福岡店の福永 正和です。 まず、一つお知らせです。 福岡店は毎週水曜日を定休日とさせて頂いておりますが、12/28は営業致します。年末年始、音楽三昧で過ごしたい方、是非福岡店にお越し下さい。もちろん、電話、メールでの受付もしております。年内の発送、配達も大晦日迄やっています。 よろしくお願い致します。 さて、忘年会シーズンということで、夜の街は賑わっています。 もちろん、福岡の大歓楽街中洲も例外ではありません。 この時期は屋台も臨時で衝立てと扉をつけて営業していますので、寒さに震えることもありません。 |
|
最近、ハイレゾが話題になる事が多いのですが、一般化するにはもう少し時間がかかる、...というかこのまま普及せずに、マニアだけの物になる可能性が高い気がしています。 私自身、最近ハイレゾなる物がなんぞや?と真剣に考え、ネットでさんざん調べたのですが、なんだかピンとこないのです。 理由としては、 1)デジタルデータのサンプリング周波数/ビットレートが統一されていないので、表示がまちまちでわかりにくい。 2)ネット配信のみなので、PCのHDDでは心もとないので大容量の外付けHDDやNASが必要みたい。 3)配信元がいくつかあるが、どこでどうダウンロードするのが良いかわからない。 4)アナログ世代の人間には、物としてのソフトがないと、なんか寂しい。 5)お試しに買うにはまだまだ価格が高い。 私自身の一番の理由は4)ですが、ハイレゾの購入を躊躇されている方は、上記のことが気になっている方が多いと思います。 |
|
今回は、このような経緯もありハイレゾ音源の購入を断念したわけですが、せっかくデジタル音源のなんたるかを調べましたので、物として手に入るCDとSACDの違いを、書いてみたいと思います。 ちなみに右がSACDのロゴですが、左上から『S』『A』『C』『D』のアルファベットをロゴ化しているとのこと。 あ〜、なるほど〜、と感心してしまいました。 SACDとCDは似て非なる物。SACDが普通のCDプレイヤーでの再生が出来ないという点で、一体何がどう違うのでしょうか? |
|
ズバリ!データの記録方式が違うのです。 そして、ディスクの記録容量も違うのです。 まず、記録方式ですが、CDはPCMという方式でデジタル変換方式として最も一般的な物です。レーザーディスクなども基本的には同じ方式で、当時のデジタル技術では最も一般的な物であったため、CDにも採用されました。 サンプリング周波数は44.1kHzです。 CDのディスク容量は当初は640MBで、その後700MBになりました。 対するSACDは、DSDという方式で記録されています。これは、PCM方式よりもよりきめが細かく、数字で言うとCDの44.1kHzの64倍=2.8224MHz。 そして、ディスク容量は、CDが700MBに対して、SACDは4.7GBとDVDと同等の容量です。 また、再生周波数帯域がCDが20kHzまでなのに対し、SACDは100kHzまでと、CDで不評だった高域再生にSACDが有利と言われています。 数字ばかりで分かりにくいですが、デジタルとは数字の世界ですので....。 |
|
上記の通りCDとSACDは互換性がないのですが、それではあまりにも切ない...、いやプレイヤーを2台揃えるのは現実的ではありません。 なので、SACDプレイヤーではCDの再生が可能です。また、ユニバーサルプレイヤーというCD/SACD/DVD/DVDオーディオなどの再生が可能な万能機種も多数販売されています。 ただし、音の方はやはりSACDプレイヤーに軍配が上がる様です。 映像回路などがありませんので、音質重視の設計が出来るからでしょう。 また、SACDソフト自体も、SACD専用だけでなく、通常のCDプレイヤーでも再生が出来るハイブリッドなる物も出ています。価格的にCDに比べて高価になる為CDプレイヤーしかお持ちでない方にはあまり魅力はないのですが、将来的にSACDプレイヤーを購入されたいと思う方にはこちらがオススメです。 また、iTunesなどで取り込み、家ではSACDの高音質で、外にはiPhoneやポータブルプレイヤーで持ち出したいという方には、ハイブリッドが便利です。 |
|
|
|
ではここで、やっと本題です!(前振りが長くてすみません....) 今回は、SACDとCDの音がどう違うのかを、実際に聴き比べてみました。 プレイヤーはAccuphaseのCDトランスポートDP-800とD/AコンバーターDC-801の組合せです。 オーディオとしてのSACDとCDの違いを聴き比べるには最高です。 |
|
試聴に使用したのは、ドナルド・フェイゲンの『ナイトフライ』。 CDのほうは、ワーナーミュージックのフォーエバーヤングシリーズのごくごく一般的な物。2006年発売です。 SACDは、ハイブリッドです。2011年発売です。 同じCD音源の違いを確かめる為に、試しにDENON DCD-1650ALで両方を再生してみましたが、私には違いは感じられませんでした。 |
|
実際にSACDとCDを聴き比べてみました。 耳慣れた1曲目の『I.G.Y.』ですが、シンセサイザーの音がCDの方が若干耳につきます。 SACDのほうが、マイルドな印象です。 音数の多い5曲目の『ニュー・フロンティア』では、SACDのほうが幾分音のつながりが良く、全体のバランスが取れている気がします。 この音源での全体的な印象では、CDのほうは一つ一つの音がしっかりと分離して聴こえますが、SACDのほうはそれにプラスして全体の音の一体感があり、柔らかなイメージです。高音域の伸びも自然で、繊細さが際立ちます。 よくSACDがアナログに近いと言われますが、角が取れた柔らかさは確かにCDよりはアナログに近いですね。これは好みだと思いますが、声や生楽器の生々しさはあるのですが、画一的な感じもしてしまいます。この辺はライブ盤などならばもっとざっくばらんな聴こえ方をするかもしれませんが....。 |
|
今回は、サンプルが1種類しかなく、参考になるかどうかはわかりませんが、CDに不満があるかたは、一度SACDにトライしてみてはいかがでしょうか? 当社ではアナログもお勧めしていますが、手軽に楽しめるという点ではCDサイズは魅力的ですし、アナログとは違うデジタル音源の良さもあります。 今回は、SACDの音の良さを再確認しました。 時代はアナログ再発見で、レコードの見直しもされていますが、新しいメディアは次々出てきます。 選択肢が増えるとついていけなくなり、趣味から遠ざかる方もいらっしゃいますが、それぞれに良さがありますので、自分に合った方法で音楽を楽しめれば、と思います。 |