こんにちは、ハイファイ堂レコード店の丸井です。 連日の猛暑ですが、皆さんお体はいかがでしょうか?熱中症の話もよく耳にします。体調には十分に気をつけて暑い夏を乗り切りましょう。 |
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まずはじめにレコード店から耳寄りなお知らせです。 LP洋楽特集第3弾です! きたる7/27日(土)よりLP洋楽特集第3弾を行います! 今回は帯無しですが、状態良好サンプル盤を揃えております。お値打ち価格の作品もございますので、7月27日はぜひハイファイ堂レコード店にお越しください! |
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さて、洋楽LP特集も控えており、折よく私もこの2ヶ月ほど、たまたまスケジュールの都合がつき、久しぶりに洋楽のライブを4度ほど鑑賞する機会に恵まれましたので、今回はその話題について書いてみたいと思います。 いずれも今現在活躍中の若いバンドではございますが、今回の特集に取り上げられるような、往年の洋楽ロックバンドから少なからず影響を受けているバンドたちです。僕も今回の特集で店出しするレコードの準備をしましたが、今頑張っているバンドのライブを観た後だったこともあり、洋楽ロックのルーツを探る時間旅行をしているようで、とても有意義でした。 |
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普段ライブはいろんなものを観るのですが、今回はハードロック/ヘビーメタル系のバンドばかりを観るチャンスに恵まれました。 最初に見たのがフィンランドの「ナイトウィッシュ」です。音楽が重要な輸出産業のひとつであるフィンランドにおいて、彼らは国内で知らぬものはいない国民的バンドです。 その音楽性はシンフォニックメタル、ゴシックメタルと呼ばれ、シンフォニックなアレンジを施したハードロック/ヘビーメタルにオペラティックな女性ヴォーカルがのる特異なものです。 現在はヴォーカリストが3人目になっていますが、初代ヴォーカルのターヤ・トゥルネンはクラシック畑出身のオペラ歌手であることからも彼らが中途半端な試みでこのジャンルを築いた訳ではないことが伺えます。 15 年以上のキャリアを誇るだけあってライブも非常に安定していて、とても満足いくものでした。レコーディングではオーケストラを起用していますが、さすがに 日本でのライブではオーケストラはなく、中心メンバーのツォーマス・ホロパイネンのシンセによるアレンジでしたが、核となる音楽はヘビーメタルなので、盛 り上がりが削がれることはありませんでした。3代目になる女性ヴォーカリスト、フロール・ヤンセンもこれまで他のゴシックメタルバンドでのキャリアがある 人物なので、その歌唱力の素晴らしさには文句のつけようがありませんでした。 |
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次に見たのはアメリカのヘビーメタルバンド、キャメロットです。彼らはアメリカはフロリダ出身のバンドでありながら、ヨーロッパのバンドのような叙情的で ドラマティックな音楽性、シンフォニックなアレンジで人気のバンドです。彼らの人気が爆発したのはノルウェー出身のヴォーカリスト、ロイ・カーンが加入し てからです。この手のジャンルには珍しい、彼のマイルドな歌声がそれまでの彼らのヨーロッパ的なウェットなサウンドにマッチして彼らを一気に有名にしまし た。 しかしそのロイ・カーンも脱退してしまい、現在はスウェーデンのプログレッシブロックバンド、セブンスワンダーのトミー・カレヴィックがヴォーカリストを務めており、今回の来日も彼が加入して初の来日でした。 彼 も実力は申し分なく、女性シンガー・アリッサのゲストヴォーカルを加えたシアトリカルな演出もあるライブは十分に盛り上がり、非常に楽しめるものでした。 |
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3回目に観たのはドイツが誇る ジャーマンメタルバンドの祖、ハロウィンとガンマレイのジョイントライブです。ハロウィンはジャーマンメタルというキャッチーなメロディを取り入れたメタ ルサウンドを作り上げ、後にメロディックスピードメタルというジャンルを世界に広める立役者となった、いわばメタル史に残る伝説的な存在と言っても過言で はない、30年以上のキャリアを誇るベテランバンドです。 そしてガンマレイは、そのハロウィンの中心人物であったギタリストのカイ・ハンセンがハロウィン脱退後に結成したバンドで、ある意味兄弟バンドのような存在です。