「オーディオ雑談カフェ」 2006-11-10 音迷人 19.幸せを送るのも、受けるのもご苦労様!? (メルマガ202号:http://www.hifido.co.jp/merumaga/otomeijin/061013/index.html でレポートした公開収録の「FM名曲リサイタル」の放送を聴いて) 放送では正に送信と受信といいます。先週の物流の話しに続いてソフト(番組内容)の送り手と受け手の話題としましょう。 先週のメルマガで近藤さんもこう仰っています。 「時代の流れは速いが、ここらでFM放送の美しい音楽を聴きながら、ユックリと時代の波に乗って行こうではないか。」 |
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いよいよ11月4日9:00〜11:00の放送でした。前日からMD録音のコンディションを整えてセットをスタンバイさせました。ポータブルMDにはマイクをつけて部屋でのモニターを「生録」し後日ルームチューンなどで利用することにしました。さらに茶の間では家人が雑用をしながら聴ける様に、ラジカセを鳴らし、カセットテープで前半をエアチェックすることにしました。9:00の時報とともに録音スタート!さあどうなったでしょうか! この稿では公開録音当日現場で聴いた記憶と、このFM放送での音質などを比べながら書き進めましょう。皆さんの中には聴かれた方エアチェックされた方も居られましょう。私の報告に異論もありましょうが、何か参考になればと思っています。努力はしていますが私の装置がチュナーをはじめ無色透明に受信し再生できている保証はないのは仰る通りです。生演奏にどれだけ近いかと言う、割と当てにならない記憶頼りの手法であることは承知しています。しかし誰々さんの声と聴き分けたりする能力を少しは信じたいと思います。 度々申し上げますが、本来の目的は音楽を楽しむことですが、ここはその再生をつかさどるオーディオのページでもあるので、その観点で話を進めますから宜しくご理解下さい。 |
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◆前半のプログラム ピアニスト:辻本智美さんの演奏からです。 <オーディオ関係> ▲まず進行係のお二人の声ですが、スタジオではボーズの小型スピーカーで、箇所により聴き取り難いほど小さめに、聴衆のほうに向けて流されていたように思っていますが、放送の方は当然確りと聞こえています。きっとハウリングレベルを確保していたのでしょう。 ▲男性アナの声は記憶と合いますが、加羽沢さんはもう少し良い声でしっとりしていたと思いましたが、放送では甲高い部分を感じました。ヴォーカルマイク?を過信しているとも思える汚れを感じる時がありました。音声だけでも息遣いなどリアルに入って緊張感が伝わるものですね。辻本マイクは何故か衣擦れノイズ?が乗っていましたね。臨場感を出すためか? ▲会場のノイズは思ったより小さくなるのですね。実は私の前の席の方が体格がよろしい上に姿勢を良く変える方で、絶えず折りたたみ椅子がきしんでギリギリいってました。これはかなり邪魔をするぞと思っていましたら、放送では聞こえましたが注意していないと解らないレベルでした。これが経験を積んだマイク設置実績と言うことなのですね。しかし放送では支障が無いかも知れませんが、聴衆やきっと演奏者の集中力をも削いでいると思います。是非「きしまない良い椅子」に変えるべきでしょう。歌謡番組のたった1曲だけの豪華な背景を一寸節約したら椅子はOKでしょう。 ▲指導された拍手がほど良いレベルで入っていましたが、少し高音が抑え気味で張りの無い拍手に聞こえます。ノイズ対策でハイ落ちか?笑い声なども遠いので、お客さんが居る臨場感が希薄です。 ▲さて肝心のピアノの音ですが、大変破綻の無い落ち着いた音調です。生より少し中低域が踏ん張っている感じで、ブリリアントな感じを出す中高域が僅かに押さえられている様に感じました。ピアノでは何と言うのか張ってある弦のエンドピンから駒の間の部分もビールの泡のように、特にフォルテの時など鳴っています。これが響きを豊かにも個性的にもしているようです。これがあまり聞こえないように感じました。NHKの音楽中継のイメージ全体が落ち着いた真面目な音創りにあるように思います。ピアノで言うとベーゼンドルファーの方向のような響きを少し感じました。実際はスタンウエイですから当然華々しい音もありました。音迷人のシステムの音かもしれませんが、ピアノ固有の華やいだ音の再生は難しいですね。CDで聴く限りスタンウエイらしいピアノ再生があるのでチュナーのせいかも知れません。 |
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<演奏関係> ▲難曲といわれるバラード4番では所在の無さ、一抹の不安や寂しさ、それを乗り越え胸を開くような希望の煌きと運命に翻弄される人生が感じられました。(この曲は心像音楽?だから感じたことを並べて良いのです!)ドビュッシーでは中高域の輝きが先の理由で弱くなったので損をしたかな?と。 ラベルでは曲想とマッチした一番良い音の状態と思いました。館山沖での遠泳で体験された海の凄さ怖さなど反映してか「海原の小船」は波の飛沫か反射する光の的確な粒立ちを聴けました。道化師では残響が加わって響きの豪華な曲になると思うのですが、少な目でやはり損をされたのではと思います。 |
