先日のことですが、TRIO/KT-9900を買っていただいたお客様と、しばしチューナーについて談笑しておりました。バリコンチューナーは良い音しますよねっていう話しから、話題はラジオ放送そのものにいつのまにやら移りました。しばらくは和やかな会話でしたが、NHK-FMの話をしている途中から、どうもお客様の様子がおかしい、、、。明らかに引いてる様子、、、。どうやら私はNHK-FMマニアだったようです。(それまで自覚はありませんでした。)それでお客様はどうもその話題について行けなかったようでした。トホホ。大須店の佐々木です。 |
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今回はそんな私がお勧めのNHK-FMの番組をご紹介したいと思います。引かれない程度に。 |
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まずは、ロック好きのかたにお勧めしたいのが土曜日午前7:20〜9:00のウィークエンドサンシャイン。 http://www.nhk.or.jp/fm/sunshine/ |
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DJはピーターバラカンさんです。 |
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NHK-FMには某有名ロック評論家の番組なんかもありますが、ウィークエンドサンシャインが一番好きです。ロックに限らず、ワールドミュージック全般を扱うので懐が深いのがいいです。この番組でレッドツェッペリンのロバートプラントがかなり本格的なインド音楽を演奏している音源を放送した事があって、その非コマーシャル性に衝撃を受けた思い出があります。他にもニーナ・シモンが亡くなった時には追悼番組を放送してまして、彼女の存在を知るきっかけとなりました。この番組の良い所は日本の音楽業界のコマーシャルとは関係ない所です。ピーターバラカンさんの独自のセレクトセンスが凄く良いです。 |
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洋楽に続きまして、邦楽は月曜日午後4:00〜5:20の、つのだ☆ひろのミュージックプラザがお勧めです。 http://www.nhk.or.jp/fm/mp/ メーリージェーンのヒット曲で有名な、つのだ☆ひろさんですが、実は凄腕のセッションドラマーで、日本の歌謡曲シーンの裏側を支えてきた人物だけが知りうる情報と愛情溢れる選曲が素晴らしいです。GSものとかアイドルソングの隠れた名曲とかバンバンかかります。 マニアック過ぎず、かといってベタ過ぎもしないセンスが良いです。つのだ☆ひろさんのセッションミュージシャン時代の経験談も興味深いです。山崎ハコのバックバンドだった時には彼女の曲があまりにも悲しくて、涙を流しながらドラムを叩いたというエピソードが忘れられません。この番組ではTVでの面白おじさんミュージシャンのイメージとはまた違ったプロフェッショナルな、つのだ☆ひろさんを垣間みることができます。 |
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もちろん定番のN響演奏会などクラシックは充実してます。他にも実はワールドミュージックも充実してます。 個人的には「邦楽のひととき」(月曜〜水曜午前11:00〜11:30)と「現代の音楽」(日曜午後6:00〜6:50)はお勧めです。なかなか聴く機会の少ない純邦楽と現代音楽はここで押さえておきたい。 |
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ハイファイ堂的には、5分間のサウンドトリップ「音の風景」は外せないでしょう。 http://www.nhk.or.jp/oto/ フィールドレコーディングの番組です。日本の四季折々の風景が、音声のみだからこそより豊かに感じることができます。是非CDBOX化して欲しい番組です。 |
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続きまして、残念ながら終了してしまっていますが「ポップスライブラリー」という番組をご紹介します。 2001年4月から2005年3月25日まで、毎週平日の24:20〜25:00に、エッセイや小説を週替わりで俳優やタレントが朗読する形式で放送されていました。朗読の合間にはイージーリスニングやフュージョンなどの音楽を中心に、時にはJ-POPからオルタナティブロックなども流されていまして、それがこの番組の大きな特徴ともなっていました。 言葉では魅力を伝え難いのですが、まずこの番組はフォープレイの101Eastbound(ファーストアルバムの2曲目です。)がテーマ曲で始まります。この曲をバックに朗読を担当する俳優自身による、決まったナレーションが入ります。 「知らない間に時は目の前を通り過ぎて行きます。慌ただしい一日のなかで、今、心と身体を解きほぐし、自分だけの時間を取り戻してみませんか。素敵な本をひも解いて、あなたに。胸がときめく新しい出会い。心の片隅にしまい忘れた懐かしい思い出。時を越え、安らぎの世界へといざなう。ポップスライブラリー、☆☆☆です。」 朗読する俳優さんは毎回異なり、有名な芸能人の場合も多々ありました。自分の記憶にあるのは今井美樹さん、木村多江さんとか別所哲也さんとか。ラジオドラマではなくてあくまで朗読なのがポイントでした。40分の間に三回ブレイクタイムがあって、その時に曲が掛かります。 |
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安易な言葉ですが、この番組で、ものすごく癒されました。朗読など普段あまり聴く機会はないので、なおさら貴重な番組でした。終わってしまったのはとても残念です。 実は数年前にテレビのアナログ放送と似た様な経緯でNHK-FMそのものの存続も危ぶまれた時期があったのですが、最近はその手の話を聞かなくなったので、どうやら立ち消えになったようで、ホッとしてます。現在でも重要なメディアには違いないし、まだまだ紹介しきれないほど面白い番組があります。テレビが面白くないと言われている時代なので、あらためてラジオを聴くっていうのも良いのではないでしょうか。 |
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Sputniko! - Google Song スプツニ子!「グーグルのうた」 http://www.youtube.com/watch?v=IoYcp5xbEzc&feature=relmfu |
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ポップスライブラリーにあやかって曲を挟んでみました。そして今回のメルマガはまだまだ続きます。 |
