こんにちは、こんばんは片山です。 いや〜暑いですね〜、夏じゃないのに。 昼間は半袖でもいけるんじゃないかと思わせますが夜は気持ちよく冷えるという、ちょうど春から夏に向かうこの季節。 さて。名盤紹介のメルマガ片山ですが、暑いとはいえまだ夏とは言い切れないこの季節なので強引ですが今回も「春の名盤」紹介とさせていただきました。(笑汗) 前回の春の名盤はフォーク編だったので、今回はこの暑さにも対応できる清涼感もありつつ春のような開放感のあるジャンル=SOFT ROCKにしました。 今回は「春の名盤 ソフト・ロック編」、行きましょう。 ※前回の「春の名盤 爽やかフォーク編」はこちら↓ http://www.hifido.co.jp/merumaga/2f/160325/index.html |
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そもそも「ソフト・ロック」って何ぞや?という方もいると思うのでざっくりとご説明。 「…え?…柔らかい? 柔らかいロックなの…??」とまんま直訳するとそうなっちゃいますが(笑)このジャンル名は日本人が付けたようで全世界に通用しないジャンル名のようですね。 ではどんなサウンドがソフト・ロックなのかと言いますと、 ●綺麗で重厚なハーモニーとメロディ。 ●ライブバンドというよりは作り込まれたスタジオバンド重視型。 ●幻想的だったり魔法的な世界観。 ●とにかくポップ命。な60年代ポップス。 といった感じでしょうか。 すなわち柔らかくはなく攻撃的で刺激的なハード・ロックに対してのソフトな耳障りというとこからソフトという言葉が選ばれて、実はロックじゃなくてポップス寄りだったりします(苦笑) もちろんビート強めなロック・バンドもいますが。 イージーリスニングに重厚なハーモニーが乗って進化した歌物ミュージックの説もあるようなので、海外では「イージー・ロック」と言われてる国もあるそうな。 (柔らかいロックやら簡単なロックやら、よぉわからんな…) 当時はあまり評価されなかったバンドも多かったようですが、日本のお洒落なアーティストたちがこぞって再評価したことで浮上したジャンルゆえに、あながちオシャレな音楽としての解釈も間違ってはいないようです。 では、その中から個人的にピックアップした名盤を紹介したいと思います。 |
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The Millennium / Begin 再生した瞬間、連呼するリフレインから超爆音のブレイクビーツ・ドラムが大炸裂。 爆音ドラムがドッカンドッカンと攻めてくる。しかも今のヒップホップみたいなグルーヴィなビートで。 もう、お口アングリである。ザ・驚愕。 …これがソフトロックなの…か? とても68年のサウンドとは思えないオルタナティヴなサウンド。 なぜならこの作品、一説には世界で最初に16トラックレコーダーで録音されたとされているスタジオ録音史にみても先駆的で伝説的な作品なのである。 つまり簡単にいえば16トラックも使用しているのだからヤリたい放題&作りたい放題。 改めて聴いても凄く精密に作りこまれてる異様な完成度にひれ伏すしかない。 当時は皮肉にもマネージメントが「おいおい、16トラック使わせてやったのにこんな難しい音楽、売れねえよ。おいおい。」と言ったのかは想像ですが(笑)プロモーションもうまくいかなく全然売れずに大コケ。 大金はたいた会社はこの大コケで運営が傾いたという都市伝説もあるほどです。(ほんとか?) まあ再評価される作品のあるあるだけど、現在でも聴けるつまり今でも通用する音楽というのは当時では理解がしがたいんだろうね。当時ではハイセンスすぎて追いつけないというか。 そうとも思える天才的楽曲は、全ての曲それぞれ納得させるのがまた凄いのだが。 さて内容ですが、遊園地へようこそといわんばかりの1曲目から魔法の世界へ一気に引き込まれます。 マジカルなハーモニーと16トラックを使用した洗練されまくったアレンジ。 ほんのりサイケデリックで曲アレンジもプログレな曲もありながらもポップに徹しつつ、どこか哀愁感が漂うのがまたよろしい。 あとびっくりするのが日本の琴の音色をサンプリングする曲があるのですわ。1968年ですよ?この時代に日本の楽器をサンプリングするセンス、凄くないですか?? カリフォルニア・ポップスといわんばかりに突き抜けた美しいコーラスワークに耳を奪われながらも「何か凄い作品に出会ってしまった…」と思わせる60年代屈指のポップ名盤だと断言できます。 サウンドはカラフルなのにジャケはシンプルなモノクロ。個人個人が感じた色でジャケを虹色にぬってくれというセンスかな〜とか勝手に解釈しています。 いわゆるソフト・ロックの金字塔とされるがゆえに一部のポップス・マニアしか行きとどいていないのが本当に悔しい作品。 ビートルズやビーチ・ボーイズなどのメロディ・ポップス愛好家には無名とかソフト・ロックという先入観関係なく是非とも聴いてほしいです。 |
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Harmony Grass / This Is Us そもそもソフト・ロックへの根源としてビーチ・ボーイズの影響が大きいのは明白である。(あ、カーペンターズもだな。) ビートルズがロック・シーンを作り上げたことはいまさら自分がとやかく言うつもりがないが、とにかくビートルズ・フォロワーといわれるバンドがいっぱい生まれたのだよ。 そしてもちろんビーチ・ボーイズしかり。 そんなビーチ・ボーイズに対抗したのか元バンドを越えるつもりで現れたような上質なビーチボーイズ直系のソフトロック・バンドをご紹介。 そのビーチ・ボーイズを彷彿させるサマーブリージンでハッピーファンなビューティフル・コーラス・ミュージックは「英国のビーチ・ボーイズ」とまで言わせるほど絶賛されていたそうな。 なぜなら中心メンバーのトニー・リヴァースは大のビーチ・ボーイズ・マニアだそう。ライブもコスプレするほどらしい。かなり筋金入りですな。(1970年作品) こちらも前記で紹介したザ・ミレニウムのようにしっかりプロモーションしてもらえなかったのか、当時はマニア中のマニアにしか知られていなかった様子。 実際CD化で日の目をみた感じもするし。(案の定CDもインディーズ流通) 美しいコーラス・ワークはもちろん申し分も無く素晴らしい。 聴く人によってはビーチ・ボーイズに聴こえてしまうか&もしくはアレンジが濃厚ゆえにこちらのほうが好きといったリスナーがいてもおかしくないほどのレベルである。 Aメロからブリッジの盛り上がり方、そして突き進む重厚なサビメロが一度聴いたら病みつきな代表曲「Move In A Little Closer Baby」の素晴らしさはどうだ。 他の曲もこれでもかといわんばかりにブライトなコーラスと超ポップな楽曲のオンパレード。いや〜好きなひとにはたまらんですな〜。 春の名盤としての開放感のあるソフトロックで、かつビーチボーイズのような爽快感と清涼感を兼ね備えたこのサウンドは、ちょうど今の暑い春にはちょうどよいのかなぁとも思いますね。 |
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いかかだったでしょうか。もし宜しければコレクションに是非ぜひ是非加えてみてください。 ※次回は時期的に梅雨ごろだと思うので「雨の名盤」を予定しています。 |