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あけましておめでとうございます。大須本店の佐々木二朗です。
最近の気になるニュース↓
sonyがついにaiboのサポートを終了すると発表。
aiboは1999年にsonyから発売され、今までにないペットロボットとして日本の家庭を癒し続けてきた。
記念すべき第1作目はERS-110として日本市場に投入され、毎年改良したモデルが投入されてきたが、2004年にSONYはロボット事業からの撤退を表明し、2005年にエレクトロニクス部門の縮小策として生産終了となった。
一番の特徴は飼い主とのコミュニケーションで成長するようにプログラムされていることである。
aiboの名前は、Artificial Intelligence roBOt の略で、AI(人工知能)、EYE(目、視覚)そして「相棒(aibou)」にちなむことらしい
*
http://dot.asahi.com/aera/2014072800041.html?page=1
我々もオーディオという機械を扱ってます。修理の問題、機械に対する愛情の問題など、このAIBOの問題は非常に身近に感じます。
このニュースで印象的だったのは、AIBOユーザーが「ロボットのペットは機械だから死なないと思っていた。」と語っていたところです。というのも、「オーディオはペットのようにお守りが必要」というような旨をお客様にご説明する場合があるからです。
我々が扱うオーディオですが、ヴィンテージな代物になればなるほど維持にお金も労力も必要です。まるでペットに愛情を注ぐかのように扱う必要性もあります。この、「ただの機械ではない」事をご理解していただけるかどうかで、お勧めできる商品もずいぶん変わります。
機械と生物の違いについて、我々は昔から色んな形で考え、論じてきました。哲学者の観点から言えば機械と生物の違いは、間違えるか否か、という点であり、実際機械を生物に近づけるなら「わざと間違える機能」が必要になる、ようです。
ブレードランナーという映画があります。1982年のSF映画です。
この映画の中で登場する人造人間は人間と敵対しています。容赦なく殺戮を繰り返す残忍な性格だった人造人間ですが、ある時、命の尊さに気付き、人間を助けます。人間らしい慈悲の心に目覚めるのです。その変化は人造人間が自らの寿命に気付いた時に起こりました。
AIBOもサポート期間が終了し、直すことができなくなるということは、寿命のようなものが生まれたと考えることもできます。寿命があるからこそ、よりユーザーのAIBOへの愛情が増したのではないか、と想像することは難しくありません。
寿命という不利益なものが、愛情へと姿を変えるのです。
さて、前回のメルマガでは小島がノイズと良い音の関係について語っています。
http://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/150109/index.html
これも不利益なこと(=ノイズ)が愛情(=良い音)へと変わる一例です。
テープデッキのノイズについて、補足。
テープデッキの「サー」というノイズは一般的にはヒスノイズと言われます。ヒスノイズは磁気テープ表面の磁性体が不均一なために起こるのですが、この「サー」と言う音、いわゆるホワイトノイズというノイズと音が似ています。
ノイズにも名前がありまして主に周波数の特性から名付けられます。例えばピンクノイズは同じ周波数成分を持つ光がピンク色に見えることからピンクノイズと呼ばれます。
同じようにホワイトノイズとは全ての周波数を含んだ音のことであり、全ての周波数を含んだ光が白色であることからその表現を借りたものです。
テープのヒスノイズ(ホワイトノイズ)が良い音にする原因ではないだろうか?というのはつまり、全周波数帯域を含んだノイズが音楽に乗ることにより、倍音が擬似的に増すような効果が得られるのではないか?という、あくまでただの仮説です。しかしこの効果、22khz以上の周波数を省略しているCDを元ソースにしてテープに録音し直してやると、より効果が感じられます。ホワイトノイズが失われた周波数帯を擬似的に復元するのではないか、、、。
また、全ての色の絵の具を混ぜると黒色になります。全ての周波数を含んだホワイトノイズは音の影のような存在で、音楽に陰影という名のリアリティーを増してくれるのではないか、、、などと妄想が尽きません。
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