「オーディオ雑談カフェ」 4.〜貧乏人のパソコン応用〜 2006-6-16 音迷人 芍薬も梅雨時の花でしょうか。 |
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良くパソコンに向かってメルマガの名曲アラカルトを書く時など、ウインドウズ・メディアプレーアーを開いてCDを聴き、確認しながら進めます。画面は抽象的な形や色が音楽信号にあわせて踊ります。ある時どんな映像パターンがあるだろうと、手当たり次第見ていましたら、ピンと来る画像に出会いました。それは、プレーアー画面の「プレビュー」字の下に白っぽい小さなボタン「プレビューのオプションを選択」があります。クリックすると「視覚エフェクト」→「バーとウェーブ」でバーを選択すると50素子ほどのバーグラフが音に合わせて踊り出ます。どうも「周波数レベル計」的になっているようです。しかし目盛がありませんので周波数がどれくらいか等解り難いので、次のアイデアでやってみました。 ★何処かのHPの「対数スケールの周波数特性」から目盛部を拝借します。 ★「ペイント」画像処理などで細工し20Hz〜20,000Hzのスケールサイズをプレーヤーのバー幅に合わせます。 ★両画面を縮めて出して重ね、あたかもメータ画面のようにしてデスクトップに配置すれば役に立ちそうです。 日頃聴いているCDや特徴的な音の周波数が概ね何Hzであるかが解りそうです。今までの名曲アラカルトでは楽譜から基音を捉えて話をしていましたが、このバーグラフで見てみるのも良いかも知れません。暫く聴きながら見てみましたが、倍音が相当多く勢力もあるので、数例を見ただけでも再生上で手を抜ける所は正直無さそうですよ。ではいろいろ検証してみましょう。 |
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ペイントで目盛りを造ります。参考になる周波数特性表をコピーしてペイントに貼り付けます。カットアンドトライで20〜20KHzの幅を下の写真のように合わせます。 幅が合った状態で目盛りを保存しておき、チェックのたびに画面を重ねて出せば簡易メータになると思います。 |
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こういう感じの測定器を「グラフィック・アナライザー」とか「スペクトルアナライザー:スペアナ」と言いますね。白い線はピークホールド用でしょうか。ただ縦軸の目盛りが造れませんのでどれほど役に立つか疑問です。まあ使い慣れて傾向を把握するのには役立つと思います。上の写真はピンクノイズの時です。下記に出す写真はメモリとバー以外はトリミングしてお出ししました。それとバーグラフの縦軸の量が不明確ですがノイズやフィルターの特性もあるので大体バー部画面の半分以下は無視してみた方が現実的でしょう。 (尚、本稿、このバージョンでないプレーアーの方には申し訳ありません) |
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それでは具体的な検証例です。本当に対応しているか調べてみました。 (ALT+PrtScでコピーする鮮明な方法をとれば良かったのですが、汗かいている事を知って欲しくてすみません。実はやってみたのですが、画面保存は出来たのに、このメルマガ作成ソフトに入れると表示しませんでした。きっとバー像そのものは違う表示ソフトなのでしょう) 写真左上:31Hzです。フィルターソフト?が甘いのかこういうものか?下の方を見ないで峰を見ればまあ良いでしょう。 写真右上:1KHzです。鋭い峰でピッタリです。 写真横:16KHzです。これもピッタリ。 と言うことで対応していますので十分使えます。 |
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それでは「スタッカート2」の音源で見てみましょう。書いて伝えるのは難しいかと思いますが、想像力を働かせてお付き合い下さい。 ★写真左上:ベンツパテント・モートルワーゲンのアイドリングで「シュッポン・ガシャガシャ」の音です。中低音域、高音域がかなり盛大にあります。エンジン排気音と機械(ギヤ、カム)音の2グループでしょう。 写真右上:ポルシェ956です。中域の勝った音で高い音は減衰しています。ボデー遮音やマフラー効果でしょうか? 写真横:ニワトリです。「コケ」のところです。かなり複雑ですが1K,2K,4K,8K系列、1.25K,2.5K,5K,10K系列があります。不思議な声帯です。コとケが同時に残像的に表示されているのでしょう。メーター表示のスキャンタイムが遅いと言うことでしょうか? |
