットを使用していても聞いた感じが変わることを、聴き比べをしてはっきりわかりました。
今回はDIATONE 2S-305について調べてみましたが、DIATONEは他にも紹介したいスピーカーが多くあります。また、詳しく調べ、次の機会に紹介したいと思います。
私事ですが、ハイファイ堂にお世話になり、1年半がたちました。今年はメンテナンス技術も向上し、色んな塗装にもチャレンジしました。来年は今回紹介しました2Sシリーズの難しい塗装もマスターして技術向上に励み、頑張ります。
それでは。
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