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新開発のヘッドホン
ハイファイ堂メールマガジン第693号 日本橋店
つい先日まで寒い寒いと言っていたのが信じられないほど、日中はぽかぽかしてきました。
お久しぶりです、日本橋店の永井と申します。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
さて今回は「新開発のヘッドホン」についてお話ししたいと思います。
数々の種類があるヘッドホン/イヤホンですが、皆さんはどのようなモデルをご愛用されていますか?「このモデルでないとダメ!」というこだわりを各々持っておられると思います。私はここ何年かBluetoothイヤホンの便利さに惹かれ、いくつか使ってきました。今では「やっと現れた真打ち」的なApple社のAirPodsを主に使っております。しかし、外出時の携帯プレーヤー用としてはとても満足していますが、じっくりと音楽を楽しむには、やはり家のスピーカーで聴きたいと思います。これは、音をただ耳に入れる音声情報として聴くのではなく「良い音に包まれたい」という気持ちがあるからです。今回は、耳に装着するヘッドホン/イヤホンとスピーカーの本質的な違いは?というようなことを、改めて考えさせられるトピックをご紹介します。
「ヘッドホンでのリスニングにおいても、“リスニングルームのスピーカーで聴いているような音場と定位”を再現する、
独自の頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」
JVCケンウッド社プレリリース
頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」
https://www.jvckenwood.com/press/2017/03/press_170314.html
これは、JVCケンウッド社が2017年4月に新開発を発表したヘッドホン再生技術で、簡単にいうと「ヘッドホンでもスピーカーで聴いているような音場と定位を得られる」というものです。
たしかに耳に付けるヘッドホン/イヤホンはより細かく音を楽しめますが、左右の耳から直で入った音信号が頭の中で定位するので、特に大きなスピーカーなどで感じられる音の広がりなどは再現出来ません。普段私たちはあまり意識していませんが、ある程度の大きさのスピーカーを適切な距離を置いて聴くときに、音の面積や位置の感覚を味わっています。ヘッドホン/イヤホンからの直接耳に入る音信号は、いくら定位や残響音などがしっかりとしていても、スピーカーで聴くときよりストレートに入ってくるので、そういった距離感が出にくいのだと思います。
この”頭外定位音場処理技術「EXOFIELD(エクソフィールド)」”を開発者のお1人はヘッドホンが苦手で、「苦手な人が考えるヘッドホン再生を追求する」ところからこの技術を思いついたのだそうです。
詳しくはこのAV Watchの記事「
http://av.watch.impress.co.jp/docs/news/1048738.html
」などを読んでいただきたいのですが、
・リスニングルームに置いたブックシェルフスピーカーから出た音場を
・聴診器のような形状の「耳内音響マイクシステム」を耳に装着して測定
・その上からヘッドホンを付けてヘッドホンから出る音も測定
・その2つの測定結果を計算して「“スピーカー再生音場”のサウンドから、“それをヘッドフォンで聴く事の影響”を排除」
といった手順を踏んで設計されたこのEXOFIELDヘッドホンを付けて音楽を聴くと、
「キチンと音が離れた場所から聴こえる。音がする場所と、自分との間に距離が感じられる。」とレポートされています。
そして、こういった測定結果には個人差もでてくるので厳密するには「個人特性の計測」も必要なようで、今までのヘッドホンはその辺りを「全体の予測される平均値」にしていたとのこと。その点EXOFIELDのシステムは1人1人のデータをきちんと実測/処理出来て、それに基づいた音楽データを作るというところがすごいところだと思います。どんどん進化するデジタル音源/ハイレゾの世界でも、その情報量からより細かく表現される「音場/定位」が、もっとすごい臨場感で楽しめるようになるかもしれません。今まで体験したことがない、どんなヘッドホンサウンドが聴けるのでしょうか。
加えて今回、「往年の人気ブランド “Victor” を復活させ、EXOFIELDを同ブランドの新型ヘッドホンに搭載する方針」との発表も!今後の動向がとても楽しみですね。
このメルマガを書いているのが、2017年5月の1週め。「EXOFIELDは現在、5月12日の正式発表に向けて開発を進めている。」とのことなので、来週にはもっと詳しい情報が出ていると思います。要チェックです!(※今のところ専用のスマホアプリで聴けるようなシステムとして発表されるようです。)
ではまた!
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