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私のお宝 「真空管アンプ製作講座」 2005年9月30日 音迷人 第3章:戴きまーす!ワクワク実践篇(その1) 前回までにアンプに関する電気的概要や製作に当たって重要な半田付けについて理解しましたので、いよいよ今回から実践篇です。講座のほうはサン・オーディオのキットを使いますが、皆様方は同じキットの方、別のキットの方、バーチャル?キットの方が居られるわけです。部品の形や位置、値や数はそれぞれ異なりますが、アンプを製作する過程や注意事項は殆ど変りませんので、ご一緒に勉強しましょう。座学で足りなかったことなどその都度入れてゆきます。 |
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いよいよ製作に入りますので、作業スペース、作業台などご準備下さい。当然椅子に座ってやりますから、机の高さか少し低い台が良いでしょう。シャーシが幅36cmその脇に半田ごてスペースや部品置きの適当な広さが必要ですから、少なくとも幅60cm位は欲しいですね。図面資料も身近に置かねばなりません。あ!コーヒーは向うに置いて下さい。半田ごてのコンセント口は出来たら正にテーブルタップが理想。何故なら下に置くとこては軽いので自分のコードの重みで台から床に落ちやすく危険です。タバコも駄目です。夢中になると吸わずにくゆらしてしまい、副流煙で貴方と、アンプをいためます。(+_+)これを機会に断煙しましょう。これ最近の「アンプ道」です。ヤニで汚れた接点なんて・・・。JAZZファンはどうする? |
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それではこのキットを説明書や、配線組立図を見ながら配線してゆきます。工具などについては特に取り上げません。ドライバー、ニッパー、ピンセット、ラジオペンチ、半田ごて、テスター位でしょうか。 1.付属品の「下ごしらえ」 半田付け特別講座で申し上げた方法で下ごしらえをします。(キットでは半田付けのやり方について何も説明がありませんので、音迷人流で「組み立て説明書」の順を少し変えます。) キットの取り付けられているトランスを傷つけないようキャップをつけたまま、シャーシ全体を引っくり返して置き、裏蓋を外します。このときまだ「真空管」は取り付けませんよ。それと重いからスイッチやターミナルの出っ張り部を台に当てないようにしてください。 |
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中は配線組立図?(写真)のような配置になっていますから、トランスのリード線をほぐして表に垂らし、痛めぬよう避けながら取り付け済みの部品端子を端からしっかり「メッキ」してゆきましょう。(2コマ写真) やってみると解るのですが、半田フラックス蒸気、クズなどで結構汚れます。その都度綿棒で掃除しましょう。各部品は当然「正面から見て左右」にあわせて各々並べられていますから、混乱しないようにしてください。 これから先は皆さんが造って行くことが中心ですので、例えばメッキ完了のチェックや、配線済みの印し付けなど「自己管理」を工夫され進めて下さい。“すべての道は「確実」に通ず”です。当然完成後のメンテナンスも考えて、資料保存などもあるわけで、「あなた流」を創造してください。 |
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念のため配線図に即した回路図に朱書き訂正して下記に出しておきます。元のが間違っているのではないのですが、不十分なのです。是非修正されると有難いですね。 回路図で接続のラインがありますがラインの交点に塗りつぶした丸●を付けたところが接続でクロスしているだけのところは接続ではありません。平面事情の約束です。本来T字路は接続です。 白丸○は一般に端子を表します。 |
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ここで真空管のソケットの端子についてお話します。ソケットモールドの中に真空管の足が嵌る端子が均等に植わっています。2A3を除くGT管ソケットではその端子間が開く方向へ花が開くように曲げてください。 入力アース側、ワンポイントアースラグ、VR端子も同様半田付けし易い様に曲げましょう。曲げすぎて短絡しないようにしてください。これから先当然すべての半田付けにおいて、半田が多すぎたり、曲げ過ぎたり、剥きすぎてメッキ部が長かったり、半田の髭や滴りで他と短絡しないようにしてください。 |
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2.組立説明書?のようにトランスのリード線類をまず最初に配線しましょう。切り離した余分なリード線は後で使いますから捨てないでください。 ここでご注意を申し上げますが外部タップ式ではないトランス、すなわち今回のようなリード引き出しタイプでは使わない電圧のリード線が余ってしまいます。サン・オーディオキットの場合真空管を差し替えて、アンプの個性を変えられるようにしてありますので、そのときに必要かも知れませんから、切り詰めずに、ショートしないよう絶縁端末処理をして丸めて置きましょう。トランス全部で6本(PT:2本、2OPT:4本)ありました。これは本来説明書などに明記しなければいけませんね。 