寒さも増し、紅葉もクライマックスを迎えつつある晩秋の今日この頃。 皆様、いかがお過ごしですか。 11月第4週のメールマガジン、日本橋店からは渡辺が担当致します。 独り善がりの駄文に暫しのおつきあいを…。 |
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“ダンスはうまく踊れない” Come on everybody, clap your hands, Oh, you're looking good I'm gonna sing my song,it won't take long We're gonna do the Dance and it goes like this ブラックミュージックとダンスは切り離しては考えられない。 シェイク ツイスト マッシュポテト ブガルー シーシー etc.etc…。 ブラックミュージック好きならば誰しもカッコ良くソウルダンスをキメたいと思うはず。 僕自身もそう思うわけだがどうにもダンスはうまく踊れない。 残念ながらズンドコ踊りになってしまう。 黒人ダンサー独特のしなやかでキレのあるダンスは天性のものななのか。 英国のユースカルチャーであるノーザンソウルシーンでは60年代のヒューマンなソウルミュージックに合わせてスピンし開脚する。 ハイハットの刻みに合わせるように高速でアクロバティックなダンススタイルとなる。 黒人の腰を中心に渦を巻くそれとは異なるのは白人のダンススタイルだからだろうか。 ともかくそんなことよりも、身体で感じるブラックミュージックは楽しい。 踊れなくてもリズムに合わせて身体を揺らすだけ気持ちの良いものである。 |
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“靴が鳴る” Well it,s one for the money Two for the show Three to get ready now go cat go But don't you step on my doctor shoes Well you can do anything But stay off my doctor shoes ダンスはうまく踊れなくても気持ち良く踊ることはできる。 少し前に大阪東心斎橋で行われたファンクのイベントに行った時のこと。 同行した日本橋店スタッフの花田は会場に入る前に底の薄いヒールがぺったんこのバレエシューズに履き替えた。 フロアで花田はミズスマシのように軽やかに足を滑らしながらステップを踏む。 その隣で僕はズンドコ踊り。 花田曰く「酔っ払いながらこれ履いて踊ると気持ち良い」 なるほどである。 オドルトキモチイイ ハードコアなダンサーでなくても少しだけ靴に気を使うべきなのである。 ノーザンソウル周辺のイベントではバレエシューズに履き替えている人が結構多い。 ゲンズブールやバルドーが履いていたレペットのバレエシューズが有名だが他にも色々あるようだ。 そこのところはこちらを見てほしい。 http://ameblo.jp/nuderestaurant/entry-11184847791.html うまく踊れる踊れないは天性のものかもしれないが気持ち良く踊れるかどうかは心の持ちようと工夫次第。 ゴム底は滑らなくて踊りにくいと思うし、第一スニーカーではテンションが上がらない。 固めの革底の靴が好ましいが、あまり高価な靴だとダンスフロアーには気が引けてしまう。 ハードでアクロバティックなダンスをするのでなければ僕はハルタのドクターシューズをお勧めする。 スリッパに踵がくっついたような感じで薄く固めのウレタンソールの靴。 主にお医者さんや僧侶が履くもの(笑)だそうで、独特の形状が脱ぎ履きしやすく、往診や檀家周りに最適との事。 東京タワーの基礎工事が着工された昭和30年に発売され、今だに作り続けられている隠れヒット作だ。 この靴、ファッション業界で別段見向きされることもなく、イマドキのワカモノにはジジ臭く感じるかも知れないが、これがなかなかカッコ良いのである。 丸過ぎずトンガリ過ぎずのシェイプもモダンで、GUCCIあたりが真似ても不思議でないと僕は思っている。 バックリと割れたV字開口は靴下が良く見えるから、この靴を履く時は靴下も絶対に手を抜けない。 すこし派手めの靴下を選びコンビシューズの様な雰囲気を楽しむのも良しである。 薄く固めのソールが適度に滑ってくれるので、ダンスには持ってこいだし、第一安い。 ちょうちん袖のシャツにソウルパンツのソウルトレインスタイルにも、コンポラスーツやチキンスラックスのジェイムズ・ブラウンスタイルにも似合うし、不良アイヴィーのマストであるコブラヴァンプ以上に黒人度は増す。 |
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左上:チャコットバレエシューズ 右上:ハルタドクターシューズ 左下:リーガルコブラヴァンプ 右下:レペットJAZZ |