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同じ低音でも様子が違います。 写真左下はあの低音で有名な「ツアラストラはかく語れリ」の冒頭の低いオルガンです。 写真右下はコントラバスのソナタからです。コントラバスと言えども弦楽器特有の倍音の豊かさは変わりませんね。あのノコギリを引いたようなクィーと言う倍音が4KHz位まで見えます。この場合、基音がスイープの関係で2つぐらい入っているようですが、63Hz〜4KHzde7倍音ぐらいまでは、はっきり解ります。 |
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写真上のは共にオルガン伴奏でソプラノが「アヴェ・マリア」を歌っているものです。左ではオルガンの低音部に乗ってソプラノが穏やかに歌っている部分で、約500,1K,2KHzがソプラノの成分でしょうか。写真右は何だかわかりますか?10KHzにピークがあります。ソプラノが「サンタ・マリア」のサを歌った所です。耳にはそんなに強く聞こえませんが、オーディオ評論家が「サ行」と言う無声音部です。私は既に年で10Kはかなり落ちていますので、7,8K辺りが聞こえているのでしょう。実際に生で聴いているサ行音の軽さを出せるようツイターを検討しましょう。ザジズ的に濁ったりズズ、ブブというような付帯音が入っているのは録、再とも問題です。ボーカルの好きな方はこの事実を知ってツイターを見直しましょう。そもそも音迷人がメルマガに参加するきっかけになった山水のツイターは実に軽い「サ行」を出しています。 メルマガバックナンバー:130号:http://www.hifido.co.jp/logtop.html 又は http://www.hifido.co.jp/merumaga/special2/050527/index.html |
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写真横:ジェリー・ハーマン/フランクフルトデキシランダースでハロードウリーです。中間でハローと歌い出すハの所です。中低音から中高音に特徴が出ています。この辺が重要なのですね。ホーンが合いそうです。アルティック811Bや511Bなんて思い浮かびますね。ハイファイ堂に沢山ありますよ。 |
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以上のようにこの手法は何とか使い物になりそうです。しょっちゅう測定したり、プロ的に記録する必要のある方は本物の測定器を買われるべきでしょう。以前にも書きましたが生を良く聴いて、耳を頼りに追い込んで行こうと決めたので、本物のメーターに頼ってはとかく自己を失いかねません。と言うのもメーターはある特定のポイントでの特性を示す傾向があるからです。このことを忘れずに私のレベルでは良いガイダンスとして2次的に使うことにしましょう。 つづく |
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おまけ:◆下の写真ははるか昔、ラジオ雑誌などに掲載されたスピーカー特性表のページです。最近はとんと見かけませんが、当時は良く出ており、新しく出たSPをまとめて、半年に1回くらい測定して特集を組んでいました。(「ラジオ技術」1984年から) 周波数特性各種レベル、指向性、インピーダンス、歪み率、インパルス応答、立ち上がり・下がりなどです。 数ヶ月前ハイファイ堂よりダイアトーンDS−1000を安く買いました。:メルマガ158号: http://www.hifido.co.jp/merumaga/otomeijin/051209/index.html 前号のロケットマイクで見た「ラジ技」にDS−1000の詳細特性が出ているではありませんか!1万Hz過ぎにピークがありこれが特長的で、響きを細身で神経質な音ににしているようです。アッテネーターが無いのでツイターの前に不織布を入れて抑えています。ウファーのエッジのダンプ剤が経年変化でかなり硬くなり、コンプライアンスをかなり悪くしています。従って低域は聴感でもそうですが、グラフより早くロールオフしていそうです。 これだけ沢山のグラフを出されたからといって、素人の私には必ずしもどんな音だとは解りませんが、こんな感じかなというのは伝わって来ます。それにしてもf0や歪み率、周波数特性は動的特性として最低限欲しいですね。 |
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◆上の紙面から、スタンダードな特性項目のグラフを拡大しました。密閉型らしいなだらかな低音の減衰です。ウーファーをもう3dBぐらい上げるとゆったりした感じが出て神経質さが少し減るでしょう。このサイズで密閉式だと音の素性は良いでしょうがf0が上がってしまい腰高に成ります。繰り返しますが低音は正にファンダメンタルな領域なので、苦労する所ですが、長い目で見ると正攻法でやるのが早道です。高音部の2nd高調波歪みの膨らみが気になります。チタン・ボロンでドームとボビンを一体成型DUD方式と謳っているのですが、なるほどと言うほど効果を感じませんでした。しかし音量を上げての安定感は中々のものです。 |