大須本店の及川です。 先日ニュースで見ましたが、愛知県の豊田市美術館でジブリの立体建造物展が開催されているそうです(〜9/25まで)。 「部分を見れば全体が見える」だそうで、作品中では見えなかった建物の裏側まで360度見えるようになっているそうです。 また、その番組ではある建物(どの建物かは聞き逃しました)の瓦には、通常家紋が入る場所にトトロのマークが入っているなど、 小さい発見が随所に散りばめられているそうです。 今回はそのジブリ繋がりで個人的にも好きな作曲家の久石譲さんのアルバムで店頭のセットの聴き比べ1本勝負をしてみました。 最後までお付き合い下さい。 |
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今回試聴で使用するアルバムは久石譲のENCORE。2002年発売の自身初のピアノソロアルバム。 あえてピアノのみにフォーカスし、店舗でピアノのみのこのアルバムを鳴らすにあたって最も良いセットを探してみたいと思います! ジブリ繋がり(縛り?)の為、試聴曲も絞ってみました。 -One Summer's Day(千と千尋の神隠し) -The Sixth Station(千と千尋の神隠し) -Ashitaka and San(もののけ姫) |
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個人的には捨て曲がないアルバムで、メロディが兎にも角にも美しい! ラピュタも入っていれば良かったんですがこのアルバムに入っていないので残念ながらそのあたりは今回は除外します。 この3曲の中でのイチオシはアシタカとサン。 メロディラインが綺麗で癒されます! |
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まず1セット目。店頭に入るとお出迎えしてくれるド定番セット。 今回は大好きなアナログの活躍はありませんが一応紹介だけ入れておきます。 レコードプレーヤー THORENS TD-126MK3+MCH 63 CDプレーヤー DENON DCD-3500 コントロールアンプ McIntosh C28 パワーアンプ McIntosh MC2105 スピーカー JBL 4344 |
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JBLのスタジオモニターとマッキンコンビの王道アメリカンセット。 バスドラがずしんと重たく、ベースラインもゴリっと太くジャズやロックをパンチのある濃い味で楽しめるセットです。 一見あまりばりばりの得意分野ではなさそうですがさてさて。。。。 口径の大きさが良く出ており、しっかりとした太い低域に支えられバランスが良いと感じました。 音場も思ったより広く、音の余韻もいい感じです。 音が体にぶつかってくる感じのJBLの印象でしたが意外にこのソースではふわっと音の広がりも感じられ、 いつもと違う一面が垣間見れた気がしました。 ただ、低域がややボケる印象。もう少しパワフルなアンプにするとさらにビシッとしまった低域になるかと思いました。 |
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2セット目は入り口の2トップの一角、ヤマハセット。 レコードプレーヤー DENON DP-50M CDプレーヤー DENON DCD-1650GL プリメインアンプ YAMAHA CA-2000 スピーカー YAMAHA NS-2000 |
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後程紹介のNS-1000Mの上位機種のNS-2000とCA-2000という当時のヤマハナチュラルサウンドのコンビ。繊細で透明感のある音色。本当にいい仕事してます。 やはりピアノといえばヤマハかなという印象通り、うまく鳴っています。 高域の伸び、広がりも文句無し。 4344のセットが広い部屋のような感じだとすると、こっちはホールのような感じ。 懸念していた高域のキツさも気にならず、変な硬さはなく芯のある音色。 余韻もしっかり描かれており、目を閉じるとピアノと1対1になったような錯覚を覚えます。 |
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3セット目はサッカーのミッドフィルダーポジションに位置するこちら。 YAMAHA GT-750 SONY CDP-X333ES YAMAHA C-2 YAMAHA B-2 YAMAHA NS-1000M |
