映画は一転してアカペラ『So much in love』一人多重録音オケをバックにおもむろに歌い出す達郎。 洗練と泥臭さのギリギリの狭間で歌うブルーアイドソウルな唱法が気持ち良い。 ニッポン人のナリキリ黒人風ボーカルは好きになれないのです。
1980年に出版されたLP『ON THE STREET CORNER』は衝撃的だった。 達郎自身が テナーもバスもリードもひとりでコーラスを多重録音する世界でも例のないアカペラスタイルのアルバム。 ライナーノーツに達郎自身が 『このアルバムは自身のロックンロールへの殉教者としての献身である』と述べ ひとり録音で制作費も掛かっていないので通常LPより安い価格設定にされていた。 この二つのエピソードは The Clashが79年2枚組みアルバムlondon callingを出版した際に 子供たちに高いお金を出させる訳には行かないと 1枚分の価格設定をした事と重なり当時20歳の自分の心をぶっ刺した。
そしてそれは 79年に日本屈指のロックンロールバンドCOOLS『NEW YORK CITY N.Y.』の プロデュースを行ったことへの裏付けでもある。