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「オーディオ雑談カフェ」
2006-11-17 音迷人
20.マルチアンプシステム(その1)
より音楽を我が物にすべく、ハイフィディリティー・オーディオを友としている音迷人は、私なりに限られた諸条件の中で、工夫と自らの技をもってシステムを育ててきました。
オーディオを楽しむには当然ながら人それぞれいろいろな方法があります。そうは言っても多少なりとも体系的な整理が出来そうです。その中でどの銘柄(例えばDENONとかJBLとか)の何型を何と組み合わせて使うという、ほぼ限りない組み合わせを整理、評価することは出来ません。何時も申し上ていますが、これらの組み合わせに加えて、ソフトの違い、オーディオルームの違いなどパラメーターは大変多いのです。ですからどういう再生方法がHIFI再生をより可能にするかという観点で確認してゆきたいと思います。多くの先輩や達人は十分心得ておられると思いますので、これから挑戦しようという方、現在の再生に納得が出来ない方々にご参考になればと稿を進めます。
さりながら論理的記述や細かいことまで追いきれませんので、それら詳細部分は実施される時に学習、確認をしてください。
当特集は今回を入れて下記のように5回に分けてお届けしますので覗いてやって下さい。
雑談カフェ 20. マルチアンプ(その1)マルチアンプシステム概要
雑談カフェ 21. マルチアンプ(その2)実践計画
雑談カフェ 22. マルチアンプ(その3)ユニットの選択基準
雑談カフェ 23. マルチアンプ(その4)チャンネル・デバイダーとアンプ
雑談カフェ 24. マルチアンプ(その5)配置やチューニング
◆マルチスピーカー&マルチアンプシステムの概要(意義)
音楽を再生する、即ち聴取場所の空気を音楽信号に従い振動させるということを実現するのに、スピーカー(SP)を使います。理想的なスピーカーが一つあれば、歪みの少ないアンプで駆動すると、ほぼ目的を達することが出来るでしょう。ある条件ではかなり良い結果を出せる単一SPは確かにありますが、オールマイティーではないのです。現実はそう簡単には実現できないのです。それは振動体の持っている運命みたいな共振とか分割振動とか限界周波数などや、美しく再生可能な音量の問題が存在することです。そういう特性や構造を研究し材料を開発していろいろなスピーカーが作られてきたわけです。その中で中心を占めているやり方は、「再生帯域での専用スピーカー」の採用ということです。つまり低音用、中音用、高音用などという再生帯域の分担です。これで「マルチスピーカー」と表わす訳が解ります。それを
★フルレンジ再生に対して ★2way再生 ★3way再生 ★4way・・・と言っていますね。
さて専用的スピーカーを使うと言うことにおいて次に考えることはそれらのSPをどのようにドライブするかです。まず一つのアンプで全ての帯域のスピーカーを駆動すると考えた場合、低音用には暴れた汚れた高音をだして貰いたくないし、高音用に低音がドンと入ったら壊れてしまいますね。
そこで再生する音楽信号をスピーカーごとに分割して送り込む必要があります。図のようにスピーカー寸前で分ける回路を「LC・ネットワーク」と称しており、一方微弱信号レベルの時点で分割する回路を「チャンネル・デバイダー」とか「エレクトリック・クロスオーバー」と称して、システムの中に設けています。前者はインピーダンスがより低い回路でパワーも扱うため、値の大きめなコイルとコンデンサーでフィルターを構成するので、それ自体、音質に影響を与えやすいのです。一般的に後者はよりインピーダンスの高い回路で、小さな部品の抵抗とコンデンサーを使ってフィルター回路を構成しますので、注意深くつくられた回路はそれほど音質を変化させません。この分割周波数精度が良く、色付けの少ない「デバイダー」を使うとより高度な再生が可能なため、多くの方がチャレンジしているのです。
上図でも解るとおりこの方式は分割帯域毎にアンプが必要となり、「マルチアンプ」システム(以降MASと表記)と言われるのです。こうして綺麗に分割された信号を、その帯域専用につくられた「ひずみの少ないスピーカー」と、その帯域だけを受け持つため「楽になったアンプ」で鳴らせば、良い結果が出せるはずですね。
大掛かりになりますが家庭での再生に登場したのは約50年ほど前と言われております。暫くして確かトリオの「サプリーム」と言うアンプ(写真横)がプリメインアンプながらデバイダー内臓3way6チャンネルを持って発売されたと思います。私もまがりなりにMASを採用してから35年位が経過しています。現在のAVにおけるマルチチャンネル5・1などサラウンド系とは違いますのでご注意下さい。
つづく
おまけ:錆び
◆昨年だったか音迷人は近くのやや寂れた商店街の会長さんを訪ねました。そこは美味しい天婦羅や蒲焼を出しているお店で、家でも来客があると稀に出前をお願いしていました。会長であるご主人が怪訝な顔をして出てこられたので、「良くここを通る者ですが、実は全体に古くなっている商店街照明灯の1本の根元がひどく錆びていて孔が空いています。ご存知ですか?もう直ぐ少々の力で倒れるはずですから事前に手当てすることをお奨めしに来ました。」と伝えると、理解された様で「どれですか?」となったので、その照明灯に案内し具体的に説明、考えられるトラブルについても話しました。会長は対応を確約されましたので、名前を告げますと、「あ!あそこの○○さんですか。お母さんにはお世話になりました。」などと世間話となりました。
数日後また通りかかると、くだんの照明灯は撤去されコンクリートで穴は埋め戻されていました。私は話を聞き入れ直ぐ対応してくれた会長の顔を思い浮かべ、それなりに良い気分になりました。
◆先週だったかニュースを見て驚きました。ある街で自転車に乗った高校生が信号待ちで交差点の歩行者用信号柱につかまったところ、根元が錆びていて折れ、自転車ごと倒れ怪我をしてしまいました。
この場所を音迷人は通りかかっていないのでしょうか。
信号管理者の最低限の観察事項と思うのですがね!(共犯者はワンちゃんとか・・・?)どうぞ皆様も危険予知を実践しましょう。
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