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さて、大須本店の2階は現在、真空管アンプが豊富です。様々なセットに組み込んで鳴らしております。 |
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まずは、階段あがってすぐ左の棚にはひっそりとモノラル真空管チューナーを設置。もちろんNHK-FMを放送中です。 |
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TRIO/FM-30真空管式モノラルFMチューナー(\55,000)に、 |
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ウェスタンの100F(\59,800)というなんか贅沢な組み合わせ。 |
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FMのステレオは、実は、チューナーによってステレオに変換されているので、モノラルチューナーのほうがより自然な音がするらしいです。 |
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そして2階フロアーは、「CDが登場してから発売された真空管アンプ達」をフューチャーしています。 例えばJBLなら4312や4343、4344などのモニタースピーカーにCD時代以降の真空管アンプを組み合わせると相性が良いことがわかってきました。 モニタースピーカーはスタジオなんかで録音の粗探しに使われたりするので、悪い音もしっかりと聴こえるように設計されています。すると音楽鑑賞という意味合いでは適切とは言い切れない部分があると思うのです。良い音も悪い音も分け隔てなく鳴る。そういうモニタースピーカーの性格を修正するには、真空管アンプがもってこいなんです。 |
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とはいえヴィンテージの真空管アンプだと、モニタースピーカーの再現力を損なう結果となりがちです。また同時代のヴィンテージスピーカーとは能率の違いもあって、出力不足に陥るかもしれません。その点、CD時代以降の真空管アンプは性能も向上しているのか、きっちり鳴ってくれます。大型の物なら特にKT88系の球をお勧めします。 |
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具体的には、 QUAD2 classic/KT66使用 15WながらTANNOYのBuckingham Monitorを楽々鳴らします。 |
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SPARK 530/KT100使用 マッキントッシュを凌駕する太くて潤沢ある中低域とレヴィンソンの緊張感ある中高域に肉薄するサウンド。中国メーカーということもあって、日本ではブランド力では劣りますが、そのおかげで中古価格は79,800円となんとお買い得。4343、4344、4312などにお勧めです。未聴ですがKT88に変更された530Nというモデルもあります。 |
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そして現在、実際に大須店2階でセットされているのはCONRAD JOHNSONのプリとパワーのセパレートを4344にあわせた組み合わせです。球は6550を使用。 |
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ものすごく大雑把にいって、音を良くするには2つの方法があると思います。1つは徹底的にノイズを無くして行く方法です。もう一つはノイズを良い音に変えてやる方法です。真空管アンプを使うのは後者だと思います。そして、私がお勧めするのも後者です。なぜならそれは現実に即した方法だからです。 後者の方法をもう少しやんわりと言うなら、ノイズを目立たなくするということです。それはけっしてノイズを無くして行くことではありません。私にはノイズを無くして行く方法の行き着いた先に、良い結果があるとはどうしても思えないのです。なぜなら現実にはノイズが無い世界など、そもそもありえませんので。 |
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Shpongle - Divine Moments of Truth http://www.youtube.com/watch?v=AA9Lru5_nvo |
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続きまして、大須店2階の私の一押しセットをご紹介します。 |
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・スピーカー TANNOY/GRF TYPE(DU316)288,000円 ・レコードプレーヤー EMPIRE/398 150,000円 ・CDプレーヤー DENON/DCD-1550AR 54,800円 ・プリメインアンプ(真空管) FISHER/X-100 128,000円 合計 620,800円 |
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クラシカルな外観から期待通りの上品なサウンドを奏でてくれます。DU316を搭載したこのスピーカーはARDEN等と比べるとTANNOY特有の付帯音がしつこくなく、音がぼやけずに清々しい音を出します。 FISHERのプリメインアンプはいかにもヴィンテージな外観が、このセットと雰囲気がよく合っていると思います。音の方もプリメインだけにバランス良くまとまっていて響きが美しいです。特に室内楽における各楽器のハーモニーを堪能出来ます。出力管は6BQ5です。 レコードプレーヤーはベルト駆動でクラシカルなデザインのEMPIRE、CDプレーヤーはゴールドの上品な色合いと落ち着いたサウンドのDCD-1550ARを選んでみました。 全体として、実に自然なバランスと響きが素晴らしいセットになっています。是非、ご試聴にお越し下さい。 |
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シカラムータ-不屈の民 http://www.youtube.com/watch?v=Pun2qDS1vak&feature=related |
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最後はまたNHK−FMのお話に戻りまして、ポップスライブラリーのエンディングのナレーションをご紹介して終わります。(エンディングテーマはVictor WootenのJoe's Journeyでした。) 「今日一日に、さよなら、という前に伝えておきたいことがあります。数々の思い出を、ありがとう。また明日、新しい思い出が誕生します。」 佐々木二朗でした。 |