東京の桜も散り始め、徐々に新緑が目立ち始める季節になってきました。ここ最近の気温の乱高下に身体も心も戸惑い気味になってしまいそうな私ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。ハイファイ堂 秋葉原店 廣川 勝正です。 さて今回は、秋葉原店に入荷致しました弩級システムの紹介と、組み合わせの妙の事についてお伝えしたいと思います。 |
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ご覧の通り、現在のJBLを代表するモデルProject Everesut DD66000(チェリーカラー)が秋葉原店に入荷いたしました。(スピーカーの周りは傷が付かないように保護シートをかぶせています。) 同時に入荷した下の写真のシステムで鳴らしたのですが、一聴した時の率直な感想は「今までハーマンのブースなどで聴いてきた音と違う。」という良い意味での驚きでした。 もちろん、組み合わせるCDプレーヤーやアンプ類が違いますし(過去に聞いたシステムはMARAK LEVINSON No.512+No.326+No.53でした。)スペースそのものも違うので音が違うのは当然ですが、「ここまで変化できるポテンシャルの深さがあるのか」と、改めて感心させられた次第です。 以前聴いた、大量のレーザービームのシャワーに襲われる様な、長時間は耐えられない刺激的な音ではなく、今回は懐の深い、あらゆるジャンルの音楽も水準をはるかに越える音で聴かせる事が出来るという実力を実感することが出来ました。しかも、うるささも感じない! 価格と大きさを気にしなければ、1つの方向では頂点のスピーカーではないでしょうか。個人的に気に入る気に入らないにかかわらず、認めざるをえない点だと感じました。 |
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さて、組み合わせられたシステムにも驚かされます。冷静に考えて、プリ、パワーそれぞれの価格の点から見れば、それぞれ単体でスピーカーよりも高価な製品なのですから。 LINN CD12+FM266MK2+FM711!! 特にFMのプリとパワーに個人的に興味が惹かれます。 本音を言いますと、電源などを含めた環境に制限がありますので、上っ面の音のみでの感想ですが、自分にはまるで噴火口からゆったりと’冷静に’マグマがあふれ出しているような感じとでも言いましょうか、えも言えぬきめ細やかさ(繊細感という表現と違う感じです)と、質の高い音と受け取られました。(自分が言葉で表現できるレベルの音ではないとすら感じました。) ただ、感動する音を店で鳴らすのは無理です。ラフマニノフを聴いても、泣けるレベルではありません。この機器に合ったレベルの部屋が当然必要と思います。 |
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それぞれが、一見実にシンプルでありながら、そのディテールまで気を配られた容姿。 良い音楽を奏でてくれるオーディオ機器は、外観から発せられるオーラも違います。 見る価値、触れる価値、聴く価値が高次元で融合した製品を、今秋葉原店で展示、演奏中です。ぜひご来店して「体感」して下さい。 |
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さて、ここからは話題を変えまして‥、過酷な冬が終わり、麗らかさを徐々に感じる季節になってくると、「そろそろセッティングを変えてみようか。」とか、「前から気になっていた機器に変えてみようか。」とか、変化を求めたくなるものです。 そんなときに、お客様に少しでも役立つ様、ハイファイ堂 秋葉原店では、個性豊かなスタッフが様々な音の提案を行っております。 お客様が求めている、または目指している音を、しっかりと察知して、それに合った機器を紹介できる様頑張っております。 ここでは、組み合わせによる音の変化と、個人的感想ではありますが、推奨できる組み合わせをご紹介したいと思います。 |
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上の写真のシステムは、一つの組み合わせの例ですが、推奨できる音が聴けるわけではありません。 具体的に言うと、もう少し硬さがほぐれて欲しい、もう少し懐の深いタメがほしい‥そう思わせる音です。 じゃあ、どうすれば期待どおりの音に近づけるか‥手っ取り早い方法は、スピーカーをS3100から4344に変えるとかなり良くなるのですが、スピーカーを変えて音が変わるのは当たり前なので、この場合、スピーカーを固定して、アンプやCDの組み合わせを変えて、硬さの取れた懐の深い音を目指して行きたいと思います。(ちなみに、入り口からLINN→JEFF→THRESHOLD→JBLという組み合わせからスタートです。) |
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実はこの組み合わせの中で、硬質な音を聴かせる機器は以外にもパワーアンプなのです。 一つはプリとの相性からくるものもあるでしょう。自分としては、JEFFは充分知り尽くしており、これをそのまま中心としてパワーとCDの組み合わせを変える方がやりやすいので、その方法で目指す音に近づけたいと思います。 さて、意外かと思われる方も多いと思いますが、実はJBLから硬さのあまり感じられない、余裕のある音を聞かせてくれる組み合わせは、JEFFのプリとLEVINSONのパワーの組み合わせだったのです。ただし、LEVINSONでもNo.332L以降のパワーでは、ここまでうまくいかなかったと思います。(事実、かなり硬かった感じです。) 自分としても新たな発見だったのですが、CONCERTO PREとNo.23.5Lの組み合わせは、期待以上でした。 LEVINSONのパワー自体は硬質で筋肉質なマッチョな音という認識で、JEFFと合わせるとより硬質になるだろうと予想したのですが、結果は全く逆だったのです。柔軟性が出てきて、聴きやすくなり、音触の懐の深さが感じられるようになりました。クラシックにも充分対応できる組み合わせだと思います。CDもリンからメトロノームに変えると、より目指す方向に近づく感じになりました。 |
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さて、下の写真のシステムを見て、どの様な音が聴けるか想像してみて下さい。CD3 SIGNATUREとMUSICAとMONITOR30‥クラシック向きでゆったりと聴ける音が出てくるのでは‥と想像された方にとっては、以外にも意表をつく音を聴かせてくれる事となりました。 |
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実は、かなりモニターライクで、シャキッとした音が聴けるシステムでした。情報量と表現が豊かなCDプレーヤーと、チャーミングな音が持ち味のアンプ、クラシック向きとはいえモニター基調のスピーカーの組み合わせなのですが‥キュッと締まったタイトで重心の高い感じの音は、アンプの個性が色濃く出た結果ではないかと思います。 狙った方向の音とは違う結果に、自分も新たに組み合わせの複雑さを勉強させられました。 |
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最後に、今回試聴に使ったCDですが、自分の好きなCARMIGNORAのビバルディなどバロックのバイオリン物です。女性では出せない力強く、鋭さの感じられる演奏が聴けるおすすめCDです。 |
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いかがでしたでしょうか。皆様の今後の機器選びに少しでもお役に立てれば幸いです。 ハイファイ堂は、気軽に見て、触って、試聴できるお店です。どんどんスタッフにお声をお掛けいただきまして、様々な組み合わせをお試し下さい。 それでは、また次回。 |