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解体新書 vol.12 ortofon MCカートリッジ MC20 解説近藤賢二・佐竹裕行、写真撮影佐竹裕行 カートリッジと聞くとアナログ全盛期時代を想い出し、それは良き時代であったと感銘させられる。アナログ全盛期の1970年代にオルトフォンMC20は評判であった。ユニバーサルアームにも取り付けが可能で、当時かなり好評だったと聞いている。また価格も比較的買いやすくしていたのもオルトフォンの良心であろう。繊細で日本のオーディオファン向きに開発されたということである。(近藤) 久しぶりの解体新書です。今回は大須本店在庫のジャンクカートリッジ、オルトフォンのMCカートリッジMC20を解体していきます。今回使ったMC20は改造してありましたので実際のMC20とは多少違うところがあるかもしれませんが御了承ください。デジカメの接写とズームの限界に挑んだ解体新書になりました。(佐竹) |
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まずケースの開け方ですが上からみると、4つのツメでくっついているだけです。ツメを外すだけで簡単に外れます。(佐竹) |
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ケースを取ると中はこんな感じになっています。 非常にシンプルです。(佐竹) |
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真ん中のネジを外すとケースから本体が外れます。(佐竹) |
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磁力がかなり強いため、ネジを外してもくっついています。(佐竹) |
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ネジとポールピースです。 ポールピースがS極、マグネットがN極になっているそうです。(佐竹) |
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ネジはケース側に付いているナットで止まっています。(佐竹) |
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ケースを外した本体はこうなっています。 構造自体はSPUとほとんど同じようです。(佐竹) |
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ポールピースを外すとこんな感じです。 ちなみに針は折れています。 後方のポールピースとマグネットは接着剤で接着されています。(佐竹) |
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下から見ると 小さいネジが付いているのが分かります。このネジはストリングシリンダーを止めるためのネジらしいです。 相当小さいネジです。(佐竹) |
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このネジを外しても針は外れませんでした。(佐竹) |
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前面ポールピースを外し前から見るとこうなってます。 SPUだとマグネットに穴はなくネジはマグネットの下を通るらしいのですが、MC20はマグネットの中を通っています。(佐竹) |
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コイルの部分のアップです。 「井」の字形にコイルが巻かれています。対角の2列で右左各チャンネルを担当しているようです。4本細いコイルがダンパーの後ろから出ているのが見えます。(佐竹) MC20は出力電圧が0,1mVだった。その後MC20シリーズはMC20MK2、となり、次々と改善され、遂に最高性能のMC20 SUPER2が1987年に登場となりアナログ全盛期時代を締め括った。現在はMC20の6代目となる「MC20S」が発売されており出力も0,5mVと大きくなっている。(近藤) |
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コイルの引き出し線の付近です。 ゴムのダンパーの間から細いコイルが出ています。(佐竹) |
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左から見たところです。(佐竹) |
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後ろの方はこうなっています。 後方のポールピースの後ろに薄い板がありこれが右のアースに接続されています。 接着はされておらず触っているだけです。(佐竹) |
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別角度から取ったものです。鉄板が曲げてあって、そのまま端子に接着されています。(佐竹) |
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端子はこうなっています。両チャンネルの+側が改造されていて、ケーブルに換えられています。(佐竹) |
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この写真のほうが接続されているのが良く分かります。(佐竹) |
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ボディを上から見たところです。(佐竹) |
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下から見るとこういう感じです。(佐竹) |
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ボディの側面には針カバーをつけるあながありますが何故か3つあります。(佐竹) |
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ボディの天井付近です。 ボディで既に角度が付いています。(佐竹) |
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MC20の解体は意外と簡単でしたが。分解したパーツをなくさないようにするのと、写真を撮るのが大変でした。基本的には磁石とコイルと針だけなのに音が違ってくるのは、構造や素材の違い等のかなり微妙な違いからくるのでしょうか。あとはこれほど細かいコイルや接着をする職人さんの腕が音に影響してくるんだと思いました。目で見えないものが沢山詰め込まれている感じがしました。カートリッジの解体はかなり良い勉強になってよかったです。来週も別のカートリッジを解体する予定です。(佐竹) 現在のCDに比べ、はるかに面倒なアナログレコードの良さは、やはり小レベル時に歪みが少なく、大レベルになれば歪みが段々と増してくる人間の聴覚生理に合致しているからであろう。これまで日本で発売されたカートリッジは約1000種類に近いといわれている。音楽・オーディオ用のカートリッジ、それもMCタイプは音質も良いのでCDプレーヤーなどに比べてかなり高価であった。カートリッジはビジネス的に見れば、付加価値が高く、もっと安い価格で売れるはずである。高価になってしまう理由はやはり、アナログ全盛期の1970〜80年代前半に比べて、市場規模が二桁以上縮小されてしまったからだったと思う。このあとCDの登場を機にカートリッジメーカーの廃業が相次ぎ、付随していた材料、部品メーカーも廃業をよぎなくされて行ったのである。(近藤) |
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