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「オーディオ風味 名曲アラカルト」 2006-3-17 音迷人 11.R.シュトラウス/英雄の生涯 左ジャケットは名演奏、名録音だったベーム/ザクセン国立オケ/グラムフォン・モノLP盤です。録音のバランス、管楽器の切れ、ソロVnのリアリティーなどモノですが現在でも通用します。50年前と思います。\1800 ザクセン・オケは長い歴史を持つオケですのでシュトラウスも指揮をしたでしょう。 |
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オーディオファンにとってリヒャルト・シュトラウスさん(1864〜1949)は重要な作曲家です。作品は当然素晴らしい面が沢山ある上に、彼ならではの音響的醍醐味のある響きを持っています。 いつものようにR.シュトラウスさんについて調べてみました。(尚、ワルツ王ヨハン・シュトラウス系ではありません。) 多くの音楽家に伺える良い音楽環境がやはりありました。お父さんがホルン奏者、お母さんがオペラ歌手でドイツ・ミュンヘンで生を受けました。お定まりの早期教育はピアノを4歳から、作曲は6歳ほど、8歳でヴァイオリンを習ったとのことです。彼の功績(航跡)を知る上で重要なポイントはお父さんの徹底した古典標榜の保守的な音楽教育でした。 地元ミュンヘン大学を経て、大指揮者ハンス・フォン・ビューロウの元で副指揮者としてスタート。その後イタリア、バイロイト、パリ、アメリカなどを巡り音楽活動をしました。 |
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出逢った音楽家から音楽の革新的傾向を受け取り、出世作となった「ドン・ファン」が作曲されたが、前衛的という方向までは行かなかった。彼独自の境地を深め「ばらの騎士」に到達するが、その後保守的音楽に回帰したそうです。ブラームスを尊敬していたがその敵対するワーグナー派にも染まると言う「音楽自由主義者?」だったようです。結局シュトラウスさんには幅広い才能があり、どのタイプでも使えたと言うことでしょうか?(音迷人流)オーケストレイションは本当に素晴らしいものがありますね。好き嫌いはあるようですが、割りと直裁的に攻めて来ます。従ってエンターテーメント向きな面があり、ハリウッド映画音楽、ディズ○ー映画辺りに生きています。(音迷人流) フルトヴェングラー同様ナチスがさほど牙をむかない時、帝国音楽院総裁を務めたりしたが、自身の親族や友人に守るべき人達が居て、安全の為に多少合わせた点もあったようです。最後はナチスと対立し、敗戦と同時にスイスに逃れたそうです。確かヒトラー主導のベルリンオリンピックのオリンピック賛歌を作曲しています。 カール・ベームとかジョージ・セルという名指揮者は彼の弟子なのだそうですが、質実剛健な指揮振りから先生もそうだったと思えます。あと音楽の著作権について推進、確立に寄与した方ですぞ。!ミュージシャンは彼のお陰で飯が食えると!JAS○○Cさん!「R・シュトラウス神社」でも建立して感謝・伝道をしては如何でしょうか?(-_-;) |
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作曲活動を大まかに知る為に有名曲の作曲年表を作りましたので参考にしてください。 1888年:交響詩ドンファン 1895 :交響詩ティル・オイレンシュピーゲルの愉快な悪戯 1896 :交響詩ツァラトゥストラはかく語れり 1897 :交響詩ドン・キホーテ 1898 :交響詩英雄の生涯 ◎ 1903 :家庭交響曲 1905 :オペラ サロメ 1908 :オペラ エレクトラ 1910 :オペラ ばらの騎士 1915 :アルプス交響曲 1917 :喜劇 町人貴族 1942 :ホルン協奏曲 第2番 1948 :歌曲 四つの最後の詩 音迷人の誕生を祝ってか「日本祝典曲」(建国2600年祝典曲)を委嘱され作曲しています。(-_-;) |
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代表的な交響詩は多いのですが、いろんな曲想やストーリーの面白さ(図々しさ?)から「英雄の生涯」を選びました。日本語で「英雄」が付く曲はベートーヴェンの交響曲第3番、ショパンの英雄ポロネーズ、そしてこの曲があります。一般的には「英雄」と言うとベートーヴェンがナポレオンをイメージしていたが、想定外の皇帝になったことから怒って「ある英雄の思い出」としたように概念的に考えていますが、シュトラウスのこの曲では「英雄」とはどうもご自身のことの様です。三十数歳の若造が我が身を英雄になぞらえた自己愛的な曲を早くも世に贈ったので、聴衆は賛否両論、喧々諤々と大変だったようで、シュトラウスの計算ずくと思われる発表が成功したようですね。まあその辺は遊び心くらいに受け止めて、曲そのものを楽しむのが、音迷人流なんです。 曲の構成は6つの章に分かれるようですが途切れなく演奏されます。 1.英雄 2.英雄の敵 3.英雄の伴侶 4.英雄の戦い 5.英雄の業績 6.英雄の引退と完成 3.の伴侶に十数分を割いて甘く甘くまとめています。恐妻家であった証でしょう。(-_-;) 聴き通すノウハウは、皆さんも「英雄たゃー俺のこったい」と思えば良いんですよ! |