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▲演奏されたどの曲も大変素晴らしかったので、並大抵の技量ではないと思います。つまり技量を磨きつつ、曲を掘り下げておられるので、怪しげな中途半端な音もフレーズも無く、堂々たる音楽になっているのだと思います。特にバラードとラベルは自信の表れと思いました。後は男性並のアクセントの幅を使われたら嬉しいです。でもアルゲリッチさんの様な太い腕になっては可哀想ですね! |
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◆後半のプログラム バイオリニスト:松原勝也さん ピアニスト:浦壁信二さん <オーディオ関係> ▲バイオリンだけのパッサカリアはオンマイク的でVnらしい伸びやかな良い音です。弱音でも艶を失わないし、胴鳴り成分がエコーの如く寄り添ってリアルです。FMの上限は15,000Hzとか。スーパーツーイターでウン万ヘルツまでとは騒ぎすぎ!良質な高音であればさほど伸びている必要は無いと考えます。マイクで捉えられた音楽信号は多くの放送機器を通り抜け、ノイズで汚れた大気の中を何キロと飛んで我が家の安チュナーに飛び込んで来ます。にも拘らず大変良い音で聴かせてくれます。ですからたった数mのケーブルに血道を上げるのもどうかと思いますね。 ▲Vnソロ曲と、ピアノ伴奏曲とではなぜか音場が少し違うように聞こえました。ピアノ付きでは僅かに音場が広く遠くになったようです。そしてVnが実演の位置より左寄りに聞こえました。これはそういう設定にしているのでしょうか?。 ▲フォーレの曲では弱音器を使っていると思いますが、くすんだ音を見事に捉えています。弱音器を装着する時の音が聞かれました。 |
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▲途中のトークの中で「弓と松ヤニ」の話や、Vnの音色の多彩さや弾き方による変化を実演をまじえて示してくれました。微妙な音の変化とVnが其処に在るという感じが伝わってきました。映像がなくてもかなり解るものです。ここの部分の音がとても良かったです。 <演奏関係> ▲松原さんはいろんなシーンを持った(経験されている)音楽家ですね。古い曲から新しい曲まで幅広く弾いていただけましたが、どれも手中納めた安定した弾きっぷりで、そのご努力と実力は素晴らしく日本の音楽界の充実振りが解ります。実直そのもののお人柄が現れた温かい音楽や説明と聴きました。 ▲伴奏のピアノが実に溶け込んでいて全く破綻を見せずに、Vnの陰に表にと弾かれていたのには驚きました。間違いなくお二人はチョイ悪友達ですね。 ▲折角ですからこんな時、辻本さんとの即興演奏があったらもう万々歳なんですが! 出演者の皆様、スタッフの皆様有難うございました。 つづく |
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おまけ:◆スワ〜!大変だ!トラブル発生? 聴かれた方はビックリしたと思いますが、当放送始まって30分ほど経った時、演奏をさえぎって突然の「天気予報?」。ワーまた私、トラブル災難だ!と思いました。 内容からして関東地方のFM局だけかと思いますが、「ここで気象に関する情報をお伝えします。気象庁によりますと伊豆諸島南部の御蔵島村付近では・・9時ごろ・・・記録的短時間大雨情報を・・呼びかけています。引き続き注意を・・」と2回繰り返して「ハイさよなら」でした。確かにその土地の人には早く知らせる事でしょうが、既に豪雨状態なら手遅れな放送です。地震やミサイル?ほどどう考えても秒を争う内容ではないのですが、これも緊急放送という部類なのでしょうか。いわゆるピポピポ:緊急警報放送(EWS)でもないようです。 番組制作マンもリスナーもましてや演奏家にいたっては細心の注意と緊張を持って、時間を共有して創ってきた番組ですから、工夫のない割り込みは一寸情けないですね。割り込み方法に再考を求めたいです。 番組終了時に何の説明もなかったのですが、日常割と多く当たり前なのでしょうか。 割り込まれた曲は何故かドビュッシー「雨の庭」でした。 と言うことで作った写真が隣です。ピアノと版画の雨降りとそして手にはラッパの道化師です。ああ! |
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◆予告通り?無事?緊急放送後1分ほどで音迷人のインタビューが放送されました。聴きながらこんなに照れくさく身体が熱くなったのはあの時?以来初めてです。司会者がトチッた「今晩は」の挨拶前後がカットされたので、私が直ぐ喋りだし口から先に生まれた輩のようで不自然ですね。 私の声は自分では認めがたい悪声ですが、家族はやはり私の声だと!ああ!頭真っ白という割には結構真面目に話しているよと褒めてくれました。やれ嬉や。辻本さんとの挨拶交わしが自然でしょう? 今回は一人ではしゃいだレポになってしまいましたがお許し下さい。(独白:皆さんホンマ聴いてくれたんかいな〜?) |