配線色ですが、工業的には決まりがあるのですが、私は高圧DC系を赤、100Vや低圧ACは白or黄色、アースは黒or青と勝手に決めています。 ☆PT1次側配線 商用100V・ACソケット、PWスイッチ、ネオンPL、PT、フューズの配線を行います。(写真下)ネオン管は電圧が来ると点灯しますから、PTリード線黄色側に付けてください。AC100Vホッと側ですと点きっ放しになります。 フューズ配線のときは万一熱でフューズを切らない為、フューズプラグを抜いてから半田付けしてください。 ☆整流管まわりを仕上げます。プレート配線を忘れないこと。パイ形整流回路のブロックコンデンサーとCHをつなぎます(B電源と言います)。 ☆5本の真空管のヒーター配線を行います。ヒーター配線はこのキットは交流点火なので、リード線を「行き・帰り」で電磁誘導を打ち消しあうように捻り合わせます。配線図ほどキリリとは捻じれませんがあまりルーズにはしないで、シャーシに這うように配線してください。そして色と行き先を間違えないでください。 是非写真を参照してください。 ☆この辺で一気にアース配線をしましょう。ここではアース線を黒く塗りましたが、シャーシーと別に回路のアースを浮かせて引き回します。そしてある1点でシャーシーに落とします。(ワンポイントアース)こうするとループ回路が出来ず誘導ハムノイズやサージノイズに強くなります。このポイントはどこが良いかを論理的に割り出す方法を知りませんが、一般的には入力の近くが多いようです。どなたかご指導いただけませんか?このキットでは左入力の側にあります。外部アースターミナルですね。 アース線はいろいろな電流が流れますので太めのリード線が良いのです。キットには黒リード線でちゃんと入っていました。スピーカー周りと入力部のアース部に裸単線を使います。 ☆出力管2本まわりとOPT1次側をつなぎます。OPT2次側と出力ターミナルを接続しましょう。私は黄色の8オームを選びました。使用されるスピーカーに合わせてください。 ☆増幅管2本と電源系、ラグ端子周りの配線をしましょう。 |
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一番遠い6SN7のヒーター配線で紫のリードがたまたま?短めであったのと、増幅段グリッド配線がヒーターとクロスしているので、これを嫌いヒーター配線ルートを写真のように変えました。ノイズにおいて吉と出るか、凶と出るか?(定量的な話で無く恥ずかしいのですが、「・・危うきに近寄らず」です) |
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☆この項最後の入力ピンからVRを経てグリッドに行く信号線にかかりましょう。ここは信号線をノイズから守るシールドタイプのコードを使います。今までのリード線とは端末処理の違いが有りますので、以下に取り上げます。 シールド線は一般に芯線をアース線になる網線で覆ってあり、絶縁材で包んであります。シールド線の端から15〜20mm位(信号ホット端子とアース端子間で届くように)のところでナイフを一周、網線を切らないように薄く入れて被覆を剥がします。網線にピンセットなどで隙間を開き芯線を引き出し分離。芯線を5mmほど剥いたら「下ごしらえ」します。(処理写真4枚) 網線もねじり上げて先のほうだけを「下ごしらえ」しフレキシブルにしておいてください。そして芯線とショートしないことを確認してください。各々長さを現物あわせで測って切り分け端末処理をしては接続してゆきましょう。尚グリッド側は芯線のみでアースはVR側に任せます。 付属のシールド線は芯線が細くその被服のテフロンが硬く自由には曲がりません。特性を狙ってのことでしょうが、配線図のように器用なルートで配線できませんし、半田上げ後にストレスが芯線に掛かっています。経年変化で断線する心配があります。検討して頂きたいですね。 |
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3.配線確認 配線順は上記☆の通りでなくても結構です。配線図を見て下から奥からやってゆきましょう。交流部と直流部が出来るだけ並進したり近づかないようにしてください。 以上で配線組立図?の範囲を終わります。各々の部位の写真をすべて掲載しませんが、全体写真を見て同様にきちんと仕上げてください。ここまで来ると抵抗などの部品は未だですが、かなりそれらしく成って来ました。しかし音迷人の配線は暫くぶりとは言え下手くそですなー。 次の段階では部品が乗ってきますから、リード線類はいじれません。配線組立図を見て回路図にチェックを入れながら配線ミスや漏れが無いことを納得行くまで確認しましょう。 この辺で「コーヒーが入りましたよ!」なんて言われたら最高ですね。 |
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ここまでの出来は如何でしょうか?アドリブで変更したところも有りますが、このように考えたりする自分流も楽しみの一つですね。漸くここまでたどり着きました。始める前はさほどと思っていた老眼の悪さが想像以上に効率悪化や半田上げの悪さになってしまいました。パソコン交換、デジカメ準備なども重なり、締め切りと競争しておりハイファイ堂の方にも迷惑かけているようです。 さて予定より1回増えてしまい申し訳ありませんが、抵抗などの配線は次回にします。 つづく |
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