御世話になっております、京都商品部の八木です。 そろそろ梅雨入りしそうな気配が漂ってきました。 皆様いかがお過ごしでしょうか? 皆様はご存知だったかもしれませんが僕は最近、初めてタバスコが牡蠣を食べる為に作られたというのを知りました。 しかも作られたのはアメリカだという。 僕自身ピザにかけて食べるのが普通だと思っていたので、すっかりイタリアとかで作られていると思っていたのですが、 よくよく調べてみると下記サイトが出てきて、その事らが書かれたおもしろい逸話が出てまいりました。 うーん、知らなかった。 下写真:タバスコ倶楽部 http://tabasco-club.seesaa.net/article/378079152.html |
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さて今回のメルマガでは、そんなタバスコのように産地の勘違いをさせられそうな、スペイン生まれのようなアメリカ生まれのスピーカー、ALTECの「VALENCIA」について触れてみようと思います。 |
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まず「VALENCIA」といっても、いろいろなバリエーションがあります。 ある程度は把握していたつもりでしたが、調べてみるとこんなのもあったのかと思うのもありました。 まずは最初のVALENCIAで65年発売の「846A VALENCIA」。 これはもうマニアの方には定番のモデルだと思います。 |
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続いては74年に発売された「846B VALENCIA」。 これは少しマニアックです。 ただでさえ個体数が少ないのに、正面のグリル部のウレタンが、だいたいのものが朽ち果ててしまってて、状態のいいものにはほぼ出会えません。 右写真:オーディオの足跡より http://audio-heritage.jp/ALTEC/speaker/846b.html |
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ちなみに846Bのエンクロージャでウレタンのサランネットがなく、外装の仕上げがされていない「846U VALENCIA」というのも発売されていたようです。(こちらはさらに資料が少なく紹介できる写真がありませんでした) そして同じく74年に指定国産箱という名目で発売された「846E VALENCIA」。 おそらくエレクトリの「E」かと思われます。 こちらは「846A VALENCIA」のデザインにかなり近く、格子のデザインとリアバッフルのドライバーカバーの厚みが違うようです。 |
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それから国産箱というと「進工舎 VALENCIA」もあります。 こちらはサランネットが生地のタイプで脱着が可能です。 こちらのVALENCIAが一番入荷が多いのですが、ユニットの構成が様々で、販売年数も長かったのではと思われます。 |
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そして最終VALENCIAこと85年に発売された「604 VALENCIA」。 こちらは伝統の格子グリルが脱着可能になって、フロントバッフルが古き良きALTECを彷彿させるようなグリーンバッフルになりました。 名前の通り、ユニットに「604-8KS」が使用されています。 |
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で、今回はその中でも一番人気・定番の「846A VALENCIA」をさらに調べてみました。 調べてみるといろいろと違うところがあるようで、まずユニット構成から個人的に前・中・後期と分けてみる事にしました。 下左写真はウーファー:416Z、ドライバー:806A、ネットワーク:N-800-F。 おそらくここが一番人気の構成と思われます。 個人的にはこれを前期としたいと思います。 下右写真はウーファー:416A、ドライバー:806A、ネットワーク:N-800-G。 ちなみに「416A」のマグネットカバーを外した状態が「416Z」になるそうですが、それを考えるとウーファーとドライバーは特に変更は無しという事になります。 なのでネットワークの「N-800-F」から「N-800-G」が大きな変更点になりそうです。 ATTもボリューム式からスイッチ式に変更になりました。 いろんな資料から見て67〜8年頃に変更になっている様に思われます。 これを中期としたいと思います。 |
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そして後期はウーファー:416-8A、ドライバー:807-8A、ネットワーク:N801-8A というユニット構成になり、ここを境目に8Ωに変更になるようです。(1970年) また、後期の中でも最終型に近くなるとユニットもオールブラックになるようです。 |
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続いてエンクロージャ(859A)でもいくつか変更点を見つけました。 まずは補修の経験から印象的だったのが「格子」の素材です。 古いモデルは木製だったのに対して、新しいモデルは樹脂のような素材でした。 木製よりも補修作業が大変だったのをよく覚えています。 写真ではわかりにくいかもしれませんが、樹脂製のほうは縦スジのようなものが入っていました。 |
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続いてリアバッフルです。 (右:前期、左下:中期、右下:後期) ネットワークが変わるので当然ですがATT部が変わるのと、真ん中のドライバーカバーの部分にある仕様書が前期にしかありません。 (色味やターミナル部はメンテナンスや経年によるものの違いです) |
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更に細かい部分で写真ではわかりづらいとは思いますが、天板・側板も古いものは米松合板ですが、新しいものになるとパーティクルボードになっていました。 ここらへんも鳴りに関わってくるので大きいポイントになってくるのではないでしょうか? |
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それから開けてみないと分からないリアバッフルの内側ですが、比較的初期に近いものは桟がないようです。 また吸音材の質も古いものは硬め、比較的新しいものはフワッとしたものになっていました。 |
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それから今回の調査では情報不足で調べきれませんでしたが、最初期はドライバーが「802D」だったという話もあるようです。 また、当社では入荷がありませんでしたが、ホーンの「811B」がゴールドだった時期もあるようです。 そういったところも踏まえて、まだまだ調査が必要なモデルであります。 また新しい情報が入れば報告させていただきたいと思います。 (右下写真:SOUND UP http://soundup.ru/index.php?option=com_content&view=article&id=3820%3Aaltec-846a-valencia-speaker-cabinet-1969&catid=8%3Acolumns&Itemid=7) |
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いかがだったでしょうか? 人気機種だけに情報がもっと集められると思っていましたが、意外に全くなく、これくらいが限界でした。ご容赦を。 それではまた! |