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NS-1000M後継機のNS-5000の登場でホットなヤマハのベストセラー、顔と言えるモデルNS-1000Mと同社セパレートの豪華な組み合わせです。 こっちもヤマハサウンドですがNS-2000のセットよりも透明感が強く、本当に何処までも澄み渡る高域。 あまりに綺麗すぎて少し切なくなってしまいました。 高域のキレはピカイチです。 当時のヤマハがピアノが一番ピアノらしく鳴るように開発しただけあり、他のスピーカーよりもピアノの音色に関しては1歩抜きん出ていると思いました。 NS-2000のウーファー33cmに対しこっちは30cmプラスキャビの大きさもあると思いますが、低域の量感がやや少なめでハイ寄りの印象です。 |
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続いての手頃なサイズのセット。 DENON DP-60L DENON DCD-1630 LUXMAN SQ38F JBL 4312 |
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真空管アンプならではの自然な余韻がよく出ていますが、ヤマハセットの後に試聴したせいか音が繋がっている印象を受けました。 太く安定感がありゆったり聴ける印象ですがやや物足りない感が否めません。 悪くはないんですが、うーんイマイチ。 JBLはやはりピアノソロと違うソース、ピアノトリオとかトランペットとかサックスの方が良いです。 |
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続いてはこのセットです。 Technics SL-2000 PHILIPS LHH200R marantz model 7 LUXMAN MQ60 TANNOY Rectangular York |
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角のない柔らかで厚みのある音色。今回のセット中で最も優しいです。ジェントル。 反則とも言えるオリジナルのmodel 7の力技か、繊細さが感じられながらもまったく嫌な音がしません。 いつまでもこの音に浸っていたいと思わせる懐深さ。 同軸の定位のよさ、自然な鳴り方も好みです。 ふわっと音に包まれるような感覚でした。 |
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最後はQUADのセット。 DENON DCD-1650RE QUAD 33 QUAD 303 QUAD ESL |
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タンノイとは一味違うブリティッシュサウンド。 世界初のコンデンサースピーカーから放たれる独特の世界。 タンノイがふわっと音に包まれるようだとすると、クオードは足元から音が溢れ出るというか湧き上がってくる感じ。 奥行きもあり、本当に暖かい音色。鍵盤を叩くタッチも心なしか柔らかいような気がしてきます。 落ち着きがあり上品な鳴り方ですが肩肘張らずにゆったりと聞けます。 バイオリンやチェロ等弦の音色と相性の良いセットですがピアノもなかなかです。 透明感も残しつつしなやかで音の消えゆく余韻も綺麗。 タンノイはクオードと比べると音の分離が今一歩で音がごちゃっとなるところがありましたがクオードはちょうどいい! 多くもなく足りなくもなく、本当に適度で絶妙な匙加減。 |
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6セットほど試してみましたが、やはりピアノがピアノらしく鳴っていたのはヤマハの2強でした。 高域のキレ、透明感、余韻。 うーんさすがベリリウム。 ただ、長く聞いているとちょっと高域のキツさが気になります。 一方イギリス組はどちらもその点、長く聞いていても疲れない優しい音色が対照的でした。 ファーストインパクトはヤマハほど派手ではありませんが聴けば聴くほど引き込まれるような、そんなカラーの違いがありました。 アメリカ勢はピアノのみというソースとの相性があまり良くないように思います。 ピアノトリオならまた違った結果になったと思います。 それでは独断と偏見の結果発表です! 優勝 QUADセット 2位 NS-2000セット 3位 NS-1000Mセット 4位 Rectangular Yorkセット 5位 4344セット 6位 4312セット となりました。 自分でも驚きのリザルト! 予想ではヤマハ勢のワンツーフィニッシュかと思っておりました! 確かにピアノがピアノらしく鳴るという点ではヤマハ強し!でしたが 高域のキツさがやはり気になりました。 このソースは意外にもクオードが一番心地よく、ずっと聴いていたいと思った点の加点で上記の結果となりました。 是非ともNS-5000も交えて再戦あれば面白そうですがいつ実現するのやら… 最後までお付き合いありがとうございました。 |