ハイファイ堂メールマガジンをご覧のみなさま、こんにちは。 大丸東京店の北村です。 梅雨、どんよりと曇った薄暗い空を見ていると何だか身体が重く感じる…。我が家のJBLも湿気のせいでちょっと音が重たくなっているような気がします。スピーカーユニットやエンクロージャーが湿気を吸っているせいか、鳴り方がいまひとつスッキリしない。カラッとした気候のカリフォルニアで生まれたスピーカーをこのジメジメの中で鳴らすのは、何だかスピーカーに申し訳無い気分になってきます。オーディオだって人と同じで梅雨は嫌いでしょうね。みなさまはいかがお過ごしでしょうか。 さて、こんな時はアクセサリーでもつけて気分転換♪アクセサリーと言っても、ネックレスやイヤリングではないですよ。オーディオアクセサリーの事ですよ! 今回のメルマガでは、ノイズの元となる空き入力端子を埋める便利アクセサリーをご紹介致します。 |
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突然ですが、お使いのプリメインアンプの背面を見て下さい。使っていない入力端子が余っていませんか。 音源はプレーヤー1台だけという方、または複数台のプリメインアンプをお持ちでソースにより使い分けている方、おそらく多くの入力端子が空いている事と思います。 入力系統がたくさんある機器を見ると、「これなら機材が増えても大丈夫だな」と安心する反面、実際問題その充実した端子群を埋めるくらいに機材が増えるかというと残念ながらそうでないケースが多いと思います。実はこの「空き入力端子」が、オーディオシステムの音質に悪影響を与えているらしいのです…。 |
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頼もしい端子群も、実は諸刃の剣? |
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CDやデジタル音源しか聴かないという方に多いのが、「このプリメインアンプにはレコードプレーヤーは接続してないよ」というケース。 プリアンプ・プリメインアンプのフォノ入力端子は、CD等のライン入力よりも微弱な信号を取り扱います。そのため他の入力に比べ端子から後段の感度が高くなるように設計されています(フォノ入力にCDや外部入力を接続すると盛大に音が割れるのはそれが理由)。当然、端子から侵入してくるノイズの影響もそれだけ大きくなります。 「入力端子は常に入力状態にあるので空中に漂う電磁波などを拾って、それが原因となって音質を濁す」とは専門家の弁。何だか煽られているだけのような気がしないでもないですが、そんな事を言われたらやっぱり気になっちゃいます。数ある空き端子の中でも、影響の大きいと言われるフォノ入力だけでも対策をとらねば。 そんな時には・・・ はい、「ショートピン」。 |
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上の写真はRCA端子ショートピン。一見するとRCAのプラグ部分だけのように見えますが、内部は電気的にショートされる構造になっています。 |
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使い方は至極シンプル。空いている入力端子に装着するだけです(写真上)。 このショートピンにより入力がショートされ、余計なノイズを拾う心配が無くなります。また、端子がカバーされる事により汚れや酸化等の劣化を予防・軽減できる他、更には端子部分がホールドされる事により不要な振動を抑えるといった効果も狙えます。 もちろんフォノ入力に限らず、他の入力端子に使用しても効果はあるはずです。 |
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隣の写真は通常のRCAプラグの内部。円の中心(ホット)と、外周からのびている部分(コールド)の、接触しない2つの通電面があります。 |
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こちらの写真はショートピンのカバーを外し分解したところ。よく見るとホットとコールドの間がハンダで埋められているのが分かります。ホットとコールドが接触し、短絡=ショートされた状態となる。 |
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今回は自腹で買ったショートピンの中から、メルマガを御覧の皆様のためだけに、特別にひとつ分解してみました!少しは参考になりましたでしょうか? 上の写真の通り、構造自体は通常のRCAプラグと同じで、その端子がショート配線されているだけなのがお分かりいただけると思います。う〜ん、とてもシンプルです。 市販のRCAプラグの内部は基本的に上記のような構造になっているので、ショートピンを自作する事も簡単にできますよ。 |
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RCAタイプショートピンの価格は安いもので1個百円程度。有名メーカー品になると数個セットで1〜2万円とかなり高価ですが、制振対策がしっかりと設計されている点は見逃せません。 この「ショートピン」というジャンルではXLR等、他タイプの端子用も発売されています。最近ではネットワーク・オーディオ用として、未使用のLAN端子を埋める「LANターミネーター」なるモノも…。こういった端子になると情報信号が双方向で行き来するので単純にショートさせるだけでは無いようですが、何はともあれ穴は埋めた方が良いということなのかしら。 |
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さて、ここで市販のメーカー品ショートピンをご紹介。 ACOUSTIC REVIVE BSIP-2Q XLRタイプのショートピン。クオーツレゾネーターによる制振効果に注目。完全非磁性体構造。 |
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ハイファイ堂でもおなじみのLUXMANからも発売中。 RCAショートピン・セット JPT-10 真鍮無垢材の削り出し、24K金メッキ仕上げ。 |
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ショート機能のないただの防埃キャップもあります。 audio-technica AVプロテクター AT6063DG ピンジャックはもちろん、光デジタル端子やS端子ほか、7種類の端子に対応。 |
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我が家のオーディオ達にも使っていない入力端子があったので早速ショートピンで埋めてみました。 僅かではありますが弱音部分の安定感が増したように感じます。聴こえ方からすると、物理的な制振効果が効いているのかと思います。 オーディオだけでなく、映像機器に使ってみるのもおもしろいかもしれません。今どき映像のアナログ入力は殆ど使わないですからね。 |
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ショートピンによる音質の向上はごく僅かなものでしたが、こういった小さな使いこなしを積み重ねて総合的なレベルアップを目指していくのがオーディオ趣味の楽しいところ。今回ご紹介したアイテムは手軽に音質向上が図れるだけでなく、機器の保護にも役立つという活躍ぶりを見せてくれました。 自分が知らないだけで、まだまだこういった便利アクセサリーが存在するのかと思うと、何だか楽しくなってきますね。梅雨の鬱陶しさに明るい気分を運んできてくれたショートピンに感謝です。 ※ショートピンは出力端子には接続しないで下さい。故障の原因となります。 それでは、今回はこの辺で失礼致します。 ハイファイ堂大丸東京店 北村 ハイファイ堂大丸東京店 〒100-6701 東京都千代田区丸の内1-9-1 大丸東京店10階 TEL 03-6256-0516(直通) 03-3212-8011(代表) |