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幻想、巨人と音響の宝庫を紹介してきましたが、英雄の生涯も音響の宝庫その3です。 同じ宝庫でも前者とはまた響きの趣が違います。R・シュトラウストーン(音迷人流)と言うのが有ります。管楽器を盛大に鳴らすのですが、ホルンの伸び伸びとした広い空間を感じさせる吹き上げを中心に、混濁しない弦楽部の美しい旋律曲想とでも言いましょうか。 こうしてお伝えしなければならないホルンの活躍は私も聴いて承知していましたし、彼に負けぬほど大好きなのですが、彼のお父さんがホルン奏者ということはこの項を書くまで知りませんでした。胎教に近いレベルからお父さんのホルンが聞こえていたからなのでしょう。(これも音迷人流)実際の演奏ではホルンが8本使われるそうです。 では章を追ってオーディオチェックをしましょう。基準CDは写真上の大植英次/ミネソタ・オケ盤です。 |
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1.英雄:のっけから俺様が英雄だぞと言わんばかりに主題がチェロ、ビオラ、ホルンの競争でいや強奏で提示されます。続いて英雄の高い精神性をフルートに、豊かな感情をオーボエ、内面の充実はコールアングレーで、そして弦、木管、ホルンが自己主張と勝利の確信を暗示しているそうです。(なるほど。てなことは専門家に言ってもらわねばさっぱり解りませんがね)オケでVn群がリードして曲を進めてゆくのですが、冒頭の低音弦が斉奏する響きは中々雰囲気のある響きです。 全体にリズミックに運びますが色々な楽器が特徴を持って出て来ますので聞分けられる事です。特にこの曲は低音が寂しいと面白くありません。曲名からしてそうですよ!大きな空間に響き渡りますから。ホルンは曲全体で活躍しますが、良く知りませんが、きっと倍音の多い伸び伸びした吹き方なんだと思います。パーであってポーではないです。 2.英雄の敵:フルートやオーボエがシュトラウスに対し不平や非難、陰口を言う様を示します。早い上下の激しい音列や短い強音が入りますので、音が変わる間を良く聴いてください。残響や、演奏のあやが確認できると良いです。弦群はゆっくりと分厚く流しています。次章でも同様です。チューバの評論家たちの嘲笑に怒り爆発で・・ 3.英雄の伴侶:いらつく英雄に美しく気品のある伴侶がVnで対話しながら慰める様に進むうちに明らかに「18歳未満お断り」状態になり、英雄は雄たけびを上げる。Vnの柔らかく本当に艶やかな響きを確認してください。不思議に想うのですが、この曲のどの盤を聴いてもこの艶は録音されていますが、他のヴァイオリン協奏曲などの録音では中々録られていないのです。と言うことで下手なヴァイオリン協奏曲より素敵でチャイコフスキーのバレエ姫してますな。さて元気になった英雄はいよいよ戦いに臨むのでありました。(この辺からは正にパパン・パン・パンと講談調曲想です) |
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4.英雄の戦い:前の章からバンダ(2/24メルマガ参照)で開戦を暗示するトランペット信号が鳴りチェロ、ホルンで英雄の主題が奏されると、3拍子であたかも駒を進めるナイト宜しく粗野なリズムに乗って戦闘開始。槍が繰り出され、炸裂し2.で提示された敵たちが入り乱れ逃げ惑う中、伴侶に支えられた自信にあふれる英雄の澄んだ気持ちがVnで奏される。勝利の宣言がホルンを中心に朗々と高らかに大見得を切ってなされる。オーケストラの持続的フォルテッシモで聴衆は興奮し音響の素晴らしさを感じるところです。スネアドラムがリズムを誇張し、大太鼓も大砲連射のように打たれます。シンバルは「巨人」ほど強くこれ見よがしに合わせません。テストに一番向いている章で、管楽器も色々な音色を聞かせます。とにかく分離していて美しいことです。この辺はハリウッド映画です。 色々な録音を聞きましたが、どれも意外や「歪まずに雄大で美しい」のです。これは作曲者の音のブレンドの妙(耳)でしょうか?この特性が確認できれば貴方の装置は合格です。 5.英雄の業績:勝ってしまえば官軍です。記念館を建てますかね?落○選手や松○選手のように。展示の方法は当然自分のメダル(作品)を並べる(聴かせる)事ですね。ドン・ファン、ツァラトゥストラ、ティル等々のテーマが次々と現れ自らを讃えます。ここが問題の章ですな。上記で述べたように、「遊び心」と決め込みましょうか。割りとゆっくりとしたソロが出てきますし、トライアングルもハープも静かに鳴ります。それに弦群がピアニッシモで付けます。ですからふぁっと優しく出る音を描ききるかチェックしてください。弦が相変わらず綺麗です。 写真は酒屋で売っていたホルンの飾り物。これを飲めば「ラッパ飲み」とか。 |
