オーディオ女子(年齢制限なし!笑)の「二年保証」商品試聴記 |
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自宅のオーディオといえば、10年来台所をともにし酷使され続けた貧弱なミニコンポのみで、実はオーディオ女子など名ばかりです。音楽そのものは、クラシックからジャズまで、アコースティックなものを中心に好きでよく聴いています。 メルマガの編集のために各店から送られるメルマガ原稿を毎週読み、オーディオの世界を覗き見するようになって、やはり「好きな音楽はいい音で聴いてみたい」と思うようになりました。 そんな矢先に、ちょうど、ハイファイ堂「二年保証」商品キャンペーン中の商品を試聴させてもらえるというのでオーディオビギナーズにお邪魔してきました。 さて、「二年保証」商品は、どんな音を響かせてくれるでしょうか? |
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まず、グールド晩年録音の”ゴルドベルグ組曲”を響かせていたのは、 |
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スピーカーがTANNOYの3LZG、ゴールド・モニターが売りだとか。 |
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プリメインアンプがLuxmanのSQ38FDmk2 |
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CDプレーヤーがDENONのDCD-1530G |
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という組み合わせ。 グールド独特のタッチが明るい。ピアノなのにハープシコードにも近い音色だ。 |
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せっかくなので、いろいろなCDをかけてみよう。 まず、ベートーベンのバイオリン・ソナタ第5番「春」。ふうん、クレーメルとアルゲリッチの録音だ。ふたりとも気合いが入った演奏だな。あたりまえかもしれないけど、ミニコンポより音がきれい。 次は家から持ってきた市原ひかりグループの「UNITY」。コンさんのおすすめCDコーナーを読んで、自分で買ったもの。あ、軽い!さっぱりしてクリアーな音だ。ねっとりとまとわりつくようなひつこさがない。トランペットとサックスの掛け合いが立体的に聴こえる。でもピッチが微妙に違うのかな?右と左のスピーカーでピッチのずれがあるわけないだろうから、これはCDを忠実に再現しているってこと?こういうのはミニコンポでは聴こえない。 女性ジャズ歌手の定番で、サラ・ボーン。リラックスした笑い声から始まる「Just One Of Those Things」。この人の声は面白いな。特にちょっと低めの音域のときがいい。 またベートーベンだけど、今度はピアノ協奏曲「皇帝」。小沢征爾さんと村上春樹さんが対談集のなかで内田光子さんの録音を聴いていた。今回、大須本店では見つからなかったので、エレーヌ・グリモーのピアノで。エレーヌ・グリモーって野生オオカミの研究をしている人なんだ。このCDを貸してくれた大須本店の越濱さんは「暗い」って言ってたそう。そうかな?ピアノの音がきれい。それぞれの楽器も鮮明に聴こえる。んー、もう少し、低音が出てもいいような気がする。 大きく路線を変えて、ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」を。サックスの吹き出しのところ、荒いタンキングがリアルに聴き取れる反面、不思議な(不自然な?)エコーがかかって聴こえる。これはなにかな? 全体に、古いレコード・ソースからCD化したもののほうが、最初からCDとして録音したもの(新しい音源)より、心地よく聴こえるような気がした。 |
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ここで、セットを変えてもらいました。 |
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試聴している部屋の隣で作業中の商品部の古田さんが来て、手際よくセットを組み替えてくれました。 ベージュのサランネットがナチュラルな印象の家具調セットから、黒にシルバーでスタイリッシュな印象のセットに変更。 CDプレーヤーは同じ。 |
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スピーカーはYAMAHAのNS-1000M |
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プリメインアンプはTA-1150、SONY、'70年代生まれですね。この銀ピカと丸いつまみが妙になつかしいですが、新品のようにとてもきれいです。この子、かわいいな。 大柄な古田さんが「磨きました」とにっこり。さきほどのTANNOYも丁寧にニスを塗り重ねて仕上げたばかりだそう。手塩にかけてよみがえらせた商品への愛を感じます。 洗練された印象のシルバー色だけれど、このアンプは古い木の文机に置いても違和感なくすっぽりと収まりそう。 |
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さきほどと同じCDで、どんどん聴き比べ。楽しいなァ。とても贅沢だ。 ベートーベンの「春」。 音が出た瞬間、さきほどのセットと違いがあるということにまずびっくり。スピーカーを変えるとこんなに音って違うもんなんですか?「スピーカーも、ですが、アンプの差というのが、大きく影響するんです」そうだったんですか・・・ 今度のセットの方が、音に緊張感が出る。音の強弱によく反応する感じ。でも意外にまろやかさがあり、聴きやすい。 市原ひかりグループはどうかな?厚みが出るな。音の引き具合が良い。 ノイズがきれいに聴こえる。変な表現だが、たとえば、サラ・ボーンの声など人を惹きつける音には、しばしノイズが含まれるものだ。ちょっとずれたら嫌な音になる、スレスレのところでバランスを保っている。このぎりぎりのノイズをこのセットはきれいにまとめているような気がする。ソニー・ロリンズでひっかかった「不思議なエコー」があまり気にならなかった。 「皇帝」のピアノがきれい。ずっと聴いていたい。 すごいなあ、このセット、よく鳴るねェ。 このYAMAHAスピーカーとSONYのアンプとのセットはハイファイ堂おすすめの組み合わせなんだそうです。 スピーカーの値段はそれほど変わらないけど、アンプはこのお値段でこれだけ聴かせてくれるなら、SONYが断然お得だわ、見た目も好みです。 |
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さて、普段、ミニコンポで音楽を聴いている、さしてマニアではないふつうの「女子」が奥深いオーディオの世界の入り口を覗いてみたわけですが、やはり実際に聴いて違いを確かめてみると、ハマる人の気持ちがよくわかります。 私は今回、SONYのプリメインアンプのセットの方がよい印象でしたが、あとでこの試聴の話を実家の父にしてみると、'40年代生まれの父(その昔、スピーカーや真空管アンプを自作したことあり)が興味を持ったのは、TANNOYのスピーカーでした。父の老舗メーカーへの信頼は厚く、なにより、「静かに聴きたいから」という理由にはハッとさせられました。そうですね。音楽は何も大きな音で聴くばかりではありません。「静かに聴く」、なにか深く胸を打つ、命題のような言葉でした。 |
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今回試聴した商品はすべてハイファイ堂のホームページでご覧いただけます。価格や店員による商品説明などの詳細はぜひこちらでご確認ください。 また、【今週のトピックス】10.営業企画部にて、試聴したSONYのプリメインアンプTA1150のメンテナンス作業を詳しくご紹介しています。合わせてご覧くださいませ。 |