ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 大丸東京店の北村です。 仕事を終え家路につく途中、凝り固まった体を伸ばし深呼吸。 オーディオ機器という重量のある機材を扱う仕事上、日頃から体力維持の努力は怠れませんが、それでも重量級の大物を運んだ後の数日間はさすがに肩のひとつやふたつは凝ろうというもの。筋トレと共に、ストレッチで体をほぐすのも日課です。 お客様の大切なオーディオ達を、知識の面からだけでなく物理的にもしっかりと支えていけるようスタッフ一同頑張っております。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 |
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先日、部屋の片隅にまとめておいたアクセサリーやケーブルが散らかってきたので整理しました。中には持っている事をすっかり忘れて、新しく買い直してしまったプラグなどもあり、きちんと整理していれば…と反省した次第。 接続パターンをあれこれ変えて弄るのが好きな私としては、少しくらい余分に持っていたほうが良いのだよと自分に言い聞かせつつ片付けを進めました。そのうち管理表でも作ろうかと思います。 今回のメルマガでは、その中から出てきたオーディオ接続に役立つとっても便利なアイテムをご紹介致します。 |
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●RCA延長アダプター オーディオ機器をラックに収めて、さぁ配線。ところが「あれ?ケーブルが届かない…」なんて経験はありませんか? 年式の古いオーディオ機器でたまに見かけるのが、接続ケーブルが本体から直接出ているモデル。レコードプレーヤーの多くも本体から直接ケーブルが出ています。 電源ケーブルなら延長タップに接続すれば即解決ですが、これがRCAケーブルとなると接続する機器との設置距離が制限されてしまいます。 多くのオーディオ機器ではRCA端子があり、別途ケーブルを用意するかたちになるので尺の長いケーブルを用意すれば済むのですが、本体直付けではどうしようもありません。かといってイメージしていた並べ方を崩したら、せっかく買ったオーディオも見栄えが悪い。 こういったケースで役に立つのが、RCAケーブル延長アダプター。 |
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このアダプターは両端がRCA端子のメス部分になっており、RCAケーブル2本を接続して繋げることが出来ます。 |
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ケーブルとケーブルが繋がりました!あと少しで届くのに…といったもどかしさともこれでサヨナラ。 |
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このアダプターさえあれば、本体側の直付けケーブルが短くても心配ありませんので、ストレスの無い自由な設置が可能になります。 突っ張ったケーブル配線は見た目は勿論の事、音質にも良くありません。また、ケーブル内部の断線につながる可能性もあるので注意が必要です。 オーディオラックの裏を覗いて、無理矢理な配線が無いか今一度確認してあげてください。ケーブルが悲鳴をあげているかもしれませんよ。 このアダプターはペアで500〜1,500円程度と安価で入手が可能です。街の家電量販店でもよく見かけるので、一般的にもよく使われているのかもしれませんね。 |
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●RCAスプリッター お使いのスピーカーの入力端子はどうなっていますか?バイワイヤリングに対応しているならば、是非とも一度はバイアンプ駆動で鳴らしてみたいところ。 ジャンパーを使ったシングルワイヤリングとは一味違う、逆起電流から開放された高域ユニットの開放的な鳴りっぷりは、バイアンプ駆動独自の世界と言えるでしょう。 しかしながら現実問題としてなかなか実現が難しい点も多い、難易度の高い使いこなしであるのも確か。そのひとつが、プリアンプに出力が1系統しか無いというケース。 ステレオパワーアンプを2台買って「さぁ、バイアンプ駆動するぞ!」と鼻息を荒くしても、プリアンプの出力が1系統しかなかったら、当然1台のアンプにしか繋ぐ事ができません。出力系が複数あるプリアンプに買い換えるのも手ですが、お気に入りのモデルが対応しているとも限りません。 それだけの理由で断念している人がいるなら、実に勿体無いです。諦めるのはまだ早いですよ。 |
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写真はRCAスプリッター。パラレルコネクターとも云うアダプターで、ひとつのRCA出力を2口に分けることが出来る機能を持っています。 つまり、出力が1系統しかないプリアンプからでも、2台のステレオアンプに接続出来るという事。 |