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6.英雄の引退と完成:現役への未練、葛藤らしいグロテスクな響きがややあって、牧場の笛のような(幻想でも出てきましたね。あちらには平穏とか静けさのDNAとしてあるのでしょうね。日本ではなんだろう。梵鐘か?鳥の声か)旋律が出てきて英雄が隠遁に入ったことを知らされます。この辺のホルンはポーです。4:30辺りの優しい雰囲気とチェロの盛り上げは綺麗に出るでしょうか。やがて戦いの回想や諦観的な曲想がながれ伴侶のひざに頭をうずめるようにVnが優しく答えます。後は穏やかで美しい旋律、和音が精神の高みにと誘います。最後の終わり方が2通りあるようで、大半は最後に大太鼓強打とともに壮大に盛り上げるタイプですが、優しく陽だまりに寝てしまうような大人しいタイプのもあります。 お奨め盤は本稿で使った大植英次/ミネソタ・オケ盤、マゼール/クリーヴランド盤、ブロムシュテット/ドレスデン盤などでしょう。他にも沢山良いのがあります。 つづく |
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おまけ:◆この際ですから、ホルンの概要を勉強しましょう。 ご存知のようにホルン(ホーン)は角と言うことから狩の現場から発生したと考えられますね。「おーいこっちゃに狐がおるでー!ぷっぷかぷー」「何見とるんやー!あれは狼や!あぶねー!バッパラバーのビヒー」と広い原野を馬で走りながら「信号」を送っていました。肩に引っ掛けて馬に乗るのでクルクルと巻いた形になったとか。 コンサートホルンとしては18世紀ごろナチュラル・ホルンとして使われたようです。(写真下)ホルンは原則として吹き口から朝顔(本当はベルと言うらしい)までテーパーが付いている(円錐状)ようですが、中間の管路は如何なのでしょうか?製造上の理由で一部平行パイプかも知れません。管楽器全体の改善、進歩につれてホルンもピストンやバルブ応用と発展し、器用になり、発音も安定して、オケで活躍するようになったと思います。現代のホルンは実際には大まかに3つほどのタイプがあるんだそうです。管路長を変えて音域を得ますが、ソフトアイスで説明するとバニラだけをシングルホルン、バニラとチョコレートが味わえるダブルホルン、最後はストロベリーをつけてトリプルホルンだそうです。使用されてるのはダブルホルンが一般的のようです。(写真上)そして音域切り替えバルブ(赤矢印)1基と音階バルブ3基で計4基あり音階バルブアクションは1レバーで同時にバニラをなめたりチョコをなめたり出来る2連にしてあるようです。音域切り替えバルブでチョコを選んでおけばチョコが味わえるのです。バニラ音階バルブには空気が回ってきませんから空打ちですね。と言うことでホルンは甘い音が得意です?(-_-;) 簡単に言うと吹き口と朝顔は共通にして途中の管路を変えて、調や音程を変えたりします。胴体の真ん中でとぐろを巻いているからイ調でしょうなんて・・本当はガスが溜ってへ調(F管)らしいんです。全くの冗談、ホルン吹きに叱られます。と言うことで長い時は5mほどを吹くことになるそうです。周波数帯としては基音で45Hz〜700Hzくらいですから倍音を考えても普通の機器で十分対応できましょう。ホルンでのチェック項目は音の出方や混調歪率から来る濁りでしょう。 |
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◆ナチュラルホルン:ピストンやロータリーバルブが応用されるまでは吹き込み速度?で調整する音階に加え、ホーン長を変えて調を変えるために、交換パイプが付いていました。写真は1800年代のものだそうです。 ◆あと気になるのは右手の事ですね。ホルンを支えてはいるようですが、なんだか演奏中見えないところでモソモソさせています。誰かが痴漢っぽいなんていってましたが。あれはナチュラルホルンの時代、音程を操作(上げる)するのに朝顔の根元の塞ぎ具合を変えたり、音をくぐもらせたりする為にやってたそうです。楽譜では+マークが付くんだそうです。今でも当然使われている技法でしょう。前に取り上げた「幻想」4,5楽章辺りで無表情にビービーとやっています。チャイコフスキーの「悲愴」4楽章でも確か聞けます。 ◆ホルンはオーケストラの媚薬?:最後にホルンの旨味は重奏にて「5度」で重ねると、何方も堪らなくなるんだそうです。 |
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