この2組が同時に観られるとは正にジャーマンメタル好きには堪らないライブなのです。 オー プニングはガンマレイだったのですが、彼らも20年以上のキャリアを誇るバンドでありながら、昔の人気曲をやるというよりは、近作からの曲や最新作からの 曲を多く配していたのが印象的でした。それでもキャッチーで覚えやすいメロディは観客の大合唱を起こしていました。初代ヴォーカリストのラルフ・シーパー スが脱退してからはカイ自身がリードヴォーカルをとっていますが、個人的には専任のヴォーカリストを入れてほしいなと思っています。 メインアクトのハロウィンは昔の名曲から最新作までバランスよく配した観客みなが満足するセットリストとなっていました。 ベ テランバンドでありながら最新作もパワフルで、老け込むことの知らない彼らの楽曲で会場は大盛り上がりを見せていました。最後はガンマレイのメンバーも飛 び入りで参加し、僕も含めてフロアは大合唱に包まれました。 |
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最後に観たのはスウェーデンの ザ・クラウンです。彼らは今まで紹介したバンドとは少し音楽性が違い、デスラッシュと呼ばれるジャンルです。いわゆるデスメタルとスラッシュメタルを掛け 合わせたような音楽性から生まれたジャンルなのですが、彼らはそこにさらにロックンロールのノリ、北欧特有の叙情性を加えた強力な楽曲をプレイするバンド です。デスメタルとロックンロールの要素を持っているのでデス&ロールとも呼ばれたりしています。 実際のライブでは整合感とは無縁のロックンロールのノリとスラッシュメタルの突進力5割増のライブ仕様で、フロアは大盛り上がりでし た。実はこのバンド、ヴォーカリストが何度も出戻っていて、よく他のメンバーも受け入れるなぁ、と思っていましたが、むしろ他のメンバーが彼にこだわる理由がライブを観て改めてわかる気がしました。彼らのやりたいことを隅々まで表現するにはこの声が必要なんですね。 |
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今回は本当に観たいライブとスケジュールがたまたま合って、良い機会になりました。 どのバンドもそれなりにキャリアがあり、フロントマンであるヴォーカリストが脱退するなど紆余曲折を乗り越えて今も第一線で活躍しています。 そこには苦難を乗り越えてバンドを続けてきた不屈の精神と、リスナーの心をとらえて離さない強力な楽曲を創り出すクリエイティビティがあったからこそだと思います。好きで聴く楽曲に作られた経緯などは必要ないのかもしれませんが、その経緯の裏の人間ドラマに触れてみるのもある意味それも一興なのかもしれません。 そして今回のライブ、どのバンドも音が良かったのも嬉しかったですね。ライブではどこか音のバランスが悪かったり、何かしたアクシデントが起こることもあるんですが、そこは百戦錬磨のライブバンドばかりだからか、安心して聴けました。 |
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自宅に帰ってもあのライブの余韻にまだまだ浸りたい! 自宅でもライブのような臨場感で音源を聴きたい!というのは音楽好き、オーディオマニアなら誰しも望むことですよね。 僕も同じ思いです。 そして今はもう活動していない昔のバンド、それこそ今度の特集で取り上げているようなバンドの音源もライブのような臨場感で楽しみたいですよね。 そこで僕が今回観た系統の音楽を自宅でも臨場感タップリに楽しむにはどうすればよいのか、ちょっと考えてみました。 ハードロック/ヘビーメタル系なら多少粗くても音を抑えずストレートなサウンドをそのままパワフルに、低音がしっかり出てダイナミックに聴きたいですね。ということはパワフルなアンプと低音に余裕のあるJBLの4312Eとかのスピーカーの組み合わせがいいのかな、いや待てよ、これだと小音量で聴くと魅力半減だな、でもご近所さんのことも考えないと...てことは小音量でも楽しめるようにクリアな音を求めて...あれ、ライブの臨場感はどこいった?...こういったことであれこれ考えてワクワクできるのも音楽好きの醍醐味ですよね。ジャンルに合わせて十人十色の組み合わせがあるのもその人の趣味趣向が出て面白いですよね。それを参考に音の出し方を考えてみたり...本当にオーディオは奥が深いですね〜。 |
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長々と書いてしまいましたが、夏もまだ始まったばかり、暑さもまだ始まったばかり、年に一度のこの季節、夏を楽しみながら、体に気をつけながら無事に過ごしていきましょう。 |