5月29日(日)12:00〜15:00、寺井氏のClubでデューク・エリントン講座が開催されるという事で参加しました。初めてメルマガを読まれる方に少しご説明をしますと、寺井氏は、亡トミー・フラナガン氏の唯一の弟子であり、Jazz Piano Playerであり、Jazz Club Over Seas のオーナーでもあります。前回お邪魔した寺井氏のLiveでとても印象深い楽曲が"Sunset and the mockingbird"でした。この作者がデューク・エリントンだと教えて頂いてからエリントンをチェックしておりましたので講座のお知らせを頂き参加したという訳です。解説・進行担当は寺井氏ですが、実行委員会のメンバーは生徒さんたちでした。昼間の講座ということで主婦の私も出かけやすい。おまけに堺筋本町からすぐの好立地もあり迷わずにすむのが良い。お気に入りの「路地」の様子が昼と夜とでは違うのに驚きました。
さて、デューク・エリントンの経歴はご存じのお方も多いことでしょう。だが、彼の片腕というか高度な質の創作共同作業の相方といわれるビリー・ストレイホーンの存在は知らない方もおられるかも。エリントンのような恵まれた家庭ではなかったが母に溺愛され、ハイスクール時代からピアノ、作編曲で頭角をあらわしていたそうです。エリントン楽団のテーマ曲Take The "A" Trainの作曲者です。この前のテーマというのはエリントン作曲の"Sepia Panorama" ジミー・ブラントン(b)、ホワン・ティゾル(tb)、クーティー・ウィリアムス(tp)、ハリー・カーネイ(bs)、ベン・ウェブスター(ts)。 (ジャケット写真は過去データベスより引用、DUKE ELLINGTON)
B・ストレイホーンとD・エリントンの出会いは'38。楽屋でストレイホーンがエリントンに「何か弾いてみなさい」と言われ"Sophisticated Lady"を「これがあなた(エリントン)の演り方です。」と同じ様に演奏し、「これが僕の演り方です」と言ってKeyを替えテンポを速めてリハーモナイズ(コード進行を変えること)してみせた。エリントンは驚き、仕事を与え後日連絡する事を約束してNYへ戻った。その後連絡はなくストレイホーンは汽車賃を借りてエリントンを訪ねたがすれ違い。この時の土産がTake The "A" Trainだそうです。いろんなエピソードを知ると楽曲をもっと大切に聴かなくちゃと思った次第。
講座内容は、エリントン&ストレイ・ホーンの逸話は勿論のこと、楽譜をスライドで見せて頂いたり、講座進行に合わせた音源を聴かせて頂いた。生徒さんは小型録音機・五線譜を持参。修行中は大変やなぁ。スターティングは"The Mooch"、勿論Take The "A" Train, "Sunset And The Mockinbird"は外す訳にはいきません。どの楽曲だったかジョニー・ホッジスの(as)をむちゃくちゃ褒めていた寺井氏。「ほんま、ええ、アルト・サックスや」とべた褒めでした。エリントンの「ジャングル・サウンド」作りには優秀なJazz Menが不可欠。ポール・ゴンザルベス(ts)、ハリー・カーネイ(bs)、ジョニー・ホッジス(as)ジミー・ハミルトン(tcl)、ラッセル・プロコープ(as,cl)、クエンティン・バター・ジャクソン(tb,プランジャー・ミュート)、とにかく良い楽曲をたくさん聴かせて頂いた。我が家では出せない音量で、良い音で聴けるのも楽しみの一つ。