「オーディオ的不思議箱」 2007-3-9 音迷人 10.「大・・」の巻 先週は日本の芸術・芸能の権威的「大」歌舞伎を取り上げました。このメルマガを80篇ほど書いてネタが少なくなっている音迷人は何でも喰らい付かねばなりません。そうです「大」に喰らい付きましょう。♪大きい事は良い事だ!○○ハム♪なんていう音楽を取り上げるのではありません。「大」からイメージしたのはズバリ!シューベルトの交響曲「ザ・グレート」です。 |
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たまたま連載の福袋好録音打ち出しも「グレート」なのです。実に安易なネタつくりで冷や汗ものですが、時間と競争なのでご勘弁願います。最近謝ってばかりで情けないですね。これもひとえに「いくらお願いしても寄稿してくださらない皆様」のお陰です。(-_-;) シューベルトさんについては去年の2月3日のメルマガ166号、ピアノ五重奏「鱒」で少し触れていますので、今回は「グレート」に絞ってお届けします。 166号:http://www.hifido.co.jp/merumaga/otomeijin/060203/index.html |
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◆私のライブラリーから「グレート」を探してきました。そのうちの何枚かを写真でお見せしますが、何だか変ですね。ついでに「超」(これもグレートですね)有名な「未完成」交響曲のも上げてみます。 写真?見本盤のレーベルです。番号が付けてありません。エンジェル特有の赤い透明盤です。1960年代クリアランスセールで買った記憶です。(見本盤など非売品は売ってはいけないのですぞ) 写真?そのジャケットです。この見本盤が関係ないいい加減なジャケットに入っていたので、私が袋をひっくり返してマジックなどで書いてとりあえず作ったものです。ラファエルのLが抜けてました。私の語学力がバレちゃいましたね。(-_-;)(膨らませて中を覗きましたら、エルガーVn恊/ハイフェッツのジャケットで、A6版位の東芝の見本盤用紙が貼られ、そこの欄に交、第7、グレートと鉛筆で書いてありました) 写真?福袋CDの表記です。 写真?ちなみに「未完成」交響曲のCD例です。 写真?そして最近のCDブック「クラシック・イン」の表記で何故か番号に(カッコ)を使っています。 お気づきになりましたでしょうか。交響曲のナンバリングが???なのです。 |
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◆調査、整理しますと以前は「1〜8番」で7番がグレート、8番が未完成でした。一時期「新たな交響曲スケッチ」が見つかりそれを7番とし、ついでに?作曲順に並べ替えてグレートが9番とされました。しかしスケッチはグレートの物と判定され、現在は7番未完成、8番グレートのはずです。このフィリップス盤は9番としたままです。しかし未完成については昔ながらの8番が良いと頑張ってもいるようです。ですからCDを探してくれば、両交響曲ともずばり8番になるでしょう。シューベルトさん天国で驚いているかも。シューベルトの作品番号は良く使われるOp.ではなくD.となっています。ドイチュの研究によるナンバリングです。私が幼児言葉でドイツをドイチュと言ったのではありませんよ。オーストリアの音楽研究家のオット−・エーリッヒ・ドイチュさんです。 ≪たかが交響曲の番号で何を騒いでいるの!音迷人よ!大袈裟だぜ!≫ ≪そうそうその大袈裟よ!訳せばグレート!ヒヒヒ≫ |
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◆福袋好録音CD紹介?一応今回で最後とします。良い録音に出会いましたら同様な形式で随時お伝えしようと思います。(ただしネタが有ったとき!しつこいな〜) 今回は録音も「グレート」なら演奏も曲名も「グレート」なのです。上記で取り上げた曲です。 フィリップス盤でサー・コリン・デイヴィス指揮/ボストン響 1980年ボストンシンフォニー・ホール録音でこの年代で珍しく「ADD」です。 この曲は「長い」「深い」ので「未完成」交響曲と対比的に「グレート」と渾名されたのでしょうか。実際は他の短いハ長調の交響曲6番と区別するためらしいです。★シューベルト(1797〜1828)最後の交響曲で、★シューマンにより見つけられて死後10年後★メンデレスゾーンによって初演されたという、音楽の教科書のように「きら★」の如く作曲家が絡む背景を持っています。 シューベルトは後年(といっても慌ててベートーヴェンをチフスで追ってしまった彼はまだそうとは思っていなかったはず)大きな交響曲を書きたいと思っていたようです。それは尊敬するベートーベンの第九が影響していたのではないでしょうか。 |
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各章平均15分約1時間強、でかきゃ良いというものではないですが、この曲は不思議な魅力があるようです。まずシューベルトの優しさを満々と湛えて我々を迎えてくれます。評価は2分されるようで、この優しく鷹揚なところが堪らなく、それに包まれて長さを感じない方。一方シューベルトの優しい魅力は感じるものの、ドラマチックナ緊張感が弱く、長さに付いて行けない方でしょうか。私は大方後者なのですが、時に前者にもなります。何だ!ノンポリめ!と叱られそうですね。ただ不思議なことに、前者の時はたいてい姿勢が横になっています。(-_-;) 彼の人生、31年はそれにしても短かったですね。長生きしてほしかったと我々が思う気持ちが「グレート」と呼んでいるのが正解のようです。シューベルトは600曲にもなる歌曲を作曲しており、歌曲王、リート王と呼ばれますね。これは長じて月当たり平均3曲作曲していることになります。凄いですね!しかし待てよ?音迷人は月、4.5曲だ! 録音はまずアナログですがヒスノイズが聴こえません。ホールの響きが上手く取り入れられています。初めから続く低音のピチカートが粒立ちながらも柔らかくズンと沈みます。音響的に顕著な楽器は出てきませんが、弦と木管が綺麗に溶け合っています。割りと活躍するトロンボーンがポワーと鳴らされ、時にアクセントで強奏され分厚い響きになります。早いパッセージでも楽器に動きが良く解ります。曲想とあった録音ですね。ついでに取り上げたクーベリックの45年ほど前のLP盤ですが、少な目の針音とDレンジの減少を除けば、CDに引けを取らない音質で捉えています。カラヤンのは演奏も録音も少し派手目で音響的には楽しめますが、この曲の光芒はあまり感じられません。 |
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おまけ: ◆似顔絵:ラファエル・クーベリックです。上記写真?の手製ジャケット裏面に私が書いたもので、何かの写真から模写したのだろうと思いますが、良く似ていませんか?私の額も今似せています。(-_-;) マジックが滲んでいませんからジャケットの紙は良質なんですね。クーベリックは東側崩壊の時、チェコに戻り、記念コンサートをモルダウで有名なスメタナの「我が祖国」で飾ったと記憶してます。 ◆グレートな作詞家と歌謡歌手がもめていますが、異質な感じがいたします。まず裏でもめる事でしょうね。それにどうもファン不在です。お二人の「おふくろさん」が悲しんでいるような気がしますが。歌として発表される時「自分だけの・・」場合なら注釈をつけるか、大切にしまっておくべきです。歌は一度飛び始めたら自由でなければならないでしょう。バースをつけないまでもいろいろな想いで歌われるものです。お二人ともお解かりと思うのですが。 ◆笑コーナー 熊:愛知万博でロボットにラッパを演奏させるのをやってたな。 竹:トヨタだ。 熊:ほんとうかい? 竹:そーさ!トヨ・ペットだもん。 |