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“なのにあなたは京都にゆくの” CRAZY KEN BAND TOUR “Flying Saucer 2013” Part ? 最新にして最高のブランニューアルバム『フライングソーサー』を引っ提げ東洋一のサウンドマシーン“クレイジーケンバンド”が京都劇場にやってきた。 ここのところクレイジーケンバンド ライブ観戦のメンツは固定化していてチーム“ハゲとナデ肩”+目ヂカラのあるナオンで京都プチ観光も兼ねて昼前に京都駅に集合と相成った。 京都プチ観光のテーマはズバリ“007は2度死ぬ”。 間違った東洋感とボンドカー トヨタ2000GTの流線型のシェイプを追い求め、いにしえの京都をほっつき歩こうという趣向である。 とりあえずメシということで我々が向かった先は喫茶マドラグ。 お目当ては巨大な玉子サンド。 関西の玉子サンドはゆで卵でなく玉子焼きが定説だか、今ではそんな玉子サンドもめっきり少なくなり絶滅危惧メニューとなっている。 で、ここは玉子焼きの玉子サンドが食べれる店として有名だが、その辺の喫茶店のサンドイッチを想像していると、あまりの巨大さに面食らうだろう。 上品でチャーミングな味とフワフワの玉子焼きとフカフカの食パンが幸せな気持ちにさせてくれる。 2皿頼んで3人でシェアするが、4切れ×2で8切れということで3人で割り切れない。 ここは若手のナデ肩が身を引き、ハゲと目ヂカラのあるナオンが3切れづつナデ肩が2切れを食べた。 凄いボリュ〜ム!お腹いっぱ〜い!もう充分過ぎ〜!と、はしゃぎ満足するハゲと目ヂカラのあるナオン。 店の佇まいも素晴らしく、昭和モダンなスタイルと絶品の喫茶メニューはいつまでも存続して頂きたいと切に願う。 その後、祇園の八坂さんを参拝し、木屋町恵比須444と言うナイスな所在地にあるなじみの服屋をひやかす。 古い料理屋の店構えをそのまま使った店内には、売れ筋から遠く離れたオッサン臭い服が並ぶ光景にグッとくる。 この店の服がいかに素晴らしいかを店員相手に熱く語り、そして何も買わずに店を出る…南無〜。 なじみの服屋からすぐ側の、高瀬川のほとりにあるキルフェボンというケーキ屋さんでイチジクやら柿のケーキを頬張るが、お上品な奥様方ばかりの店内で明らかにチーム“ハゲとナデ肩”は浮いていた。 木屋町からタクシーを飛ばし、東山の東福寺を拝観する。 ストイックでシャープな市松模様の意匠の庭園に一同息を飲む。 クラシックも古典も突き詰めるとモダンと同意となることを実感する。 日も暮れだし、待ちに待ったクレイジーケンバンドのショーの開場時間が近づいてきた。 京都駅に戻りたかばしの古典的ラーメン屋で早めの夕飯を取る。 それにしてもなんだろうか、この京都の普通のラーメンは絶品だと思う。 昨今のやたら能書きだらけで気合入りまくりのラーメン店には辟易するが、皆さんそー思いませんか? ここのラーメン屋のトイレは地下にあり、やたら狭い階段を降りてトイレにたどり着く頃には靴底は油でヌルヌルになる。 ノーザンソウルシーンではテンカフンを靴底にまぶすのだが、我々は靴底にラードを塗りクレイジーケンバンドで踊る。 言い忘れていたが我々の足元は、バンドの強力無比なグルーヴを受け止めるためのとっておきのダンス仕様となっている。 目ヂカラのあるナオンはレペットJAZZ!ナデ肩はコブラヴァンプ、そしてハゲのドクターシューズ。 プチ京都観光を満喫しお腹も膨れたところで、そろそろ開場の時間となった。 緞帳が開き、ラテン歌謡なロックナンバーフライングソーサーでショーはスタートする。 クレイジーケンの登場ですでに会場は沸点に達する。 この始まりが好き。 〜以下、会場を物凄い音楽の渦が包む怒涛の3時間…。 嬉しかったのは今回のツアーで京都劇場限定の楽曲「京都野郎」。 人力+打ち込みでボトムを強化し、都々逸〜小唄とジェームス・ボンドを落とし込んだご当地ソングの難しいニュアンスも上手く実演していた。 今や世界一の安定感と言えるヘビー級のJBメドレーはレディマスタングから繋がれる かなり繊細なことを各々が行い、それが積み重なることで豪快に雪崩のように転がり進む感じがたまらない。 ベストトラックはシフトチェンジか。 クレイジーケンバンド史上最もカッコ良いと思えるベースラインをCD以上のクオリティで堪能出来た。 これまでのライブからすると、かなり大人っぽく艶のある曲構成で、破綻と無縁の余裕シャクシャクの演奏陣が印象的。 クレイジーケンの歌唱やトークはこれまで以上に古典芸能度が増して冴え渡る。 今クレイジーケンは、最盛期のトムジョーンズやフリオイグリシアスかセルジオメンデス辺りと同じ地平に立っている様な気がする。 最後はクレイジーケンバンド史上最も大仰な楽曲「男の滑走路」〜「地球が一回転する間に」2連発でショーを締めくくる。 澄み切った青空に掛かった虹のアーチを大型ジェットが悠々とくぐり抜け、色とりどりの無数の風船が天を埋め尽くし妖精が舞い踊る、めくるめく音楽の万華鏡。 エンディングSE「よくあることさ」トムジョーンズが流れメンバーがひとりずつ捌けて客電が灯りショーは終わりとなる。 最後の怒涛の音楽万華鏡にクレイジーケンバンドの新境地を見た想いがする。 三者三様、とっておきのダンス仕様の足元で固め、お気に入りの音楽に身を委ねる秋の京都の一日がこれで終わる。 本当なら〆にちょっと一杯行きたいところだが、電車の時間を気にしつつ、各々の家路に就いた。 日本橋店:渡辺正 |