XLR Line ver.1.02はソースの持つ情報を全て引き出し色づけせずに伝送するので、真のリアリティーを追求されている方やAMPやPlayer等の機器の持つ色を純粋に楽しみたい方向けの製品である。Lineによって色づけしたい方には向いていないと思われる。まず、使用したのはAMPでMclntosh MC500とC40で験した。何しろ驚くのはその重さである。ずっしりどころではない。何しろ重い。タングステン粉末を充填しているので、このような重いケーブルになったのだと想像がつく。心配なのは接続する機器にかなりの付加が加わりそうである。しかし音質はその際立つS/N感と情報量で繊細にして強靭な再現性であることだ。線材はホット、コールドがプラチナ単線、グランドに4N純銀を採用している。ジャズギターアルバム「ストレンジャー・イン・パラダイス/ピーター・バーンスタイン」TKCV-35324とヴォーカルは「JACINTHA/Autumn Leaves」FIMXRCD-028を聴いたが、その情報量が素晴らしい。音色は無色透明で、ノンカラーレーションの手本のようなサウンドだが、音楽がすこぶる楽しい。表情が生き生きとして血の通ったリズムが流れてくる。雑みや歪み、あるいは何らかのストレスをすべて取り去ったような空間描写はめったに聴けない次元のものだと強く感じた。微細な再現には目を見張るものがあり、そのギターやヴォーカルの美しさには思わずゾクッとくるものがあった。ジャズは瞬発力があり、たくましく立ち上がってスリリングである。ベースなど楽器の質感も精密に描いており極めてダイレクトで、ある種モニター的な厳格さも感じさせられる再現性であった。SACDも聴いたが非常にS/Nが高く、繊細で透明感もあり解像度も優れているようだ。いやぁ・・・とてもいい感じである。原寸大の音質で聴く者にとって大音量時においてどこまでもピークを伸ばすダイナミズムも見事な再現性であった。この音を聴かされると、またまたケーブルが増えそうである。