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上の写真を御覧下さい。RCAスプリッターを出力端子に接続したならば、それだけで準備OK。あっという間に出力が2系統に。あとは分配先へケーブルを繋ぐだけ。 |
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使い道はバイアンプ接続だけではありません。ひとつのプレーヤーから2種類のシステムへ出力を分配したいなんていう欲張りな使い方にも対応できるので、いちいちケーブルを挿し替える必要が無くなります。 私のシステムでは2台のサブウーファーを使用しているのですが、AVプリアンプのLFE出力がひとつしかないので、このスプリッターを使って分配しています。 サラウンドスピーカーも2ペア使用しているので、ここでもスプリッターが活躍するという、我がシステムでは必携の一品。 他にも様々なシーンで使い道があるので、1ペアだけでも持っておくと便利ですよ。 価格は1ペア1,500円〜3,000円程度。街の家電量販店ではなかなか見かけない物なので、大型の店舗やオーディオ専門店で探すのがよろしいかと思います。 |
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●RCAジャック→フォーンプラグ変換アダプター とにかく音にガツンとパワーが欲しい!そんな時に気になるのが業務用パワーアンプ。大空間を想定した高出力と、フルスケール時にも安定したドライブ力を誇る魅力的なモデルがたくさんあるのですが、どうやらリアパネルを見て諦めてしまう人がいるようです。 というのも、業務用機材の入出力端子の殆どはRCA端子を搭載していないのです。これらのモデルではXLRやフォーンジャックなど、一般的な家庭用オーディオではあまり馴染みの無い接続方法が主。 その端子を見るなり「あぁ、ウチのオーディオには繋げないな…」と思ってしまうようですが、ちょっと待って下さい。 |
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写真はRCAジャック→フォーンプラグ変換アダプター。フォーンジャックしか無い機器にRCAケーブルでのアンバランス接続が可能になります。 |
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写真はRCAケーブルに変換アダプターを付けフォーンジャックに接続したところ。 私もこのアダプターの存在を知る前は、業務用機材はホームオーディオとは接続できないものだと思っていました。こんなにも簡単に解決できる便利な物があるとは驚きです。 |
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業務用パワーアンプやグライコ等、業務用機材を愛用している私としてはちょっとこだわりのある部分なので、変換アダプターも何種類か用意しています。 いま主に使っているのはオーディオテクニカのATL414CM(ピンジャック→Φ6.3mmモノラル標準プラグ)。音の厚みはもうひとつですが、高域部分の微妙な揺らぎなどデリケートな表現はよく出ます。 種類の違いとしては、接触抵抗の低い金メッキ、耐久性に優れるニッケルメッキと、この仕上げの違いで音質にも若干影響があるようです。 業務用途ではプラグの抜き差し回数が激しく多いケースも想定されるので、金メッキだとすぐにメッキが傷んで剥がれてしまいます。 音質的には接触抵抗の低い金メッキ仕上げの方が有利かもしれませんが、プロが使う現場のようなタフな環境では耐久性の強いニッケルメッキが好まれるそうです。 2種類揃えて音の違いを比べてみるのも面白いかもしれませんね。 ちなみにこのタイプのアダプターは、オーディオショップよりも楽器屋さんの方が種類が豊富で入手しやすいと思います。ご参考までに。価格は1個300〜700円程度。 |
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こういったアダプター類は、「接点が増える=音質が劣化する」という理由から毛嫌いされがちですが、市販の変換ケーブルに希望のモデルが無かったり、やたら高価だったり、自作もできないし…といった悩みを抱えたままに理想のオーディオスタイルから距離を置いて過ごす方がよっぽど精神衛生的に宜しくないです。音質の劣化が皆無だとは言いませんが、逆に心配する程でもありませんよ。 「ここには必要かな…」と一度でも思った事がある環境なら、むしろメリットの方が多いと思います。それほど高額な投資が必要な訳でもありませんので、一度試してみてはいかがでしょうか。鬱屈から解放されたオーディオ達が、きっと素敵な歌声を聴かせてくれますよ。 それでは、今回はこの辺で失礼致します。 ハイファイ堂大丸東京店 北村 〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階 TEL 03-6256-0516(直通) 03-3212-8011(代表) |